新・新幹線殺人事件
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1987年9月「小説新潮」に掲載された本書です。「新幹線殺人事件」の次作として書かれた作ですが、再び那須警部が登場してくれたので嬉しくなってしまいました。森村氏が、まだ売れない頃に書き、持ち込んだ原稿「大都会」を読み、すぐに出版してくれた青樹社の編集長、那須英三氏の事だからです。那須氏は、すぐに次作にかかれと森村氏に言ったそうです。それからの活躍は、言うまでもありません。 話は、第一作と同様に新幹線、東京―博多間の車内で殺人事件が起こります。更に面白いのは、同じくして身代金誘拐の事件が起こり、その身代金を殺人事件が有った座席の網棚の上で取引されると言う偶然な状況になって、事件は混沌としてしまいます。 殺人事件と身代金誘拐事件の二つが同じくして起こる訳ですが、殺人事件は良くある痴情の縺れからの動機ですが、死体が何故、新幹線ひかり116号にあったのか?死体がどの様に移動したのか?面白いトリックです。本書を読んで頂きたいと思います。 この二つの事件に絡む犯罪が有って、むしろこの事件の方が興味深く、面白く、意外性を感じさせ、哀しくさせるものでした。 事件は詐欺師、検見川が、ある有名画家の所有する土地の権利書を偽造し7億5千万円を搾取する事件です。それに共謀するのは、有名画家の諸橋秀星と風貌が似ているからと、甘い言葉で誘われた大企業社員の大竹精次なのです。 有名画家、諸橋の役割を担う大竹、は会社に忠誠を誓いながら、身を粉にして会社の為に働きましたが、文明の力、新幹線の発達によって、博多での単身赴任を命ぜられるのです。家庭での存在感は無くなり、次第に家族とは疎遠になり、少しずつ亀裂ができ、このままでは、崩壊してゆく事に気付き始めるのです。そんな時、検見川から2億5千万の分け前の報酬で詐欺事件への誘いがあったのです。 その金額に目が眩み、そのお金で家庭の主として再び一家を取り戻すつもりで協力してしまうのでした。森村氏も長距離移動が可能になり、家庭を壊してしまった人々もいる事を書いてみたかったと言っています。本作では、家族たちが、夫(父)の罪を少しでも軽くしようと努力する処は泣けてしまいます。安穏と生活していた家族も、主君に犯罪の疑いがかかり、その安定した生活も夫(父)によって成り立っていた事に気が付くのでした。 別列車によるトリックも驚かされますが、時代背景も違うのであまり詮索せず、気軽に楽しみました。土地の詐欺取引には思いもよらぬ人物が該当していて、これにはさすがに驚かされました。 現在、単身赴任と言う会社の制度は、当たり前の様になっていますが、文明の進歩が遠い距離を近くにしている様に思われがちです。しかし、本当は“遠いのだ”と言う気持ちを薄れさせているのではないだろうかと思わされました!読み終わって、現代に於いても全く同じ危険が潜んでいるのだと改めて思いました。 | ||||
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1987年9月「小説新潮」に掲載された本書です。「新幹線殺人事件」の次作として書かれた作ですが、再び那須警部が登場してくれたので嬉しくなってしまいました。森村氏が、まだ売れない頃に書き、持ち込んだ原稿「大都会」を読み、すぐに出版してくれた青樹社の編集長、那須英三氏の事だからです。那須氏は、すぐに次作にかかれと森村氏に言ったそうです。それからの活躍は、言うまでもありません。 話は、第一作と同様に新幹線、東京―博多間の車内で殺人事件が起こります。更に面白いのは、同じくして身代金誘拐の事件が起こり、その身代金を殺人事件が有った座席の網棚の上で取引されると言う偶然な状況になって、事件は混沌としてしまいます。 殺人事件と身代金誘拐事件の二つが同じくして起こる訳ですが、殺人事件は良くある痴情の縺れからの動機ですが、死体が何故、新幹線ひかり116号にあったのか?死体がどの様に移動したのか?面白いトリックです。本書を読んで頂きたいと思います。 この二つの事件に絡む犯罪が有って、むしろこの事件の方が興味深く、面白く、意外性を感じさせ、哀しくさせるものでした。 事件は詐欺師、検見川が、ある有名画家の所有する土地の権利書を偽造し7億5千万円を搾取する事件です。それに共謀するのは、有名画家の諸橋秀星と風貌が似ているからと、甘い言葉で誘われた大企業社員の大竹精次なのです。 有名画家、諸橋の役割を担う大竹、は会社に忠誠を誓いながら、身を粉にして会社の為に働きましたが、文明の力、新幹線の発達によって、博多での単身赴任を命ぜられるのです。家庭での存在感は無くなり、次第に家族とは疎遠になり、少しずつ亀裂ができ、このままでは、崩壊してゆく事に気付き始めるのです。そんな時、検見川から2億5千万の分け前の報酬で詐欺事件への誘いがあったのです。 その金額に目が眩み、そのお金で家庭の主として再び一家を取り戻すつもりで協力してしまうのでした。森村氏も長距離移動が可能になり、家庭を壊してしまった人々もいる事を書いてみたかったと言っています。本作では、家族たちが、夫(父)の罪を少しでも軽くしようと努力する処は泣けてしまいます。安穏と生活していた家族も、主君に犯罪の疑いがかかり、その安定した生活も夫(父)によって成り立っていた事に気が付くのでした。 別列車によるトリックも驚かされますが、時代背景も違うのであまり詮索せず、気軽に楽しみました。土地の詐欺取引には思いもよらぬ人物が該当していて、これにはさすがに驚かされました。 現在、単身赴任と言う会社の制度は、当たり前の様になっていますが、文明の進歩が遠い距離を近くにしている様に思われがちです。しかし、本当は“遠いのだ”と言う気持ちを薄れさせているのではないだろうかと思わされました!読み終わって、現代に於いても全く同じ危険が潜んでいるのだと改めて思いました。 | ||||
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1987年9月「小説新潮」に掲載された本書です。「新幹線殺人事件」の次作として書かれた作ですが、再び那須警部が登場してくれたので嬉しくなってしまいました。森村氏が、まだ売れない頃に書き、持ち込んだ原稿「大都会」を読み、すぐに出版してくれた青樹社の編集長、那須英三氏の事だからです。那須氏は、すぐに次作にかかれと森村氏に言ったそうです。それからの活躍は、言うまでもありません。 話は、第一作と同様に新幹線、東京―博多間の車内で殺人事件が起こります。更に面白いのは、同じくして身代金誘拐の事件が起こり、その身代金を殺人事件が有った座席の網棚の上で取引されると言う偶然な状況になって、事件は混沌としてしまいます。 殺人事件と身代金誘拐事件の二つが同じくして起こる訳ですが、殺人事件は良くある痴情の縺れからの動機ですが、死体が何故、新幹線ひかり116号にあったのか?死体がどの様に移動したのか?面白いトリックです。本書を読んで頂きたいと思います。 この二つの事件に絡む犯罪が有って、むしろこの事件の方が興味深く、面白く、意外性を感じさせ、哀しくさせるものでした。 事件は詐欺師、検見川が、ある有名画家の所有する土地の権利書を偽造し7億5千万円を搾取する事件です。それに共謀するのは、有名画家の諸橋秀星と風貌が似ているからと、甘い言葉で誘われた大企業社員の大竹精次なのです。 有名画家、諸橋の役割を担う大竹、は会社に忠誠を誓いながら、身を粉にして会社の為に働きましたが、文明の力、新幹線の発達によって、博多での単身赴任を命ぜられるのです。家庭での存在感は無くなり、次第に家族とは疎遠になり、少しずつ亀裂ができ、このままでは、崩壊してゆく事に気付き始めるのです。そんな時、検見川から2億5千万の分け前の報酬で詐欺事件への誘いがあったのです。 その金額に目が眩み、そのお金で家庭の主として再び一家を取り戻すつもりで協力してしまうのでした。森村氏も長距離移動が可能になり、家庭を壊してしまった人々もいる事を書いてみたかったと言っています。本作では、家族たちが、夫(父)の罪を少しでも軽くしようと努力する処は泣けてしまいます。安穏と生活していた家族も、主君に犯罪の疑いがかかり、その安定した生活も夫(父)によって成り立っていた事に気が付くのでした。 別列車によるトリックも驚かされますが、時代背景も違うのであまり詮索せず、気軽に楽しみました。土地の詐欺取引には思いもよらぬ人物が該当していて、これにはさすがに驚かされました。 現在、単身赴任と言う会社の制度は、当たり前の様になっていますが、文明の進歩が遠い距離を近くにしている様に思われがちです。しかし、本当は“遠いのだ”と言う気持ちを薄れさせているのではないだろうかと思わされました!読み終わって、現代に於いても全く同じ危険が潜んでいるのだと改めて思いました。 | ||||
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森村氏の初期代表作の新版とも言うべき作品であり、定番のアリバイ崩しトリックと複数の事件が絡み合う王道の展開はさすがといったところ。新と銘打っているが、オリジナルの新幹線殺人事件とは事件自体は関連性はないが、さりげなくオリジナル版と関連する小ネタが織り込まれているのが嬉しい。単身赴任による家族の崩壊がモチーフとなっているが、この85年辺りの時代性として単身赴任というテーマがかなり主流だったのでしょうね。 | ||||
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当時の新幹線鉄道の時刻表に基づいた巧緻な推理小説である。 森村誠一氏らしい社会性を帯びた物語に仕上がっている。内容が非常に緻密であり、捜査態勢に至るまで細々とした描写には圧倒されてしまいそうだ。 物語は新幹線車中で起こる刺殺事件から始まる。被害者は詐欺まがいの商売をする不動産屋の社長だった。捜査の段階で高級クラブのホステスが容疑者として浮かんだが、彼女には別の新幹線に乗っていたというアリバイがあった。 被害者と同席していた者は一体誰だったのか? 犯行現場から見付かった鞄の行方は? ホステスのアリバイは成立するのか? 調べていく内に意外な犯行が明らかになっていく。二つの異なる新幹線列車を股に掛けた殺意とは? やがて殺されてしまうホステスの裏側は? 事件と事件がぶつかり合う謎めいたストーリーに、読者は紛れてしまいそうになる。 これぞ森村誠一氏ならではの推理小説に読み応えがある。 | ||||
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