凶通項
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点0.00pt |
凶通項の総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
現在レビューがありません
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本作品は1979年11月光文社から初出版されたものです。タイトルは共通項から作られた造語だと想像出来ます。以前作「野生の証明」「カリスマの宴」「死定席」の三作で登場した人物や企業などが合わさって再登場します。森村氏は、これまでにも物語の始まりにショッキングな場面が多くあります。本作品では極めて残酷な場面から始まります。 新婚旅行で訪れた一流ホテルで初夜を迎えようとした久連山夫婦は、到着したホテルの手違いで、なんと空室が無いと言うのだ。久連山夫婦は落胆激高するが、すぐにキャンセルの部屋が出て安心する。更にその部屋は、このホテル最上階のスィートルームだった。久連山夫婦は、その僥倖に喜び満足して最高級の部屋を楽しんだ。しかし、夜更けになって何者かが部屋に侵入してきた気配が感じられる。 どう見ても裏社会の人物だ。彼らは、狙っていた人物では無い事にすぐに気が付く。だが、彼らは若い夫婦の裸身に近い姿で絡み合っている様子を見て、欲情を暴発させてしまう。夫の目の前で若い新婚初夜の妻が暴漢に蹂躙される。今までの作品の中で、これほど残酷な物語の始まりは無いだろう。 当日、その部屋に宿泊するはずだった人物は、広域組織暴力団加島組組長、加島政知だったのである。そこで、加島組組長の殺害を狙った襲撃が計画されていることが公になり、対抗する大東組傘下の帝国義人団の幹部、沖山伸次らによる犯行計画であったことが突き止められた。 万波利行は、会社では一向にうだつが上がらず、常にドジを起こすので「ドジ万」とあだ名されていた。ある日、息子が「お父さんの写真が新聞に出ているよ」と新聞を持ってきた。よく見ると、まさに自分の顔だったが、そこには暴力団大東組幹部の沖山伸次で加島組組長を殺害しようと計画した容疑者であると書かれている。 その事によって、万波は加島組の者から沖山と間違えられ、命を狙われ危険に晒される。一方、新婚初夜に新妻を暴行された久連山も力の差は歴然だが、沖山に対する復讐を考えていた。 この物語の面白いのは、万波も沖山が見つからない限り暴力団から追われ続けるので、何とか沖山の所在を見つけ出さなければならないと言うことなのだ。万波は沖山の行方を追って、仙台のホテルに宿泊中、久連山に発見されてしまう。何度も人違いだと説明しても、なかなか納得してはくれないが、免許証や社員証を見せて、やっと人違いだと納得してもらった。そこで二人は“共通”の捜索人沖山伸次の行方を協力して探偵よろしく探し出そうとするのだ。この珍妙な二人の会話や行動は秀逸です。 久連山と万波の他に登場する人物、政治家、企業、団体、などは「野生の証明」「カリスマの宴」「死定席」で登場したものが絡み合って再登場するので、その三作を読んだ方には懐かしい限りです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本作品は1979年11月光文社から初出版されたものです。タイトルは共通項から作られた造語だと想像出来ます。以前作「野生の証明」「カリスマの宴」「死定席」の三作で登場した人物や企業などが合わさって再登場します。森村氏は、これまでにも物語の始まりにショッキングな場面が多くあります。本作品では極めて残酷な場面から始まります。 新婚旅行で訪れた一流ホテルで初夜を迎えようとした久連山夫婦は、到着したホテルの手違いで、なんと空室が無いと言うのだ。久連山夫婦は落胆激高するが、すぐにキャンセルの部屋が出て安心する。更にその部屋は、このホテル最上階のスィートルームだった。久連山夫婦は、その僥倖に喜び満足して最高級の部屋を楽しんだ。しかし、夜更けになって何者かが部屋に侵入してきた気配が感じられる。 どう見ても裏社会の人物だ。彼らは、狙っていた人物では無い事にすぐに気が付く。だが、彼らは若い夫婦の裸身に近い姿で絡み合っている様子を見て、欲情を暴発させてしまう。夫の目の前で若い新婚初夜の妻が暴漢に蹂躙される。今までの作品の中で、これほど残酷な物語の始まりは無いだろう。 当日、その部屋に宿泊するはずだった人物は、広域組織暴力団加島組組長、加島政知だったのである。そこで、加島組組長の殺害を狙った襲撃が計画されていることが公になり、対抗する大東組傘下の帝国義人団の幹部、沖山伸次らによる犯行計画であったことが突き止められた。 万波利行は、会社では一向にうだつが上がらず、常にドジを起こすので「ドジ万」とあだ名されていた。ある日、息子が「お父さんの写真が新聞に出ているよ」と新聞を持ってきた。よく見ると、まさに自分の顔だったが、そこには暴力団大東組幹部の沖山伸次で加島組組長を殺害しようと計画した容疑者であると書かれている。 その事によって、万波は加島組の者から沖山と間違えられ、命を狙われ危険に晒される。一方、新婚初夜に新妻を暴行された久連山も力の差は歴然だが、沖山に対する復讐を考えていた。 この物語の面白いのは、万波も沖山が見つからない限り暴力団から追われ続けるので、何とか沖山の所在を見つけ出さなければならないと言うことなのだ。万波は沖山の行方を追って、仙台のホテルに宿泊中、久連山に発見されてしまう。何度も人違いだと説明しても、なかなか納得してはくれないが、免許証や社員証を見せて、やっと人違いだと納得してもらった。そこで二人は“共通”の捜索人沖山伸次の行方を協力して探偵よろしく探し出そうとするのだ。この珍妙な二人の会話や行動は秀逸です。 久連山と万波の他に登場する人物、政治家、企業、団体、などは「野生の証明」「カリスマの宴」「死定席」で登場したものが絡み合って再登場するので、その三作を読んだ方には懐かしい限りです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本作品は1979年11月光文社から初出版されたものです。タイトルは共通項から作られた造語だと想像出来ます。以前作「野生の証明」「カリスマの宴」「死定席」の三作で登場した人物や企業などが合わさって再登場します。森村氏は、これまでにも物語の始まりにショッキングな場面が多くあります。本作品では極めて残酷な場面から始まります。 新婚旅行で訪れた一流ホテルで初夜を迎えようとした久連山夫婦は、到着したホテルの手違いで、なんと空室が無いと言うのだ。久連山夫婦は落胆激高するが、すぐにキャンセルの部屋が出て安心する。更にその部屋は、このホテル最上階のスィートルームだった。久連山夫婦は、その僥倖に喜び満足して最高級の部屋を楽しんだ。しかし、夜更けになって何者かが部屋に侵入してきた気配が感じられる。 どう見ても裏社会の人物だ。彼らは、狙っていた人物では無い事にすぐに気が付く。だが、彼らは若い夫婦の裸身に近い姿で絡み合っている様子を見て、欲情を暴発させてしまう。夫の目の前で若い新婚初夜の妻が暴漢に蹂躙される。今までの作品の中で、これほど残酷な物語の始まりは無いだろう。 当日、その部屋に宿泊するはずだった人物は、広域組織暴力団加島組組長、加島政知だったのである。そこで、加島組組長の殺害を狙った襲撃が計画されていることが公になり、対抗する大東組傘下の帝国義人団の幹部、沖山伸次らによる犯行計画であったことが突き止められた。 万波利行は、会社では一向にうだつが上がらず、常にドジを起こすので「ドジ万」とあだ名されていた。ある日、息子が「お父さんの写真が新聞に出ているよ」と新聞を持ってきた。よく見ると、まさに自分の顔だったが、そこには暴力団大東組幹部の沖山伸次で加島組組長を殺害しようと計画した容疑者であると書かれている。 その事によって、万波は加島組の者から沖山と間違えられ、命を狙われ危険に晒される。一方、新婚初夜に新妻を暴行された久連山も力の差は歴然だが、沖山に対する復讐を考えていた。 この物語の面白いのは、万波も沖山が見つからない限り暴力団から追われ続けるので、何とか沖山の所在を見つけ出さなければならないと言うことなのだ。万波は沖山の行方を追って、仙台のホテルに宿泊中、久連山に発見されてしまう。何度も人違いだと説明しても、なかなか納得してはくれないが、免許証や社員証を見せて、やっと人違いだと納得してもらった。そこで二人は“共通”の捜索人沖山伸次の行方を協力して探偵よろしく探し出そうとするのだ。この珍妙な二人の会話や行動は秀逸です。 久連山と万波の他に登場する人物、政治家、企業、団体、などは「野生の証明」「カリスマの宴」「死定席」で登場したものが絡み合って再登場するので、その三作を読んだ方には懐かしい限りです。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 3件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|