街
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私にとって当時は、この牛尾刑事ドラマしか知らなくて、若き心の原点であり、衝撃を受けた作品です。 サスペンスの中で、他とは一線を画す複雑な人間模様ゆえに、引き込まれ再会したかった原作ナンバーワンです。 登場人物の光と闇を反映した「街」は、特に精神的なところで、作者の魂を絞り出した結晶だと感じました。初期?の頃によくみられるこのような作品、そうじゃないと響かなかったかもしれません・・ よく出てくるタイプのワルも関わりますが、私には解説のサラブレッドとかが悪いというよくあるオチというわけではなく、作者なりの各々への繊細さと愛を感じました。その分も受け手の心が動き、良作になったと思います。 それらも加わり、期待の原作は少しごちゃごちゃ粗削りなのと、この方また一人っ子への偏見が止まずなんか不快です・・・もういいよって感じですが、一人っ子はけっこう、「期待」を一身に背負いしっかりしますよ。。 もう古い見方はなくなってほしいですね(# ゚Д゚) このシリーズはいつも、とても温かく感じ、特に今作にて顕著です。細かな描写で作者の人間性も伝わり、読者それぞれを応援してくれるようです。登場人物を通して、自分を見失わず進む姿勢をどの町でも「ふんわりと」頂きました。私はけっこうフィクションでも現実に近いのが好きなので、「どうも」余韻がの感じ・・、好きですよ(●'ω`●) ※「殺人の赴任」解説で、この「街」は「雑踏感」を表しているのが魅力との内容があり、納得しました。逆にいえば、あえて著者のそれこそ庶民的な愛を散りばめ、押し込んであるとも思いましたね。。 | ||||
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森村誠一サスペンス・一文字タイトルシリーズ第4弾。森村誠一の代表作「街(まち)」は、1997年に他局でドラマ化されたが、本作は2004年版。タイトルが記すとおり主役は街。さまざまな欲望・さまざまな感情を持った人間たちが、時に出会い、時にすれ違う大都会。そしてもうひとつの主役は露天商が売る安物の真鍮でできたネックレス。たった1本のネックレスが3つの殺人事件を引き起こす。 「仕事」と「家族」への思いが微妙に交差するバツイチ刑事を三浦友和、 主人公の川合に捜査のヒントを与える警部役に野際陽子。 【ストーリー】 女子大生が殺され、なぜかネックレスだけが奪われた。その捜査の最中、世田谷西署の川合(三浦友和)は、立科由里(石橋奈美)という女性から、相談したい事があるとの電話を受ける。川合刑事は1年前のある事件がきっかけで、北海道から歌手を目指して上京した由里と知り合ったのだった。だが、由里は、電話してきた翌日、絞殺死体となって発見される。川合は彼女の遺留品のネックレスに注目する。地道な捜査で、ネックレスを売ったという人物を突き止める。ネックレスは、露天商のカトマンズ(六平直政)の手作りで、女子大生が買おうとしたとき、横から若い女を連れた中年男が割り込んできたという。カトマンズは、何十倍でも金を出すからと食い下がる男を断って、そのネックレスを女子大生に売った。二つの殺人事件はネックレスで繋がっていた。川合刑事は由里が働いていたクラブで、彼女が経営者の中岡(京晋佑)の愛人になっていたことを知る。ネックレスを買いに来たのは中岡と由里ではないかと推測するが、中岡には由里殺害のアリバイがあった。しかしその中岡の刺殺死体が公園で見つかった。クラブのホステスの話から、中岡の秘書・堀口(川崎麻世)が、中岡の命令で女子大生を殺し、ネックレスを奪ったことが堀口に好意を寄せていたホステス(実は由里姉)の話で分かる。しかし、その堀口もまた、ホテルの窓から飛び降り自殺という巧妙な手口で殺されてしまった…。 | ||||
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森村作品にはタイトルが一文字のものがある。『街』もそうだが、『駅』、『窓』、『路』など。「言葉」に託された物語を紡いでゆく手腕の凄さは本書でも遺憾なく発揮されている。容疑者が絞り込まれ、読者も「これで決まりか」と思っていると、更に<意外性の展開>が加味され意表を突く。今回の事件では被害者の数も多く、それだけに犯人候補の包囲網がじわじわと狭まってゆくのだが、単純な「落とし所」は森村氏には似合わない。初版は1989年で今から20年前の作品。新宿署の牛尾刑事の事件簿と称してよいが、それ以降の彼の卓抜した推察力を知っている人間からすれば、本書における彼の活躍は「まだまだ」だろう。牛尾刑事の真骨頂を拝めるのは先だ。 率直にいって本書は、森村氏の作品にしては珍しくあまりインパクトを感じることがなかった。最終的に暴かれる犯人も「意外性」というより、やや「唐突」という印象が拭えないし、事件の展開性にも「切れ」というか、「スリリングさ」が欠けているのではないか。最初に登場する女性の「凋落ぶり」にも「強引さ」を見出す。「街」というタイトルがもつ本書にどんな意味をもつのか、よく分からない。最終的に牛尾は、「複雑な事件だったが、犯人はみな自ら墓穴を掘った形になったね」(330頁)と総括したが、締め方に「意外性」はあったものの、何となく「もやもや感」が残る。簡単に言えば、「歯切れが悪い」ということだ。「超高層ビルがこの街で死んだ者の墓石にみえますよ」(同)という牛尾の同僚・大上の言葉は心に響くものがあったが。 牛尾刑事は前作『駅』でかけがえのない一人息子を失い、本書でもそれを回顧するシーンがしばしば登場する。彼と同じくシリーズ化されている棟居刑事も似たような境遇の持ち主である。犯罪者を孤独に追う刑事の背中には重い十字架が背負わされているのか。初期の牛尾刑事の作品を読めたことは1つの収穫であったと思う。 | ||||
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