シーズ ザ デイ



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    初公開日(参考)2001年03月
    分類

    長編小説

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    シーズ・ザ・デイ

    2001年03月31日 シーズ・ザ・デイ

    16年前、5人の男女を乗せたヨットが南太平洋フィジー沖で遭難した。愛したがゆえに傷つき、見えざるものの手によって翻弄された男と女。ヨットという閉ざされた空間でいったい何が起きたのか。母から娘、父から息子へ、そして父から娘へと連綿と繋がる運命のいたずら。海底に眠る謎が解き明かされた時、愛する者たちに明日は来るのだろうか―。 (「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

    シーズ ザ デイの総合評価:6.36/10点レビュー 14件。Cランク


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    全1件 1~1 1/1ページ
    No.1:
    (7pt)

    神の配剤が多すぎる!

    数年前、本作を執筆するために自身が所有するヨットで航海している作者の姿をTVで見たことがある。確かその時の番組は『情熱大陸』だったように思うが、その番組内でのナレーションで、この作家は自分の作品のテーマにすることを自らの身体で体験しないと書けないというようなことを云っていたことを思い出した。
    17年前の太平洋横断航海で沈んだ船の謎を軸に、親子の絆の回復と自然教育を絡めた本作はその時の経験がいかんなく作品に反映されている。

    特にガッチリとした体型の主人公船越はそのまま作者の姿を投影したものと思われる。その他、人生の先輩とも云える岡崎や、かつてのクルージング仲間牛島などは作者を取り巻く同好の士がモデルだろう。
    そして特に女性陣の特徴が際立っている。岡崎の愛人の娘、稲森裕子に、中絶して、この世にはいないと思われていた船越の娘陽子。そして17年前の航海で立ち寄ったパラオで出会った運命の女性水上朝代。彼女らは全て男に癒しを施す、聖母のような包容力と強さを持つ。16歳の陽子でさえ、それを感じる。

    しかしそんな女性陣の中で特に異彩を放つのが船越のかつての恋人、升野月子だろう。どこまでも自己中心で、躁鬱が激しく、常に人の注目を集めていないと気がすまない女性である。しかも自分のカタルシスを得るためならば、人の心に一生残る傷を与えるような話も平気でする女性だ。こういう人間は確かにおり、しかもなぜか男どもは危険だと思いつつ、関係を持つ欲望に抗えない。人生を達観している岡崎でさえ、手を出し、火傷を負ってしまう。
    この月子こそ船越の人生を狂わせ、ある時には周囲の人間の運をブラックホールのように吸い込み、命まで奪うほどの悪女であるのだが、勧善懲悪物のように、この話では彼女には天罰は下らない。そんなことなど些末な物だと思える天啓を船越は得るのだ。

    谷甲州氏もそうだが、自然を相手にした趣味を持つ者は神々の恩恵、畏敬そして神の配剤という物を肌で感じるのだろうか。自身、船を所有する作者もまたクルージングを趣味にしており、山と海と対象は違えど、その内容に人間の理解を超えた恩恵をあるがままに受け入れ、作品に取り入れる特徴が両者には見られる。
    本作で実に魅力的に描かれるサブキャラクター岡崎の、奇妙な人生が2章で書かれているが、それはまさに神の祝福を受け、岡崎が成功した人生を歩んできたことをそのまま肯定するかのような内容だ。

    小学校5,6年のときに毎日校門を潜ると、空から光が降り注ぎ、髪のみならず各国の人々からの喝采を浴びるような経験、イタリア留学中、地中海でヨットの処女航海に出た際に感じた海の真っ只中で聞こえた音楽、それを基に作曲した映画音楽で一世を風靡した人生に、土地を転がし、バブル崩壊前に売却し、巨万の富を築くという夢のような成功譚。
    そして主人公船越が太平洋への航海に踏み切るのも、岡崎の娘稲森裕子から聞いたスキューバダイビング中にフィジーの沖で発見した沈没した船がかつて自身が沈没した船であったこと、そして彼は正にその時、航海できる船を得たこと、そして15年ぶりに沈没した船に同乗していたかつての恋人から電話を受けた事、そういう偶然が動機となっている。あまりにも出来過ぎた設定だが、これを作者は主人公を導くために作った神の道筋だと述べる。

    しかしそれがこの作品をどこかで読んだ話のように思わせているのは確か。海を越えて巡り合う血の絆。これは正にこの作者のデビュー作『楽園』のテーマそのものではないか!
    『リング』シリーズで一躍時代の寵児として躍り出た作者が宣言したホラー断筆宣言。その先に見た作者の道筋とは親と子の物語であり、家族の抗えない血の絆をテーマにした物語。そしてその物語を紡ぐために原点回帰とも云えるヨット航海を選んだのだが、いささかそれが偶然に次ぐ偶然に寄りかかった話のようになってしまったのは非常に残念である。

    本作ではこの見えざる力による主人公の行動を逐一納得させるために作者が自身の考えを執拗に開陳しており、これが押し付けがましさを感じさせ、逆効果となっているように思えた。下世話な云い方をすれば、俺はこういう風に思う、そうだろ?そうだろ?と何度も同じような話を聞かされているようで、しかも自分で紡いだ話を証拠として、ほらなとしたり顔をしているように感じた。
    上にも書いたように、今回この作品でちらついたのがデビュー作『楽園』だったように、この作者の書くテーマ、モチーフに同一の物が多く、意外に引き出しがないように思われる。『情熱大陸』で語られていた「自分で体験しないと書けない」という言葉は裏返せば「自分で体験した事しか書けない」ということだ。『リング』シリーズ以降、大きなヒットに恵まれない理由がここにあると思うのだが、辛辣すぎるだろうか?


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    No.13:
    (1pt)

    海が好きで表紙買いしてしまった

    いい人程早く死ぬ、そんな感じの胸糞悪い小説でした。
    シーズザデイ〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:シーズザデイ〈上〉 (新潮文庫)より
    4101438153
    No.12:
    (2pt)

    兵頭の死を軽んじるな!

    船越は兵頭の死をどう思ってんの?人が死んでんねんぞ!クルーとして朝代よりも兵頭の方が付合いが長かったのに、想入れは「男」の兵頭より「女」としての朝代や月子ばかりに充てられている。そもそも船越が女のケツばかり追い回してた不貞の結果が、この惨事を招いたんだろ。挙句に最後は友人の娘にまで手を出してhappy endとか噴飯ものですわ。実社会では絶対に通用にない夢物語!

     海のロマンだの、人間賛歌だの、調子よい台詞でまとめてハードボイルド風情に物語を括っているが結局は船越好色一代記で、人として全然共感できん。主軸となるオチも途中半分くらいで読めたし・・・新潮の連載作品として締切り合わせで煮詰まってないまま世に送り出されたという感じ。ダメだコリャ、すーさんの珠玉の名作群で数少ない駄作の一つ。暇人は図書館で借りて読め。
    シーズ・ザ・デイAmazon書評・レビュー:シーズ・ザ・デイより
    410378606X
    No.11:
    (5pt)

    鈴木光司先生の、ホラーではない良作品

    「リング」「ほの暗い水の底から」が映画化までされていることで有名な著者ですが、今作の方が私にはなじみ深いです。
    私個人としては、「鈴木光司」といえば「シーズザディ」です。
    幼き日の私は、せいぜいジャンプでマンガを見て楽しむ程度のことしか知りませんでしたが、何気なく読んでいたこの作品にはより深い面白さがあり、大げさな言い方ですがね、人生の見方が変わりました。
    ただ読み返すと登場人物が色々と、よくないなあというか正確に難がありますね。
    それも含めて実に人間を描写できている作品だと思います。
    シーズザデイ〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:シーズザデイ〈上〉 (新潮文庫)より
    4101438153
    No.10:
    (4pt)

    暑い夏だからこそ読もう!

    南洋の海とヨット、そして海を越えた多重層的な運命の重なり合いの物語です。ヨットによる大洋横断のリアリティに感心しつつ、明かされていく幾つかの真相に振り回されながらも、やがて一点に向かって集約していく喝采のラスト。肌触り・感触の異なる作品を次々描きつつ大きく期待を裏切ることのない著者にはほんとうに感心してしまいます。
    この作品では特にヨットと海の存在感が際立っています。著者が過去に漁船に乗っていたことがあり、現在も船舶免許を持っていると聞いて当方ガッテンしました。
    また良作をお願いします。
    シーズザデイ〈下〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:シーズザデイ〈下〉 (新潮文庫)より
    4101438161
    No.9:
    (4pt)

    暑い夏だからこそ読もう!

    南洋の海とヨット、そして海を越えた多重層的な運命の重なり合いの物語です。ヨットによる大洋横断のリアリティに感心しつつ、明かされていく幾つかの真相に振り回されながらも、やがて一点に向かって集約していく喝采のラスト。肌触り・感触の異なる作品を次々描きつつ大きく期待を裏切ることのない著者にはほんとうに感心してしまいます。
    この作品では特にヨットと海の存在感が際立っています。著者が過去に漁船に乗っていたことがあり、現在も船舶免許を持っていると聞いて当方ガッテンしました。
    また良作をお願いします。
    シーズザデイ〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:シーズザデイ〈上〉 (新潮文庫)より
    4101438153



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