さよならドビュッシー



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長編小説

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さよならドビュッシー (宝島社文庫)

2011年01月12日 さよならドビュッシー (宝島社文庫)

ピアニストからも絶賛!ドビュッシーの調べにのせて贈る、音楽ミステリー。ピアニストを目指す遙、16歳。祖父と従姉妹とともに火事に遭い、ひとりだけ生き残ったものの、全身大火傷の大怪我を負う。それでもピアニストになることを固く誓い、コンクール優勝を目指して猛レッスンに励む。ところが周囲で不吉な出来事が次々と起こり、やがて殺人事件まで発生する―。第8回『このミス』大賞受賞作品。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.74pt

さよならドビュッシーの総合評価:6.66/10点レビュー 233件。Aランク


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全19件 1~19 1/1ページ
No.19:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

さよならドビュッシーの感想

ハンデを克服してコンクール入賞を目指すスポ根音楽小説と遺産相続絡みのミステリーが並行しているようで,読んでいる印象としてはだんだんスポ根側のウエイトが増していっている感じでした.

▼以下、ネタバレ感想

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マー君
S2HJR096
No.18:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

戦いの音楽よ、高らかに響け!

どんでん返しの王と云えば現代の海外ミステリ作家ならばジェフリー・ディーヴァーだが、日本では最近中山七里氏の名が挙がるようになった。実際「どんでん返しの帝王」という異名もついているらしい。
本書はそんな彼がデビューするに至った第8回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作である。

まさに新人離れした筆致とストーリー展開であれよあれよという間に物語に引き込まれる。
主人公は不動産会社の社長を祖父に持ち、ピアノの特待生として高校の音楽科に入学した香月遥。このように書くと遥はいいとこのお嬢様のように思えるが、彼女の一人称叙述で展開されるその内容からはどこにでもいる普通の女子高生のようにしか映らない。
突然の火事で全身大火傷を負うが、医者の必死の大手術の末、ほぼ全身に亘って皮膚移植を施されるが、火事の影響で気管を焼かれ、しゃがれ声しか出せなくなる。懸命のリハビリと岬洋介という名ピアニストという師を得て、不可能と思われたピアノの演奏をたった二週間で弾けるようになるという驚異的な回復を見せる。しかしそれが全く絵空事のように思えず、この岬というピアニストの指導の許であれば可能であると納得させられるような説得力のある説明と描写。

またそれ以外にも登場人物を取り巻く色々なエピソードに纏わる情報や知識がしっかりとしており、単なるモチーフになっていない。スマトラ島沖地震の詳細、高校進学に必要な経費の公立高校と私立高校との差、火傷に関する情報にその治療に関する細かい内容、相続税対策を考慮した遺産相続の方法など我々の実生活に直接関係のある事柄がつぶさに書かれており、一つとしておざなりに書き流されていない。

また描写と云えば本書に織り込まれたクラシックの曲調に対する描写が実に絵的で美しく、頭の中で音が奏でられるように錯覚する。
私はクラシックには疎いのだが、それでも聞いたことのある題名から知らない曲名までもがなぜかその描写によって曲が自動再生させられていく。音の躍動感、またきらびやかさが粒のように空気に舞い、弾け、そして溶け合い、人々の耳に余韻として残る。それら一つ一つの音符やメロディに感じるのは中世・近代の名のある音楽家たちが譜面に込めた情熱や美、そして常に新しい技を生み出そうとする研鑽の姿だ。
そしてそれらを譜面を通じて理解し、どうにか再現しようと、そしてそのメッセージと喜びを観客と共に分かち合おうとする演奏者の思いが神々しいほどに美しい描写に込められている。常に頭の中で音楽が奏でられ、思わず眼前にリサイタルが成されているかの如く錯覚に陥ってしまった。
後でその題名でググって実際の曲を聴いてみると全く違っているのが常だが、中には合っているものもあったりして、この作家の表現力の豊かさを頭ではなく心で感じる思いがしたものだ。

そんな物語である本書はミステリというよりもなんとも清々しい青春小説、いやビルドゥングス・ロマンなのだろうという思いで読んだ。

やはりなんといっても主人公香月遥が全身大火傷という重傷を負ってから学校代表としてピアノコンクールに出場するまでの岬洋介との血のにじむようなレッスンの様子が非常に読ませる。特に常に包帯を巻き、松葉杖を突いて学校生活を営む彼女に対して周囲がそれぞれの立場で好奇心、功名心、そして妬みや嫉みを彼女にぶつけてくる様が生々しく、単なる不具者の美談となっていないところがいい。
学校の校長は障碍者としての彼女がピアノコンクールに出場するまでになったことを自分の高校のいい宣伝材料として彼女を客寄せパンダとして利用しようとして隠さないし、金持ちの家のお嬢さんでその上に同情心を買おうと勝手に思い込んでいるクラスの同級生の悪意ある言葉など障害者が取り巻く世間の厳しさをまざまざと見せつける。
そんな現実があるからこそ彼女の強さが引き立つわけだが、むしろ障碍者の人々への社会の理解が十分になされてなく、登場人物の岬の言葉を借りれば、世界はまだ悪意に満ちているのだ。

そう、これは戦いの物語なのだ。
突然業火に包まれ、全身大火傷という重傷を負い、皮膚移植をされた上に他人に成りすますことを強いられた一人の女子高生が、ピアノを通じて松葉杖を突き、5分以上の演奏ができない不具の身体でコンクールを勝ち抜く。社会の障害者に対する偏見と好奇の目に晒されながらも敢えてその逆境に挑み、岬洋介という素晴らしいピアニストを師に迎えて音楽という雄大に広がる宇宙を具現化させることに執着し、そしてその世界観を一人でも多くの聴者に届けようと苦心する一人の女子高生の戦いだ。

そしてまた彼女の師、岬洋介もまた戦う男だった。
法曹界にその名を轟かせた凄腕の検事正を父に持ち、また自身も司法試験でトップ合格するほどの頭脳と適性を持ちながらピアノの夢を捨てられずに片耳が不自由とハンデを持ちながらも再び音楽家の道を歩み、新進気鋭のピアニストとなった男。ハンデを持つがゆえに世間の残酷さを知っているからこそ、障碍者の遥にも甘い言葉を掛けず、社会の厳しさを教え、その覚悟を常に問う。お坊ちゃん風の穏やかな風貌をしながらも心の中に太くて強い芯を持つ男だ。
彼は音楽を究めんとしようとする者を後押しし、援助を拒まない。

本書はこの2人の音楽の求道者がそれぞれ抱えた肉体的ハンデと戦い、そして世間と戦う物語なのだ。
そして最後の一行として掲げられる本書の題名は再出発するための手向けの言葉なのだ。

音楽用語で模された各章題を並べてみよう。

~嵐のように凶暴に~
~静かに声をひそめて~
~悲嘆に暮れて苦しげに~
~生き生きと高らかに響かせて~
~熱情を込めて祈るように~

これらはまさに主人公香月遥が本書で辿った生き様を見事に表しているが、と同時に突然障害者となった人々がその後の人生で辿る生き方をも示しているように思える。

障害者となる事故や事件はまさに嵐のように凶暴に自身に降りかかってくるだろうし、その後静かに息をひそめて今後のことを考えつつ、悲嘆に暮れて苦しみながら己の身に降りかかった不幸を嘆き悲しむことだろう。
しかしそれが逆に新たな人生を生きるチャンスを、健常であった頃よりももっと一日一日を大切に生きることを教えてくれたと思えば生き生きと高らかに生きていることの喜びを響かせ、そして“今この一瞬”を熱情を込めて祈るように大切に生きていくことだろう。

本書が殺人を扱いながらも実に清々しいのはこの章題に込められた作者の障害者への思いゆえだ。
これほどまでに犯人に対して憎しみどころか潔さや気持ちの良さを感じたミステリはない。
本書の本当のどんでん返しはこの気持ちよさにあると思う。
全くなんというデビュー作なのだ、本書は。


▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.17:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

記念すべき岬シリーズ第1番『さよならドビュッシー』

有り難う岬!
これは大賞に選ばれて当然だわ。
伏線の張り方がとっても上手で、有り得ない結末は無く、タネを明かしてくれるので、誰にでも読めます(要するにわかりやすいという事)‼︎他のミステリ小説ではなかなかみられないって信じてる。
他の作品もそうですが、作者・著者の哲学が素敵だ、というのも僕がこの作品を愛せる理由の1つ。また何度も岬に逢いたくなる。
とにかく面白い。是非読みましょう。

フェルマーを愛する一人
BQY6QLCN
No.16:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

最後はビックリ

なかなか面白いですね。
御子柴シリーズが面白かったので、こちらも手にしました。
著者の作品はこれで4冊目になります。
ラストの衝撃は予想できませんでした。
著者は、常にこのラストを意識して書かれているのでしょうか、毎回びっくりします。
初期作ということで、登場人物の心情・行動等の表現に粗さが感じられますが、それは仕方がないことでしょうね。



▼以下、ネタバレ感想

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マッチマッチ
L6YVSIUN
No.15:
(8pt)

さよならドビュッシーの感想

最後まで美しいストーリーと結末であってほしかった…。

kmak
0RVCT7SX
No.14:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

さよならドビュッシーの感想

音楽小説かと思いきや、ちゃんとミステリーだった

▼以下、ネタバレ感想

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mick
M6JVTZ3L
No.13:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

さよならドビュッシーの感想

先にプレリュードを読んだので
物語の初めには驚いた。
ミステリーであることは頭の中にあるが
音楽青春小説で読み進めてしまう。
ミステリーも面白かった


▼以下、ネタバレ感想

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jethro tull
1MWR4UH4
No.12:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

さよならドビュッシーの感想

このお話の凄いところは、
ミステリ小説と音楽小説の両側面があり、どちらも喧嘩せず、中途半端にもならずに1つの物語として成立しているところです。

音楽、特にクラッシックの知識に乏しい自分は、
登場する曲名や、作曲家の名前もろくに知らなかったのですが、いざ演奏のシーンでは作者の描写力に愕然。

演奏者の指使いや吐息や姿勢、観客の表情や感動がまるで映像を見ているように鮮明に見えました。

(演奏シーンの描写でもっと凄いことがあったのですがそれは↓ネタバレで。)

音楽用語が多いため、詳しい人はもっと別の楽しみ方が出来るんだろうなと羨ましくなりました。

ミステリ要素に関しても良くできており、終盤の展開はかなりオススメ。

(★が伸びなかった理由は、自分は結果読めてしまったため。どんでん返しを意識しすぎて…)


▼以下、ネタバレ感想

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ぷぅちゃん
76W3CGEW
No.11:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

面白かったのに…

全くミステリーを読んでいるという気分にはなりません。というのも、人が立て続けに亡くなっているのに、何もなかったかのように日常生活が続き、家族団欒とした食事シーンやピアノの練習など細かく書かれ過ぎていているからだと思います。
それでも話はとても面白くて、タイトルからわかるように音楽をテーマとした小説ですが、詳しくない自分でも演奏シーンにはその情景が目に浮かぶ描写は素晴らしいと思います。音楽に関する記述の気合の入り方に退屈を感じることもありましたが…

物語も終盤の忘れた頃にミステリーらしさが表れます。そこでがっかりしてしまいました。驚きが強くて、嫌いではない結末でしたが、はてなマークが頭に浮かびました。

▼以下、ネタバレ感想

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陰気な私は地球を回さない
L1K3MG03
No.10:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

さよならドビュッシーの感想

個人的に「ドビュッシー」の作品は「ゆったり」や「やさしく包み込むような」曲の印象でして、辛く孤独になりたい時に触れるような作品で気持ちが沈みやすい。本書の知名度は把握しながらも中々手に取らなかったのは、そんなドビュッシーに対する個人的な感覚意識からで敬遠していました。
シリーズとして冊数を重ねているのでそろそろ読もうと手に取った次第。読んでみると、力強いドビュッシーの演奏表現にびっくりでした。特にアラベスクは、自分のイメージが壊され違和感を受けつつも、表現の仕方でこんなに熱く描けるのかと新鮮な視点をもらった気持ち。久々に曲を聴き直してみようと読後感じた次第。

音楽を演奏する者、鑑賞する者の思考がとてもよかったです。指運びや姿勢等、小説でここまで雰囲気が伝わってくるのは久々でした。なんというかどれも気持ちが昂るような熱さがありました。スポコンの様。

そんな具合で、ミステリよりも音楽小説として楽しめた作品です。
ミステリ要素については何というか偶然や悲劇の物語でこれは辛いなと思って好みに合わずでした。

食わず嫌いで読んでみたら良かったのでシリーズを追っかけようと思います。

▼以下、ネタバレ感想

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egut
T4OQ1KM0
No.9:5人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

さよならドビュッシーの感想

こういう作品好きです。
ピアノの世界を舞台にした青春スポ根物語+ほんのりミステリー仕立てといった作品でしょうか?
専門的知識がほとんど無いのにも関わらず演奏の描写等の音楽シーンはかなりの迫力を感じました。
読みやすいライトな文章は玄人受けは良くないかもしれませんが、
私個人としては面白ければ何でも良いので素直に楽しめました。
音楽を題材のスポ根として読んだ方が楽しめると思います。
私もミステリーであることを忘れていたので楽しめたと思っています。

歌舞伎蝶
LMC3R9P9
No.8:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

さよならドビュッシーの感想

読み始めていきなり全身大火傷。予想外にヘビーな始まりで不安になりました。
しかし、徐々に、ピアノの世界に引き込まれます。
何より、演奏中の曲や指運びに関する表現が秀逸。
ミステリーとしては、マニアからみれば初歩的なものなのでしょうけど、
ミステリーということを忘れさせられるくらいに、ピアノの世界に引き込まれました。
残念なのは、自分が全くピアノを弾けないし、曲も知らないこと。
解かる人が読んだら、更に評価は高いのでしょうね。

Hidezo
GX0TU62Y
No.7:4人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)
【ネタバレかも!?】 (2件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

さよならドビュッシーの感想

資産家の祖父がいて仲の良いピアノを習う従姉妹がいて…でも、全て失った主人公。残ったのは包帯に巻かれた体と不自由な足、そして動かない指…。
一言で言うと魔法使いと出会い約束を交わし、ピアノを弾く事を諦めない女の子のお話。※違う

だけど…?事件はあるわどんでん返しはあるわで、驚かせられます。ピアノの旋律のように美しい表現をされている本です。私はその表現の仕方にうっとりしました。

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りゅかさん
DSQDHULA
No.6:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

音楽描写に疲れた

音楽もある意味、主役でもあるので、そっちに関して全くの無知な僕には多少抵抗はあったが、ミステリー面を楽しみに読み始めた。

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アントンリブ
J9QWGWDO
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(7pt)

さよならドビュッシーの感想

火事に遭い、全身火傷の重症を負いながらもピアニストを目指す女子高生。司法試験に合格しながらもピアニストになった本小説の探偵役。意地の悪い同級生。まるで少女漫画のような設定でストーリーが進んでいきます。ミステリーであることを忘れてしまいそうになりますが、最後は怒涛の展開が待っています。
読みやすいですが、読後はややすっきりしない印象でした。展開が強引なのと、この作者の特徴なのか社会的なテーマ(今回で言えば「障害者」)まで盛り込まれていて、焦点がぼやけてしまったのが残念でした。

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こじたん
87SP5RC5
No.4:5人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

二度見してしまう


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とくさん
675DF9RE
No.3:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

さよならドビュッシーの感想

音楽を文字だけで表現するのはかなり困難なのではと思っていたのですが、それでも作者の熱意、懸命さは十分伝わりました。
経験者の私にも、その演奏の描写は、素晴らしく、感動すら覚えました。
しかしその分、音楽に関する部分とそれ以外の部分の温度差があり過ぎな気がして、非常にアンバランスな印象を持ちました。
特に物足りなさを感じたのはリハビリの部分ですね。
甘過ぎますよ。
障害者の方々に夢を与える・・・どころか「舐めんなよ」って逆にお叱りを受けるのではないかというくらいの薄さでした。


▼以下、ネタバレ感想

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梁山泊
MTNH2G0O
No.2:5人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

さよならドビュッシーの感想

クラシック音楽の世界。ピアニストを目指す少女。レッスンやコンサートの臨場感を表わし伝える文章力はたいしたもの。ミステリーとしてのトリックは古いものだが、うまく使って音楽物ミステリーとして楽しめる作品に仕上げている。モノローグ・台詞・状況の描写などムダな言葉を排し流れるような文章で読み易い。ただ一点、個人的に納得出来ないのは火事の原因。物語のうえで火事は必然でも、あの家族にとっては火事は偶然の出来事。祖父は理路整然と話し頭の良さをみせ、人を見る目は確かで深い洞察力で人となりを判断する人物。そんな人が趣味のために揮発性の塗料などが沢山置かれている部屋の中でストーブを焚くだろうか?
普通、暖をとるならエアコンだろう。そんな思慮浅い人物とは紹介されていない。火事がなければ物語りは始まらない、その都合だけでおざなりに書かれた印象だ。私ならもっと別の原因で火事が起きるように書く。重箱の隅を突っつくような事と思われるかも知れないが、人物像と行為が合っていないので違和感が拭えない。その他は問題なく楽しめたので7ポイントの評価とした。他の作品も読んでみたい作家だ。

ニコラス刑事
25MT9OHA
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

さよならドビュッシーの感想

音楽話が熱いですね。音楽物は好きなので面白かったです。
最後はびっくりしました。

ゆー
98N04ZLM
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