ループ



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初公開日(参考)1997年12月
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長編小説

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ループ (角川ホラー文庫)

2000年08月31日 ループ (角川ホラー文庫)

科学者の父親と穏和な母親に育てられた医学生の馨にとって家族は何ものにも替えがたいものだった。しかし父親が新種のガンウィルスに侵され発病、馨の恋人も蔓延するウィルスに感染し今や世界は存亡の危機に立たされた。ウィルスはいったいどこからやって来たのか?あるプロジェクトとの関連を知った馨は一人アメリカの砂漠を疾走するが…。そこに手がかりとして残されたタカヤマとは?「リング」「らせん」で提示された謎と世界の仕組み、人間の存在に深く迫り、圧倒的共感を呼ぶシリーズ完結編。否応もなく魂を揺さぶられる鈴木文学の最高傑作。(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.50pt

ループの総合評価:7.50/10点レビュー 76件。Cランク


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全4件 1~4 1/1ページ
No.4:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

作者は本当に続編を書きたかったのか?

『リング』、『らせん』シリーズの最終作『ループ』。
しかしこの作品の評判が非常に悪いのが気になっていた。実際映画化されたのも『らせん』止まりだし、あれだけ世間で大ブームを起こしたこれらの作品に比して、この『ループ』は一種のタブーめいた扱いを受けているような気がした。
そしてそれは確かにその通りであると認めざるを得ない物であることが解った。

それはまず『ループプロジェクト』の内容がわかる135ページ当たりから、非常に嫌な予感となって現れた。そしてそれは的中してしまった。
作者鈴木氏は前2作で積み上げてきた山村貞子なる恐るべきキャラクターが起こした一大カラミティを大胆にも解体し、箱庭の中に封じ込めてしまった。
そしてさらに馨がフォーコーナーズの研究所跡で体験する仮想空間「ループ」の件を読むに至って、さらに不安は増す。それはあって欲しくない予想だったが、果たしてその通りだった。

またこの『リング』シリーズを通して解ったこと、痛感したことがある。
やはりホラーというジャンルは恐怖の根源についてある程度の謎解きは許せても、全てを解明するとなんともまあ陳腐になるということだ。それはシリーズが続くにつれ『リング』>『らせん』>『ループ』とどんどん面白さが希薄になっていくからだ。

始まりは「ビデオを観た人が1週間以内に死ぬ」というシンプルな設定だった。しかし、シンプルだからこそ、物語の方向性はまっすぐであり、読者はその方向に登場人物と共に身を委ねて突き進めた。
しかしこの設定をどんどん理詰めで解明しようとしたのがまずかったように思う。恐らく作者は当初続編を書こうなんて気は毛頭無かったのではないか?それは『リング』前後に書いたこの作者の作品がファンタジー、ミステリと作品ごとにジャンルが違っている事からもわかる。

しかし世間は『リング』の面白さを受け入れ、あらゆるメディアに『リング』ブームは拡がる。そして『リング』を読んだ・観た者達は当然の如く続編を求めた。
そしてそれは出版社も恐らくそうだろう。この『リング』ブームを単発で終わらすには勿体無い、ブームを継続させるには続編が必要だ、それはファンも望んでいる、と。そしてこの作者は通常ならばこういうホラーの続編にありがちな手法、つまり限られた登場人物での出来事から、山村貞子を化け物として、大多数の人間を襲う、というような安直な方法を採らず、怪異の現象を科学的に解明しようとする方法を採ったのだ。
それはクローン技術同様、天に唾吐く行為だったのだと思う。確かに作者はかなりそれを実現させるために努力している。遺伝子工学、暗号学、物理学という理系学問に加え、アメリカの民間伝承にまでその思弁の手を伸ばしている。しかし、逆にそれがために作者自身が自縄自縛に陥る様を見ているように感じられた。

作中、主人公馨が仮想空間ループの中で繰り広げられる第1作『リング』の設定―ビデオが貞子の念写によって作られた―を観て、こんなことを溢す。
「よくできているけれども、いくつかの幼稚な設定が鏤められた映画を観ているような気分になってきた」
この件はどういう意味なんだろう?

今回の巻末に書かれた参考文献の膨大な量からして、当時『リング』を物した時とは比べようも無いほど、作家として成熟している。あの頃はなんと無邪気に小説を書いていたことかと省みているのだろうか?
それともあんな幼稚な設定で始めた話がこんな話にまでなってしまった、俺はこんな続編を作りたかったわけじゃないんだと吐露しているのだろうか?
私は上に感想に述べたように後者のように思えてならないのだが。

また本作には2作目『らせん』に引き続き、またも『リング』そして今度は『らせん』の内容を要約するパートが出てくる。
『らせん』でも感じたが―あれは後でこの要約部が必要だった事が解るが―、これらがかなり詳細であり、同じ話を何度も読まされている気になり、退屈だった。私はこれらのシリーズを続けて読んでいるからかもしれず、実際このシリーズは刊行にインターバルがある(『リング』91年、『らせん』95年、『ループ』98年)ので、読者に対して―あるいは作者自身に関しても―おさらいの意味があったのかもしれないが、これは作品としてページ数の水増しにもとれ、どうも承服しかねる。

ただ今回モチーフとなっているガンに関して述べられている中で、面白いと思った部分がある。ガン細胞が不老不死である事は周知の事実であり、この細胞こそに不老不死のカギが隠されていると、云われている。しかし作者は作中である宗教家の戯言と一刀両断しており、代わりにこのガン細胞こそ実は人間が次の進化を行うために新たなる臓器を生み出すために生まれた物ではないかと述懐している。
作中でも述べられているが、生物の進化の歴史はそれこそ悠久の年月が費やされており、1000年単位どころか1万、10万、100万年単位がほとんどである。そしてたかだか人間の歴史という物のはそのうちのたった数千年に過ぎない。そしてガンと医学の闘いは21世紀の今においても根本的な解決は見られていない。普通、人間の身体を蝕むものに対して、戦い、打ち克つことを考えるが、この作者はこのガン細胞と共存し、次世代の人間が生まれるのではないかと想定する。
これは私自身、新しい視点であり、こういうところはなかなかユニークな事考えるなぁと思った。

作者は本作において作者なりの神話体系なる物を書きたかったのか?
最先端の科学の分野の知識を導入し、それを突き詰めていく先で辿り着くのはやはりこの世には人智を超えた存在による介入が無い事には今の進化はありえなかったという結論。そしてその人智を超えた存在までをも創造する事で一連の山村貞子が引き起こしたカラミティを豪腕で以って解決に導いた本作。しかし、上で述べたように、明るい場所で見るお化け屋敷ほど、陳腐な物はない。
お疲れさん、というくらいの感想しか浮かばないのが本音だ。


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Tetchy
WHOKS60S
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

ループの感想

これも15年ぶりの再読。

「リング」で始まるこのシリーズ、「呪い」から始まった謎に、この作品でしっかりとした(より現実的な)オチをつけています。
その代わり、多くの読者がこのシリーズを手に取るに至ったホラー色は薄くなり、というか完全に消え去り、最早完璧なSF作品になりました。
ここには賛否両論あるでしょうが、冷静に考えてみると、構成という意味で、これ程までに綺麗に嵌ったシリーズも珍しいのではないかと思います。
シリーズを追う毎に物語のスケールが飛躍的にアップしていきます。しかも舞台となるのは全く異なる分野です。
そんな中で、前作からの繋がりをしっかりと感じる事ができます。
時系列を考えてみても面白いですね。予想外の繋がりを見せてくれます。
この点は素晴らしいと思うのですが・・・正直この作品は面白くないんですよね。

まず作品の持つ「色」の違い。これまでの2作品とのギャップがでかすぎます。
知った名前も一切出てこず、一体何が始まったんだ・・・って感じでしたから。
続編を楽しみにしていた読み手をがっかりさせる効果は抜群でしょう。
蔓延しているガンウィルスってところに、繋がりのヒントを汲み取ることは出来ますが、正直もう少し何とかならんかったかという気持ちです。

まだあります。(ネタバレにて)

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梁山泊
MTNH2G0O
No.2:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

ループの感想

面白い。
びっくりしました。「リング」「らせん」という2作品の続編なのですが、前2作とまったくことなる作風なのに深い関係があるという。この手があったかとうならざるえません。作風は完全に前2作と異なっています。
これまでが、ホラー風、ミステリー風、と続いてきたのに本作はSFでした。
(★それでもSFとしては破たんしています。登場するコンピュータが能力強すぎです。しかし、それはこの作品の魅力と無関係です。)
しかもテンポもアイデアもよくて、冒険ものに移行しつつ最後には意外な展開もみせてくれます。
前2作は恐怖から逃れることが目的であったのに対して、本作では主人公の進行方向に自らの目標が見えるのが良いです。
それでいて、最後にまた意外な展開まであります。
ケレン味たっぷり、アイデアたっぷり、いいんじゃないでしょうか。
リングやらせんは好きになれなかったけれど、ループを読んだことが無いという人で、SFが好きな人は、騙されたと思って読んでみては?
本小説は、面白い遊園地を与えてくれて、詳細は遊んでたしかめてね、と言われて遊びまくって十分に満喫してきた気分になれました。

---------
他のレビューを見てやはりと思ったのですが・・・・
どうも「リング」や「らせん」の世界観が好きな人は、どうも本作を低評価にするようです。まぁしょうがないとは思います。続きとして読みたい方は避けた方がいいでしょうね。
良くも悪くも、前二作の世界観は完全に壊され、しかも無かったことにされています。


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absinthe
BZLMTCHK
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

ループの感想

「リング」「らせん」とシリーズが進んでいく中で、物語が壮大になっていると感じましたが、
今作「ループ」が一番壮大だと感じました。
後半まで読んで、初めて3部作が繋がっていると認識できたのですが、ラストはなんか寂しさが
込み上げてきました。(内容に対してではなく、主人公とその周りを取り巻く家族に対してです)
でも、私が一番好きなのは「らせん」かな。

syuu
WGN7AOIC
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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No.72:
(1pt)

残念

リングは面白かったが、らせんの途中から、それはないでしょ?となり、ループでは、え?なに言ってるの?となった。貞子の怨念の話にとどめていた方が納得いったと思う。
ループ (角川ホラー文庫)Amazon書評・レビュー:ループ (角川ホラー文庫)より
4041880068
No.71:
(5pt)

「リング」のイメージが変化

「リング」「らせん」のイメージが変わります。
「リング」を映画で見た時は、貞子がテレビから這い出てくる強烈なインパクトで、背筋が凍るホラー作品のイメージが強かったですが、「ループ」を読み終えると全く違った物語に変貌します。
結構、スケールの大きな話になるのですが、文章の上手さなのか白ける事なく、すーっと頭に入ってきます。
残りの「バースデイ」「エス」「タイド」も読んでみようと思います。
ループ (角川ホラー文庫)Amazon書評・レビュー:ループ (角川ホラー文庫)より
4041880068
No.70:
(2pt)

荒唐無稽すぎて白ける

これまで語られてきたホラー的不条理が全て一科学者の予算獲得のためだった、とか、荒唐無稽すぎる。その割にどうでもいいように思われることが微に入り細に入り書かれていて、時間を無駄にした感じ。
ループ (角川ホラー文庫)Amazon書評・レビュー:ループ (角川ホラー文庫)より
4041880068
No.69:
(5pt)

リングシリーズの伏線回収

リング、らせん、で感じた無理筋なストーリー展開のモヤモヤが晴れ、伏線回収されるリングシリーズ完結編。
一作目だけ読めば少し怖いホラー小説という感想だが、らせん、ループまで通して読めば生物科学SF小説になる稀有な作品。
ループ (角川ホラー文庫)Amazon書評・レビュー:ループ (角川ホラー文庫)より
4041880068
No.68:
(4pt)

整合性

ループ界はいったん癌化してハングアップ、計画は終了とあいなったわけだが、竜司の復活等、現実世界からいろいろいじくれるみたい。なら、貞子というバグから消しちまえばよいではないか。神の視点でターミネーターみたいなことやっちまえるんだから、設定めちゃくちゃになっちゃった。

竜司はループ界で、たった半年でワクチン開発してしまう。なら、現実界でなぜワクチンできなかったんだろうか...面白いんだが、設定強引すぎやしないか。

てか、竜司は貞子の弟なんだけど、貞子の生まれ変わりの子宮から生まれたり、その生まれ変わりとの間に子供作ったりで、なんかもう人間関係が大変。

ちなみに、らせんでは、竜司には兄がいることになっていたが、タイドでは山村シヅ子の息子ということで...兄の父親だれやねん?まれびとかいな。
ループ (角川ホラー文庫)Amazon書評・レビュー:ループ (角川ホラー文庫)より
4041880068



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