花の骸
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東北の貧しい農村は、作物だけでは生活できず、 出稼ぎをすることで、生活を成り立たせていた。 3人の出稼ぎ農民の話。その染み付いた貧しさの描写がつらい。 その出稼ぎが、うまくいけばいいが、 3人の出稼ぎ農民は、だまされて タコ部屋に入れられ、 郷里にもどるにももどれない。 お金も使い果たして、強盗にはいるしかないと決意して 豪邸に入ったが、なぜか若い女性がクビ絞められ 殺されるのを見てしまった。3人はにげたが、 そのうちの一人が殺されているのが 発見された。 誰が殺したのか?と 刑事が動き始める。 そして、その豪邸は、きれいな外国人(韓国人)のオンナと 農業関係の銀行のえらい人たちが 出入りしていた。 その黒幕は、一体 誰なのか? 浮かび上がってくるフィクサーは、急に売れだしたモデルの若い女を むさぼり食べるように熱心である。 そのモデル 水木アリサは、売れない時に 身分を隠した刑事にぼやいたことで、糸口が見えて来るのである。 水木アリサを送り迎えしている運転手が、深い仲になるが、 アリサは、その運転手に 疑惑を 抱き始めるのである。 うなじにある かくれボクロが、感じると浮き出るのだ。 金崎がフィクサーとして登場し 土地ころがしで、利益を生み出していく。 イメージとして 小佐野賢治のように見えるが、 国会議員のボス的存在に 近寄りながら 明らかにされない。 これが、実に残念でもある。 主題は あくまでも 出稼ぎ農民の 殺人事件。 貧しい農村でのいいきれない複雑な思い。底辺での苦しみ。 | ||||
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本書は1975年1月から9月にかけて「週刊現代」に連載された作品で、1977年1月講談社より初出版された作品です。前作の「蟲の楼閣」では“あずき”を食害するアズキゾウムシの生態が、犯人追及のヒントになるという奇異な作品を書きました。本作品では腐生植物ギンリョウソウの特異な生態が物語の鍵となります。 勿論、そればかりではなく、森村氏のテーマとしている人間ドラマも、十分表面に押し出しています。本作の始まりは、はるばる東北から出稼ぎにきた三人の農夫が、惨劇な事件に遭遇する場面から始まります。 “出稼ぎ”という言葉は、今日では死語とも言えるかもしれません。東北地方の農家の、主に主人が、米作の収穫が終わり翌年までの農閑期に都心へ出てきて労務にあたるもの。年末から正月明けにかけて人手が不足する都心では有り難い人材でした。 当時の米作農家は、一年分の収穫した代金では家計が成り立たず、農閑期は都会で収入を得なければ生活が苦しかったのです。また、主たる収入が出稼ぎによる農家も多かった。 東京へ来た三人は、好条件で住み込んだ飯場の待遇が極度に悪く、惨憺たる生活を強いられていました。そのため彼らは、逃げ出し所持金を使い果たした挙句、強盗を計画して、ある大きな屋敷に押し入ったのです。そこで三人は見ても聞いてもいけないものを知ってしまったのです。 浮浪者風の男が死んでいると通報を受け、警官が駆け付けると、労務者風体の体格のガッシリした死体だった。身元が分かるものは何も無かった。 三人が押し入った邸宅は、米原豊子という謎の女が住む家で、国家権力を左右する保守系の政治家や財界の要人にコールガールを斡旋する秘密の家でした。 碑文谷署の太田刑事と下田刑事は、諦めかけていた労務者の身元捜しが、一緒に飯場で働いていたという小塚の情報により、東北から出稼ぎに来ていた三人組の一人ではないかということを知る。 太田と下田は、三人組の郷里へ出張し、三人の足取りを追っていく過程でコールガールを斡旋する秘密シンジケートを突き止めた。それが、きっかけとなり国際的な売春シンジケートの摘発につながり、さらには政財界の一大スキャンダルに発展するのです。 政治家の醜い裏の顔と甘い汁を吸おうとする悪徳企業の絡まり合いを書くのは、森村氏の十八番です。 腐生植物ギンリョウソウは、動物の死体や排泄物を栄養にして育つ。そしてギンリョウソウの生育している土の中に残り二人の屍がある。見つかった遺体に残された妻子が対面する姿はなんとも悲し過ぎる。 | ||||
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本書は1975年1月から9月にかけて「週刊現代」に連載された作品で、1977年1月講談社より初出版された作品です。前作の「蟲の楼閣」では“あずき”を食害するアズキゾウムシの生態が、犯人追及のヒントになるという奇異な作品を書きました。本作品では腐生植物ギンリョウソウの特異な生態が物語の鍵となります。 勿論、そればかりではなく、森村氏のテーマとしている人間ドラマも、十分表面に押し出しています。本作の始まりは、はるばる東北から出稼ぎにきた三人の農夫が、惨劇な事件に遭遇する場面から始まります。 “出稼ぎ”という言葉は、今日では死語とも言えるかもしれません。東北地方の農家の、主に主人が、米作の収穫が終わり翌年までの農閑期に都心へ出てきて労務にあたるもの。年末から正月明けにかけて人手が不足する都心では有り難い人材でした。 当時の米作農家は、一年分の収穫した代金では家計が成り立たず、農閑期は都会で収入を得なければ生活が苦しかったのです。また、主たる収入が出稼ぎによる農家も多かった。 東京へ来た三人は、好条件で住み込んだ飯場の待遇が極度に悪く、惨憺たる生活を強いられていました。そのため彼らは、逃げ出し所持金を使い果たした挙句、強盗を計画して、ある大きな屋敷に押し入ったのです。そこで三人は見ても聞いてもいけないものを知ってしまったのです。 浮浪者風の男が死んでいると通報を受け、警官が駆け付けると、労務者風体の体格のガッシリした死体だった。身元が分かるものは何も無かった。 三人が押し入った邸宅は、米原豊子という謎の女が住む家で、国家権力を左右する保守系の政治家や財界の要人にコールガールを斡旋する秘密の家でした。 碑文谷署の太田刑事と下田刑事は、諦めかけていた労務者の身元捜しが、一緒に飯場で働いていたという小塚の情報により、東北から出稼ぎに来ていた三人組の一人ではないかということを知る。 太田と下田は、三人組の郷里へ出張し、三人の足取りを追っていく過程でコールガールを斡旋する秘密シンジケートを突き止めた。それが、きっかけとなり国際的な売春シンジケートの摘発につながり、さらには政財界の一大スキャンダルに発展するのです。 政治家の醜い裏の顔と甘い汁を吸おうとする悪徳企業の絡まり合いを書くのは、森村氏の十八番です。 腐生植物ギンリョウソウは、動物の死体や排泄物を栄養にして育つ。そしてギンリョウソウの生育している土の中に残り二人の屍がある。見つかった遺体に残された妻子が対面する姿はなんとも悲し過ぎる。 | ||||
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本書は1975年1月から9月にかけて「週刊現代」に連載された作品で、1977年1月講談社より初出版された作品です。前作の「蟲の楼閣」では“あずき”を食害するアズキゾウムシの生態が、犯人追及のヒントになるという奇異な作品を書きました。本作品では腐生植物ギンリョウソウの特異な生態が物語の鍵となります。 勿論、そればかりではなく、森村氏のテーマとしている人間ドラマも、十分表面に押し出しています。本作の始まりは、はるばる東北から出稼ぎにきた三人の農夫が、惨劇な事件に遭遇する場面から始まります。 “出稼ぎ”という言葉は、今日では死語とも言えるかもしれません。東北地方の農家の、主に主人が、米作の収穫が終わり翌年までの農閑期に都心へ出てきて労務にあたるもの。年末から正月明けにかけて人手が不足する都心では有り難い人材でした。 当時の米作農家は、一年分の収穫した代金では家計が成り立たず、農閑期は都会で収入を得なければ生活が苦しかったのです。また、主たる収入が出稼ぎによる農家も多かった。 東京へ来た三人は、好条件で住み込んだ飯場の待遇が極度に悪く、惨憺たる生活を強いられていました。そのため彼らは、逃げ出し所持金を使い果たした挙句、強盗を計画して、ある大きな屋敷に押し入ったのです。そこで三人は見ても聞いてもいけないものを知ってしまったのです。 浮浪者風の男が死んでいると通報を受け、警官が駆け付けると、労務者風体の体格のガッシリした死体だった。身元が分かるものは何も無かった。 三人が押し入った邸宅は、米原豊子という謎の女が住む家で、国家権力を左右する保守系の政治家や財界の要人にコールガールを斡旋する秘密の家でした。 碑文谷署の太田刑事と下田刑事は、諦めかけていた労務者の身元捜しが、一緒に飯場で働いていたという小塚の情報により、東北から出稼ぎに来ていた三人組の一人ではないかということを知る。 太田と下田は、三人組の郷里へ出張し、三人の足取りを追っていく過程でコールガールを斡旋する秘密シンジケートを突き止めた。それが、きっかけとなり国際的な売春シンジケートの摘発につながり、さらには政財界の一大スキャンダルに発展するのです。 政治家の醜い裏の顔と甘い汁を吸おうとする悪徳企業の絡まり合いを書くのは、森村氏の十八番です。 腐生植物ギンリョウソウは、動物の死体や排泄物を栄養にして育つ。そしてギンリョウソウの生育している土の中に残り二人の屍がある。見つかった遺体に残された妻子が対面する姿はなんとも悲し過ぎる。 | ||||
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