養子に入った武家の妻にへきえきしていた男が、初めて連れていかれた谷中の茶屋の女に魅せられ、武士の身分を捨ててしまう表題作。

伝説によれば、脱走した三百人の囚人たちははてしない雪原をどこまでも越えて行き、阿寒の山麓あたりに彼等だけの共和国をつくり上げたと言われる。

二十歳の自称“うら若き乙女”奈々子がアルバイトをしている喫茶店〈南十字星〉を若くてしっとりした美人・美貴が訪れた。

ひたすら人の心の荒野へむかう写真家望月のファインダーに、人生のなにが映し出されるのか。

乱診乱療の糾弾に揺れる南川病院の理事長が殺された。全病経協議会へ出席した九州の宿泊先でのことだった。

最先端の医療設備を誇る南川病院で、診療ミスによる死亡事故が発生した。

轢き逃げ犯人に仕立てられたカメラマン金井は、出所直後、自分を罠にはめた後輩松本を刺殺して故郷函館へ逃亡した。

美しい日本海沿いに走る特急「白鳥」の車内で殺されていた女性は、一代で財を築いた実業家だった。

5年前に清算した上司との不倫…その相手であった田岡が殺された日、亜木子はマレーシアにいるはずの夫を赤坂のナイトクラブで見かけた。

神真人が何かに憑かれている―悪霊封じの九十九乱蔵は術の師・真壁雲斎から、真人の姉・小百合に会うことを依頼された。

女は、男の頑なまでの職人気質に惹かれ、その腕にすべての望みをかけて仕事をたくした。

めったに贈り物など受けとったことのないルポライター、浅見光彦のところに大きなダンボールの包みが届いた。

精神科医の前に現われた女は、真っ黒の水中眼鏡を取ることをかたくなに拒んだ。

夏村絵里子はコンピュータ結婚相談所のオペレータ。データを見たいという女性の申し出を断わった翌日、その女性が殺された。

青年は、生きるけじめを求めた。死に向かった男は、生きた証を刻もうとした。

ちょっとおませで利発ゆえに自閉的な少女マリ。

学ぶことの楽しさ、知ることの面白さを伝授する、カルチャーエッセイ。

三尾健治は東京転勤を機に、消息を絶っている高校の同級生・藤代瑛子のマンションに住み彼女を探すことになった。

ナンバーワン・ホステスが猫と心中!―その事件の真相を見抜いた深田光彦は突然、行方を晦ました。

JR・田町駅付近の東京湾岸で男性の死体が発見された。

ややワケありで、僕は家を出た。形が無いから大事にしていたものたちを失くし、僕にはもうほとんど何も残ってはいない。

鎌倉街道東慶寺は、「駆込寺」として知られる。寺の前のせんべい屋に居候する。

マユコです。内気で本好きの私には、ひとつ秘密があるんです。

異星文化のごった煮と化した都市ヤミナベ・ポリスで開かれた超人サミットに四十数名のスーパーヒーローが集結した。

父は贈賄の容疑で手配中の逃亡犯、母は男と二人で駆け落ち―両親が同時に家出して、残されたのは姉と弟二人だけの“子子家庭”。

唯野仁，早治大学の名物教授にして実は隠れた新進作家．彼は，大学のグロテスクな日常をのり切りながら，その講義で壮観な文学理論を展開して行く．「大学」と「文学」という二つの制度＝権力に挑んだ衝撃の長篇小説．

ソ連大使館員殺害の容疑で逮捕された大学教授・荻野が、突如聞き慣れぬロシア人名を口走り、精神鑑定に持ち込まれた。

「自殺するみたいな走り方が、面白い?」と女は言った。

銀座の宝石店から二億五千万円相当の宝石を奪った強盗の片割れ宮本信介が東京に護送される途中、「ひかり62号」の車中で何者かに射殺された!十津川警部は、彼の最後の言葉から主犯の江上利夫の割り出しに成功。

鳴き声がうるさい隣家の犬を何とかしようと、一計を案じた僕たちだったが、ことは意外な方向に発展して行き…(表題作)。

「ドイツの休日」を楽しむご存じ三毛猫ホームズの一行。

警視庁捜査一課・片山義太郎は、殺人事件の参考人・笠倉真一を追って、中華料理点の一室に張り込んでいた。

政財界に顔のきく、強引な商売で名をはせた実業家、添田正一と、若い愛人、金山今日子、娘のみずえは、ホテルのティーラウンジで待合わせて外へ出た時、白馬に跨り黒の鎧に身を固めた騎士に襲われ、白刃一閃、添田は首を切られて殺されてしまった。

結婚の記念に人を殺そう。とんでもない夫婦もいたものだ。

プロ歌手の卵・千秋とピアニストの要之助はレコード出版を夢見るカップル。

佐古田組の佐古田史朗は弟分の島孝一を連れて、東京から雪の札幌へ乗り込んだ。

それで?どこで、誰が?ごまかしちゃいけないよ!―とっくに刑事を退職した父だが、現職の刑事である息子の私をつかまえては、いま扱っている事件のことを聞きたがる。

パリで誘拐されたアルジェリア人の恋人ファティの行方を探すために、有曾奈春樹はアルジェリアに旅立つ。

戦国の梟雄松永弾正は主筋の三好義興の美しい右京太夫に邪恋を拘き、自分の想いを遂げるため、幻術師・果心居士配下の根来僧7人に催淫剤を作らせた。

蘭の原種を探し求めるオーキッド・ハンターは、世界にただ一つの蘭づくりを最高の名誉とするが、その行動はあくまで隠密、敏捷である。

湖面に臨む高級リゾートホテルでの、老人の物悲しい独唱が、恐ろしい連続殺人の発端だった。

御用人の佐藤欽之助は、妻を通して琴の稽古友達だった女から、夫の仕官の世話を頼まれる。

優雅に横たわる別荘風の建物の子供部屋には10歳の男の子の写真と黒く血に汚れたシャツが置かれている。

未知への情熱で中国に渡った青年・紅真吾（くれないしんご）の貿易公司（コンス）は、日本の商社に押されて破産した。

日本少年文学史上の最高傑作「火星兵団」ここに登場。

不動産業者の倉地は、沖縄・那覇で出会った青年山口を東京にさそい、就職の世話をする。

美貌の御曹司、片桐真吾。ハーバード帰りの彼をめぐる寡黙な刑事の兄と冗舌だが凡庸な双子の弟。

車に撥ねられて男は翌日死んだ。女は死体を別荘の庭に埋めた。

盛岡で喫茶店“ドールズ”を経営する月岡真司の7歳になる娘・怜が、雪道で車にはねられ重傷を負った。

「可能克郎さんが亡くなりました」警察からの電話に、あわてて現場へ向かう妹・キリコの前に、当の克郎がノンビリ現われた。

捜査一課の十津川警部に「殺人ゲームがしたい」と謎の電話が―。

最初の女性はマンションの屋上から飛び降りた。次の女性は地下鉄に飛び込み、三番目はタクシーの前に…。

敗戦直後に客死したという父の死に重大な疑惑が…。

敗戦直後に客死したという父の死に重大な疑惑が…。

見知らぬ男から完全犯罪殺人の方法を囁かれた坂田陽三。彼は酔った勢いで上司の藤田を殺したいと洩らす。

お十夜の晩に碑の前で眠っていた美男、碑夜十郎は剣の達者。後存知天保六花撰の悪どもと庶民の敵を懲らしめる。

名前もない、過去もない、謎の剣士の碑夜十郎。囚われの友を救出に敵地に乗り込む夜十郎、一肌脱いだ河内山。

美人からの熱烈なキスでウィーンに迎えられた片山ら三毛猫ホームズ一行。

女子大生亜由美の親友久恵が結婚を目前にして自殺した。

「博之は北から来る何かによって殺される…」恐山の祖母サキの予言通り、青森県下北半島出身の音楽教室講師・杉山博之は東京のマンションで変死体で発見された。

頭脳はあるけど腕力まるでだめのシティマガジン編集長の僕が、大ホテルチェーンの御曹司にして、腕力だけが取柄のシュンこと、武藤俊に無理やり誘われて、『銀座探偵局』なる看板をあげた。

旧弊な因襲と封建的人脈にとらわれた山峡の都市・平野に、喧噪と猥雑のまち新宿を追われ流れついたはみ出し刑事・沖竜介。

製薬会社の社長令嬢・橋田久子は出雲伝説、中でも徐福に強い関心を持ち、白血病をおしながら綿密な研究を重ね『もう一つの邪馬台国』という著作を手掛けていた。

駄菓子屋「ことぶき屋」の女主人、波川まつ尾婆ちゃん以下、老年探偵団一行は、老人会で健康ランドへ。

傷ようやく癒えた神津恭介のもとに一通の手紙が。「七福神を殺す」とワープロ文字が踊っていた。

超一流ホテルの美貌のソーシャル・ディレクター八切美樹子が、厚木の山の中で凌辱され、殺された。その妹亜希子は文芸編集者。

降って湧いたような災難とはこのこと。マンション三階に住むホステスの川村真琴は、ある朝突然、警官隊に寝込みを襲われた。

不可能犯罪が4つある。ミステリーの原点がある。

人びとの愛と祈り、ついには運命そのものを担って走りぬける名馬オラシオン。

今日も、元気いっぱい、しなやかにカルチャーセンターを渡り歩くのは、“フルコース夫人”こと本名・中沢なつき。

傷心をいやすために旅に出た香島紀子は、旅先で危いところを土地の若者・埴田晃二に助けられた。

彼。渋谷一也。

三菱重工社長に就任して2年半、牧田与一郎は硬直的な企業体質を野性味あふれる柔軟なものにかえ、日本経済の推進力となるべく、精力的な企業戦略を試みていた。

名古屋城内での中年男性の変死体と仁四郎作の陶器が発見された。

京都府警捜査1課の狩矢警部は、久し振りの休日に、貴船の料理屋で旧友との再会を楽しんでいた。

7年間の眠りから覚めた、裕果。忘れられていた犯罪も目を覚ます。

いつも人騒がせな女子大生亜由美のところに、殺人予告の手紙が舞い込みだ。しかしこれは誤配。

卍の形の旧家で起こる連続殺人。期待の女流本格作家登場。

一人娘の結婚披露宴の夜、家に帰った和泉夫妻を、結婚旅行に出発したはずの郷子が出迎えた。

人生の夢と誇りを失わず、昭和の混沌の中を生きぬく春日正明。若き魂の軌跡をうたう大河小説。

親友の不可解な転落死の謎を探るため、母校を訪れた高梨洋子に、名門「聖マリア女子学園」のガードは固かった。

絵馬に書かれた呪いの言葉どおり、証券会社の午端邦夫が殺された。

京都有数の資産家である西沢家。その家人が次々と殺された。

「死のうは一定」―姑息因循な“時代”の壁を蹴破り、闊達自在の“自由”を生きた、先駆する“近代”織田信長。

背中で聞いた「老犬トレー」のメロディ。幼い日の友との再会。

昭和8年、満洲をほぼ掌握した日本軍部は、来るべき全面戦争に備えてタクラマカン砂漠に住む自由の民東干との提携を策した。

日米開戦前夜、エトロフ島単冠湾は、極秘裡に集結した大艦隊で埋まった。

地位も名誉もある大学教授が、なぜ若い女性を強姦し、殺害したのか。

大凧で蝶のように虚空を舞う美剣士、呪術を操り人の心をまどわす妖しい尼僧の群、黒装束の忍びの一味。

西風の強い秋の午後、新横浜駅に近いホテルで男が殺害され、直後、同室の黒いスーツの女が新横浜発15時58分の下り“こだま269号”で行方を絶った。

「6月23日に、特急『あずさ』で松本へ行ったことにしてほしい」殺された女は、かつての恋人に偽の証言を依頼していた。