恐怖の骨格
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財閥の財産争いーというより後継者争い。 大財閥であるがゆえに、 日本の法ルールを無視することができる。 欲は、欲を呼ぶ。 人間は、かくもよく深い | ||||
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正確な深い知識がなければ書けないという内容です。見事。とてもnerve-wreckingな話で大変楽しい時間を過ごしました。 | ||||
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正確な深い知識がなければ書けないという内容です。見事。とてもnerve-wreckingな話で大変楽しい時間を過ごしました。 | ||||
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1973年に出版されました。1969年に「高層の死角」で江戸川乱歩賞を受賞しました。森村氏は、その後、そのタイトルにあやかってか“熟語”の“熟語”という五字のタイトルを題名にした長編を多数執筆しています。本作品も、そのパターンを用いています。 「腐食の構造」「真昼の誘拐」「鉄筋の畜舎」と続いた後の作品です。どれも“熟語”の意味が物語の内容を表したものでした。しかし、意味深長な言葉もあり“畜舎”に至っては、家畜の様な扱いを受ける大企業に勤める者たちを揶揄した言葉です。もちろん森村氏が作り出した言葉です。 本作の“骨格”という意味を辞典で読むと“骨組み”という意味になります。本作の内容とは必ずしも、その辞典が表した意味ではありませんでした。しかし、次作の「暗黒流砂」の中で森村氏は「まだ雪の来ない八ヶ岳の岩の骨格が・・・」と記述しています。そこで険しい山岳地帯の高山の頂を連ねる山脈を表している事だと気が付きます。 その山岳地帯で起こった恐怖を書いたサスペンス冒険小説です。冒険小説の試みは、本作品が初めてではないでしょうか。 紀尾井企業集団(グループ)の会長を務める椎名禎介の二人の娘を乗せた小型飛行機が、立山の幻の谷で不時着し遭難します。不時着といえば「東京空港殺人事件」のジャンボ旅客機がアラスカに不時着した序章を思い浮かべてしまいました。 その地は、岩壁に囲まれ下からは有毒ガスが発生する地で逃げ場の無い所でした。禎介の二人の娘には婚約者がいて、いずれも紀尾井グループの実権と財産を得るためにひたすら忠誠を誓っていた「佐多」と「島岡」でした。 佐多と島岡は、それぞれの婚約者を救出するために“幻の谷”登攀に経験のある高階と木屋をガイドに選びます。もちろん、その救出の目的が財産分与にあることは臥せています。 苦難のうえに辿り着いた、幻の谷ではあったけれど、そこはヘリコプターでも近寄れない下界から隔絶された狭小の谷でした。 そこから氷雪に囲まれた岩壁から脱出するための冒険が始まります。なんと言ってもここからが凄く楽しめるところです。 佐多も島岡も、それぞれの婚約者の一人でも死亡していれば、相続財産は1/2から100%になる訳ですから婚約者の生死は、受け取る相続財産が倍額になる意味がありました。 皆、一様に生存をかけて脱出することを思いますが、そこに人間の欲望が隠されているわけです。岩壁の小さなテラスでビバークしている時に突然頭上から岩石が落下してきたりとか、いきなりピッケルが顔の横に誰かが振りかざしたりとか、恐怖の連続です。 そこのところの記述は、誰が誰を殺してもおかしくはない、個々人の欲望が内在されているわけです。この状況下で恐怖に慄く最高のサスペンスの場面になります。 最終的の相続財産の行方がどうなったのかは控えます。ラストでは驚愕していまいました。これまでに山岳ものでは、不遇の時代の「分水嶺」をはじめ「密閉山脈」「日本アルプス殺人事件」とありました。 「分水嶺」は山から下りた若者の友情が壊れてゆく話。「密閉山脈」は、初登頂を目指すアルピニストが不純な動機によって犯罪を起こしてしまう話。「日本アルプス殺人事件」はフィルムトリックを暴く推理小説でした。 本作は、完璧なサスペンス恐怖冒険小説と言えます。山岳救助に請われた高階は「腐食の構造」の“大町”と相似していました。しかし、大町ほどヒーロー感は無く平凡な官吏であることに興味が伺えます。秀作でした! | ||||
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1973年に出版されました。1969年に「高層の死角」で江戸川乱歩賞を受賞しました。森村氏は、その後、そのタイトルにあやかってか“熟語”の“熟語”という五字のタイトルを題名にした長編を多数執筆しています。本作品も、そのパターンを用いています。 「腐食の構造」「真昼の誘拐」「鉄筋の畜舎」と続いた後の作品です。どれも“熟語”の意味が物語の内容を表したものでした。しかし、意味深長な言葉もあり“畜舎”に至っては、家畜の様な扱いを受ける大企業に勤める者たちを揶揄した言葉です。もちろん森村氏が作り出した言葉です。 本作の“骨格”という意味を辞典で読むと“骨組み”という意味になります。本作の内容とは必ずしも、その辞典が表した意味ではありませんでした。しかし、次作の「暗黒流砂」の中で森村氏は「まだ雪の来ない八ヶ岳の岩の骨格が・・・」と記述しています。そこで険しい山岳地帯の高山の頂を連ねる山脈を表している事だと気が付きます。 その山岳地帯で起こった恐怖を書いたサスペンス冒険小説です。冒険小説の試みは、本作品が初めてではないでしょうか。 紀尾井企業集団(グループ)の会長を務める椎名禎介の二人の娘を乗せた小型飛行機が、立山の幻の谷で不時着し遭難します。不時着といえば「東京空港殺人事件」のジャンボ旅客機がアラスカに不時着した序章を思い浮かべてしまいました。 その地は、岩壁に囲まれ下からは有毒ガスが発生する地で逃げ場の無い所でした。禎介の二人の娘には婚約者がいて、いずれも紀尾井グループの実権と財産を得るためにひたすら忠誠を誓っていた「佐多」と「島岡」でした。 佐多と島岡は、それぞれの婚約者を救出するために“幻の谷”登攀に経験のある高階と木屋をガイドに選びます。もちろん、その救出の目的が財産分与にあることは臥せています。 苦難のうえに辿り着いた、幻の谷ではあったけれど、そこはヘリコプターでも近寄れない下界から隔絶された狭小の谷でした。 そこから氷雪に囲まれた岩壁から脱出するための冒険が始まります。なんと言ってもここからが凄く楽しめるところです。 佐多も島岡も、それぞれの婚約者の一人でも死亡していれば、相続財産は1/2から100%になる訳ですから婚約者の生死は、受け取る相続財産が倍額になる意味がありました。 皆、一様に生存をかけて脱出することを思いますが、そこに人間の欲望が隠されているわけです。岩壁の小さなテラスでビバークしている時に突然頭上から岩石が落下してきたりとか、いきなりピッケルが顔の横に誰かが振りかざしたりとか、恐怖の連続です。 そこのところの記述は、誰が誰を殺してもおかしくはない、個々人の欲望が内在されているわけです。この状況下で恐怖に慄く最高のサスペンスの場面になります。 最終的の相続財産の行方がどうなったのかは控えます。ラストでは驚愕していまいました。これまでに山岳ものでは、不遇の時代の「分水嶺」をはじめ「密閉山脈」「日本アルプス殺人事件」とありました。 「分水嶺」は山から下りた若者の友情が壊れてゆく話。「密閉山脈」は、初登頂を目指すアルピニストが不純な動機によって犯罪を起こしてしまう話。「日本アルプス殺人事件」はフィルムトリックを暴く推理小説でした。 本作は、完璧なサスペンス恐怖冒険小説と言えます。山岳救助に請われた高階は「腐食の構造」の“大町”と相似していました。しかし、大町ほどヒーロー感は無く平凡な官吏であることに興味が伺えます。秀作でした! | ||||
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