沈むさかな
- 『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞 (1)
- サスペンスミステリ (39)
- ダイビングミステリ (1)
- 処女作 (383)
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私は学生時代は水泳部に所属、最近ダイビングも始めたところでこの作品と出会いました。そんなタイミングだったので、読み始めてすぐに圧倒的なリアリティーに驚き、ぐいぐい引き込まれ一気に読ませてもらいました。式田さんの他の作品もそうですが、ものすごいリサーチ力と話の組み立ての旨さに脱帽です。嘘くさいキャラクター設定やちょっとググっただけのリサーチが多い中、この作者はダイバーでサーファーだと確信できます。(ひょうっとしたらスイマーでヨットマンでもあるかもしれません)。ストーリーは他の方のレビューに書かれているので私は触れませんが、式田さんの作品の登場人物は他の作品にも入れ替わり立ち替わり登場します。「月が100回沈めば」と「湘南ノート」を読見進むと懐かしいような不思議な感じがします・・・昔バイとしてた店の店長にひょっこり出会った時のような感じ・・・連作では無いのに面白い読後感です。次も期待しております! | ||||
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ダイビングなどやったことない私としては、その技術や理論は大変面白い。 また、読んでいる最中ずっと「きみは・・・」で語られる文法が気になっていました。 しかし、終盤核心に迫る部分で、長く貫かれた「文法」が意味を持ってくる。 その構成には感心しました。 主人公の少年は、無力で、 しかし何事かを成そうとする「青春の葛藤」や「無茶苦茶感」がある意味リアルです。 主人公の受身の姿勢は読む人によっては、理解できないかも知れません。 しかし、現実とはそんなもの。リアルに精神的成長を遂げる主人公が描かれていると思いました。 | ||||
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’02年「第1回『このミステリーがすごい!』大賞」優秀賞受賞作。このときの大賞は文庫化されてからベストセラーになった浅倉卓弥の『四日間の奇蹟』。選評によれば、本書は『四日間・・』がいなければ大賞が獲れたのではないかとのニュアンスもうかがえる。 本書は「きみは・・・」で語られる独創的な二人称記述の小説である。 父の急死の真相を探るため、主人公17才の高校生カズは幼馴染の勧めでスクーバダイビングを始めながら海辺のクラブに潜り込む。だが糸口が見えないままにダイバーの変死事件が起こり、中絶斡旋の噂、製薬会社の暗躍、ヒト再生研究など次々に、米軍横須賀基地まで巻き込む組織的かつ巨大な疑惑が浮上する。 前半は歩むべき道を模索する孤独な若者カズのあくまでも静謐な語り口の青春物語。ダイビングの描写も臨場感があってすがすがしい。 後半に入ると事件や謀略的疑惑が沸き起こり、大掛かりなミステリー趣向が駆使される。その過程では迫真の海中活劇も繰り広げられる。さまざまなことにもまれながら「きみ」ことカズも成長してゆく。最後には意外などんでん返しも用意されている。 夏の湘南を舞台にダイビングの魅力と謎解きが融合した清冽で端正なイメージの青春ミステリーである。 | ||||
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二人称、ダイビング、そして湘南の海というあまり慣れない不思議な空間を生み出しているミステリー。といっても前半は主人公のカズがダイビングを覚えていく過程や友人の英介から教わり、成長していくという話だ。むしろ、全体的に似見るとカズのサクセスストーリーでもあるかもしれない。ミステリーがメインということではないはず。 日々の生活に見切りをつけた高校生、矢野カズは湘南の鵠沼でラーメンやのアルバイトをしていた。ある夜不良グループに絡まれたが、小学生の頃スイミングスクールに通っていた友人、加部英介に再会、そのばを助けてもらう。そして、英介からダイビングをやらないかと持ちかけられることに。 ミステリーの核となるのは、昔スイミングスクールのコーチをしていた父の下で起こった死亡事故と父自身の死の真相を探すための物語。そして、カズの自分探しへの旅でもある。 ダイビングという慣れない題材を持ち込んでいるせいもあるだろうが、全体的に不思議とゆったりとした空間が漂う。海の中にいるような、時間の緩やかさ。本作でも海の描写が綺麗で、色々な人から海についての思いを語られる。それにカズも引きつけられるが、だからこそラストは大分勇気のいる行動だったはず。 世界の2/3は海に囲まれていて、特に日本は島国だ。海とは切手も切り離せない。海のように話も後半の展開が広げすぎではないかと思ったが、追うべき存在や父の伏線がまとまった感じで、ミステリーとしても悪くはないだろう。 それ以上に本作のもつ世界観が好きだ。海に魅せられたカズ。広く、大きい中にある自由を感じ取っていたのではないかとも思った。 個人的には好きだ。終盤シリアス路線に走ってしまったのが惜しいが、仕方ないと言えば仕方ない。『四日間の奇蹟』よりも、好きかな。 | ||||
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読み始めは何が言いたいのかわからなかった。でも次第に謎は深まり、真相に手が届きそうでなかなか届かなくて、読み進めてしまう。ダイビングの魅力とその奥深さ。海と生物。主人公「カズ」の心情。ティーンエイジャーの脆さ。大人と社会に対するシニカルな視点。どれをとっても文句のつけようがない。実は最後に明かされる”真実”は、最初に知りたかった真相とは別のところにある。その”真実”がわかった瞬間、「ああ、この小説はスゴイ!」と思った。そうだったのか。本当は最初からひとつたりとも読み落としてはいけなかったのだ! | ||||
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