日本アルプス殺人事件
- アリバイ (477)
※タグの編集はログイン後行えます
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点0.00pt |
日本アルプス殺人事件の総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
現在レビューがありません
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読書嫌いの私が、気になって気になって次々とページを開いた。面白かった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
結構、面白い。上高地と北アルプスに行った後で。とても丁寧な描写。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「銀の虚城」 1968年に青樹社より刊行されました。青樹社の那須英三編集長により「大都会」「幻の墓」と出版したものの、まったく売れず那須氏は頭を抱えてしまった。「うちだけでは読者が広がらないから、他社からも出したほうが良い」と言われ、紹介された出版社に持っていくと「小説になっていない。小説の“いろは”から勉強しなさい」と酷評された。やむなく那須氏が引き取り青樹社から出版された因縁の作品です。 本編は、都内に於ける巨大ホテルのトップを争う話です。主人公の高村は、社長命で極秘に身分を偽りライバルホテルのホテルマンとして潜り込み、意図的にトラブルを起こし競争相手のホテルの信用を失墜させる工作に携わる事になります。その見返りとして復社した時には、高位の役職が与えられる事になっており忠実に役目を果たそうとします。しかし、それは虚城だったのです。 実に悪辣な手段ですが、むしろユニークに書かれて、ホテル内部の裏事情を、面白可笑しく描いています。ホテル内部のトラブルは数々有りますが、森村氏の実体験の様です。ホテルマン時代の鬱屈した不満を、すべてこの作品に爆発させている様にも思えました。ただ、個人的には“深夜の婚礼”の章と“東京の休日”の章は、泣けてしまいました。 1967年の「大都会」から、世に名が知れ渡るまでの不遇の時代の作品ではありますが、酷評するのは、容易いけれど、この時森村氏の才能を発掘するのは、広大な雪原の中に落とした小さなピッケルを探すほど困難だったはずです。 那須氏は「ここまで書いても良いのかな?」と森村氏は、社会の巨悪や悪癖に熱い怒りの炎を燃やしていたと言います。後々、本格的な社会派小説を作る事を予想していたのではないでしょうか。那須氏は雪の中に小さなピッケルを見つけていたのだと思います。 本作後、森村氏が大輪の花を咲かすまであと僅かです。しかし、この時にはまだ、角川春樹という人物が森村氏のこの時期の作をすべて読んでいたという事は誰も知りませんでした。 本作品は森村氏にとって通過点、又はスタート前のウォーミングアップに過ぎない時期に書かれたものであったと言えるでしょう。ですが森村誠一文学の価値を知るうえでは重要な一作だと思います。 「日本アルプス殺人事件」 1972年光文社から出版されました。「週刊小説」の峯島正行編集長から、当時の週刊誌連載は15~16枚の原稿が相場であったものが、80枚の依頼を受け、夜が明けるのも度々ありながら書き上げた作品です。 1969年に「高層の死角」で江戸川乱歩賞を受賞しました。しかしながら当時は、松本清張氏の推理小説ブームも下火になり、乱歩賞を受賞したものの、とりわけ執筆依頼が増えた訳ではありませんでした。 しかし「新幹線殺人事件」を発表した頃から執筆依頼が増え、やっと順風満帆な作家活動を送れる様になった頃でした。出せば売れる森村氏にも、そんな時代が有ったのだと思わされてしまいます。 冒頭の出だしから、ショッキングな事件が3件起こります。北アルプスで山岳スキーを楽しむ男女が、スキー板を外す転倒をして救助を待つ間に女が凍死してしまう事故。二つは、東京の高層ホテルで火災が発生。ヘリで脱出する男女が、掴まった救助梯子から男が女を蹴り落とす事件。三つ目は、北アルプスの乗鞍岳に向かう車が、突然の吹雪で、男女を乗せたまま立ち往生してしまい、これも、女が救助を待つ間に凍死してしまう事件です。 冒頭30頁に、男女の謎めいた事件が3件起こり、これが、本編を通し常に伏線となっています。冒頭の伏線の張り方では「東京空港殺人事件」や、不遇の時代の作品「分水嶺」などに顕著にみられます。 特に強烈に印象に残るのは、デビュー間もない不遇の時代に書かれた「分水嶺」の冒頭部分です。「東京原宿のアパートで女が、ガス自殺した。しかし大都会ではありふれたことであり、大したことでは無かった」。次に「同じ日、病気療養中の夫が失踪したと届け出があったが、大都会では、ありふれたことであり、大したことでは無かった」。三つ目「北アルプスの穂高岳山頂から一人の男が墜ちて死んだ。しかし、山ではありふれたことであり、大したことでは無かった」とあります。 この三つは、ラストで見事に物語の結末を結ぶことになります。本作品でも、この「分水嶺」と同様の試みが行われているのが読み取れます。冒頭のこの様な書き出しを読んで、「分水嶺」の様な面白い話が続くのだろうと思うとワクワクしてしまいます。 本作品は、アリバイ崩しの推理小説です。容疑者の官吏が事件当時に、北アルプスに登山中で犯行現場には存在することが全く不可能な完璧なアリバイが有ることです。それは登山行をフィルムに残し時系列的に遡ると必然的に犯行時刻には北アルプスに居たことが証明される仕組みとなっていたのです。 フィルム・アリバイトリックでは、松本清張氏の「時間の習俗」が有名ですが、本作では、更に巧みな高度のアリバイテクニックになっています。 本事件の捜査指揮に当たるのが、他の作品でも度々登場する那須警部です。青樹社の編集長で無名の時代の森村氏を見出してくれた、那須英三氏をモデルにしています。少ない奉金の警察官でありながら、休日には、ポールモーリア等のフレンチミュージックを聞きながらパイプをくわえる姿など、現実の那須英三編集長の面影を数多く書いています。 乱歩賞受賞後、順風満帆の作家生活を送っていた森村氏も那須英三編集長には感謝の念が絶えなかったことが読み取れ、嬉しく読みました。森村氏の趣味だった登山を扱った作品は多数ありますが、その中でも優れた作品だと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最後はえーという感じで少しがっかりしたが、知性に従って行動したあげくの話(ハリウッドに時々あるようなderangedな人の話)なので、まあまあというところか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最後はえーという感じで少しがっかりしたが、知性に従って行動したあげくの話(ハリウッドに時々あるようなderangedな人の話)なので、まあまあというところか。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 9件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|