誘鬼燈
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文庫群のなかに森村誠一があり、もう一作とおもい注文しました。トラックの停車が、もやもやした曇から解決の糸を垂らした感じです。紙の上のこととはいえ、人殺しの結末は悲しくて、解決しても虚しさが残るだけです。北海道にトラック運転手の遺児をたずねるくだりは必要でしょうか。小説とはいえ何でも活字しなくてもよいと思います。人気作家に対して無礼ですかね。 | ||||
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この小説は、400字詰原稿用紙400枚の長編を「オール読物」誌1976年1月号・2月号に200枚ずつ一挙掲載するために集中執筆され、文藝春秋社から1976年4月に刊行。カッパ・ノベルスには1978年3月に入った。 ノベルス版には新たに長めの「あとがき」が付けられ、同年1月に刊行された佐藤友之著『金田一耕助さん・あなたの推理は間違いだらけ!』(青年書館)を、「他人の褌」でしか相撲をとれない人間が書いた本だと、厳しく批判している。 この「あとがき」だけでも面白い。 さらにカバーの著者近影に添えられた文章には、森村誠一の昭和52年度年間所得額が6億円を超え、ひとりの頭脳で年間6億円を稼ぎ出した「森村誠一の発想法」をビジネス誌が特集したとある。 そういう時代だったのか、当時を振り返ってと感慨深い。 作品そのものは、偶然によって複数の殺人事件が交錯したため、解決に苦心する警察陣を描いた、一種のミッシング・リンクものである。この傾向の作品は、その後も『暗渠の連鎖』『深海の迷路』など、森村誠一が量産していくことになる。 しかし、この『誘鬼燈』は入念な現地取材を踏まえた力作で、解決を偶然に頼っているとの印象を与えない。 むしろ運命に翻弄された男女の哀しみを感じさせる。 石井隆の劇画『天使のはらわた』や、その映画版を連想させる内容と言っても良い。 ラストで自分の無力を噛み締める男が、『天使のはらわた 赤い教室』や『ラブホテル』の村木に思えてくる。 | ||||
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この作品はかなり昔に書かれたものですが、今読んでも面白いです。読者を引き込むような物語の展開と警察の執拗な捜査に魅了されます。 森村氏の作品に出てくる事件や人間の行動など、その過程が読者を引きつけます。まさにこの作品がそうです。 只、もう一つ期待したかったのはサスペンス性を取り入れて貰いたかったですね。 | ||||
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1976年4月、文藝春秋から出版されました。本書は同年「オール讀物」の1・2月号に集中連載された作品です。もはや出せば売れる森村氏の作品ですが、ハイピッチで書かれたことが伺えます。人気作家の嬉しい悲鳴でしょう。これは東北地方で起こった三つの殺害事件を書いたもので、実際に青森市、盛岡市で起こった事件を森村氏が現場を取材して書いたものです。 青森から仙台に通じる国道4号線に沿った地域で三件の殺害事件が起こります。新婚間もない奥山省一、千秋夫妻の温かい生活を壊す新婚若妻殺害事件、牛トラ運転者沼沢太助牛トラ運転手殺害事件、家畜商安田圭造殺害事件と連続して起こります。それぞれ他県にまたがっていたため始めは個別に捜査していましたが、捜査を続けていくと三件の事件がそれぞれ関連していることに気が付きます。大規模な合同捜査が始まります。違う県警の刑事たちがそれぞれ意見や推理を出し合うところは読みどころです。 事件のメインは、若妻殺しですがその捜査をしている時に牛トラ運転手、家畜商殺害事件との関連が疑われ始めます。話はどんどん大きく膨らみ、読んでいて次の展開が待ち遠しくなります。小川原湖開発会社のエリートサラリーマン奥山省一が、新居に帰宅すると刃物で殺害された若妻の姿を発見するというショッキングな事件から始まります。 省一は初めて千秋と出会った時に、自分の求めていた理想の女性であることを確信し、交際期間ももどかしくプロポーズし結婚します。千秋にしてみてもエリートサラリーマンからのプロポーズに夢にまで見た人もうらやむ幸せな家庭生活を想像して温かい新婚生活を送れるだろうと同意します。 しかし千秋には夫省一には話せない過去があったのです。警察は千秋殺害が結婚する前の過去に何かあるのではないかと過去の経歴を調べていきます。そうすると、円満なエリートサラリーマンの妻にはふさわしくない思いもよらない過去がありました。ラストで省一がその事実を知ることになり、身も崩れるばかりに落ち込む姿は読んでいて、余りのも痛々しかったです。他の作品でも多く出てきますがスピロヘータを本作でも使っています。 この作品の捜査手段として特筆すべきは、トラックのタコグラフというエンジン回転数を計測記録する装置を解析し、トラックが何処をどういうスピードで走ったか、また何処で何分停車したかなどと推理するところです。現在ではもう無いシステムですが、昔はトラックの後部バンパーにタコグラフと書いた車を多く見かけました。 誘鬼燈とは森村氏の造語ですが、それが意味するものとはラストで分かります。省一は事件の内容、犯人を知り、千秋の過去も知らされます。尚且つ、スピロヘータに侵され無人の新居に帰る時、誰も待っていない新居の灯りを見て「その灯りが鬼を誘ったんだ・・」と言い崩れ落ちます。その省一の姿は余りのも可愛そうでした。今日では当たり前(本当は当たり前になってはいけない)のように起こる、善意の人に突然襲い掛かる理不尽な現代的な犯罪に森村氏が警鐘を鳴らし、現代社会に警告した作品です。 | ||||
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1976年4月、文藝春秋から出版されました。本書は同年「オール讀物」の1・2月号に集中連載された作品です。もはや出せば売れる森村氏の作品ですが、ハイピッチで書かれたことが伺えます。人気作家の嬉しい悲鳴でしょう。これは東北地方で起こった三つの殺害事件を書いたもので、実際に青森市、盛岡市で起こった事件を森村氏が現場を取材して書いたものです。 青森から仙台に通じる国道4号線に沿った地域で三件の殺害事件が起こります。新婚間もない奥山省一、千秋夫妻の温かい生活を壊す新婚若妻殺害事件、牛トラ運転者沼沢太助牛トラ運転手殺害事件、家畜商安田圭造殺害事件と連続して起こります。それぞれ他県にまたがっていたため始めは個別に捜査していましたが、捜査を続けていくと三件の事件がそれぞれ関連していることに気が付きます。大規模な合同捜査が始まります。違う県警の刑事たちがそれぞれ意見や推理を出し合うところは読みどころです。 事件のメインは、若妻殺しですがその捜査をしている時に牛トラ運転手、家畜商殺害事件との関連が疑われ始めます。話はどんどん大きく膨らみ、読んでいて次の展開が待ち遠しくなります。小川原湖開発会社のエリートサラリーマン奥山省一が、新居に帰宅すると刃物で殺害された若妻の姿を発見するというショッキングな事件から始まります。 省一は初めて千秋と出会った時に、自分の求めていた理想の女性であることを確信し、交際期間ももどかしくプロポーズし結婚します。千秋にしてみてもエリートサラリーマンからのプロポーズに夢にまで見た人もうらやむ幸せな家庭生活を想像して温かい新婚生活を送れるだろうと同意します。 しかし千秋には夫省一には話せない過去があったのです。警察は千秋殺害が結婚する前の過去に何かあるのではないかと過去の経歴を調べていきます。そうすると、円満なエリートサラリーマンの妻にはふさわしくない思いもよらない過去がありました。ラストで省一がその事実を知ることになり、身も崩れるばかりに落ち込む姿は読んでいて、余りのも痛々しかったです。他の作品でも多く出てきますがスピロヘータを本作でも使っています。 この作品の捜査手段として特筆すべきは、トラックのタコグラフというエンジン回転数を計測記録する装置を解析し、トラックが何処をどういうスピードで走ったか、また何処で何分停車したかなどと推理するところです。現在ではもう無いシステムですが、昔はトラックの後部バンパーにタコグラフと書いた車を多く見かけました。 誘鬼燈とは森村氏の造語ですが、それが意味するものとはラストで分かります。省一は事件の内容、犯人を知り、千秋の過去も知らされます。尚且つ、スピロヘータに侵され無人の新居に帰る時、誰も待っていない新居の灯りを見て「その灯りが鬼を誘ったんだ・・」と言い崩れ落ちます。その省一の姿は余りのも可愛そうでした。今日では当たり前(本当は当たり前になってはいけない)のように起こる、善意の人に突然襲い掛かる理不尽な現代的な犯罪に森村氏が警鐘を鳴らし、現代社会に警告した作品です。 | ||||
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