猪苗代湖殺人事件
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非常に「現実的な」推理小説です。 猪苗代湖畔の離れた場所で2つの死体が発見された。死因は違うものの、二人の死体のそばに同じ一枚の紙が置かれていたことから、連続殺人事件として捜査が開始される。 「サイコパスによる凄惨な連続殺人」、「快楽殺人」、「奇妙な館に集まった奇妙な人たちの中でおきる異常殺人事件」「見立て殺人」等に飽きた諸氏には、おすすめかもしれません。 シンプルな、そして鉄壁と思われる「鉄道アリバイ」とたたかう、ミステリーです。 なぜか、主役は警察ではなくて、新米新聞記者と週刊誌の記者。ふたりとも、特に変わったキャラでもないのですが、記者たちと警察の「協力関係」は少し不思議な感じもしました。 本小説が最初に世にでたのは1987年。つまり昭和62年。 同じ昭和でも、松本清張の小説はすでに「時代小説」の雰囲気すらありますが、それほど前のような感じがしないはずの昭和62年でも、当然のことながら携帯はなし、インターネットもなし。それ以外の違いがあまり際立っていないことから、かえって不思議な感じがしました。 | ||||
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1987年5月に光文社のカッパ・ノベルスから出版された時は、『猪苗代湖殺人事件―新幹線4時間58分の死角』という書名でしたが、1990年8月に光文社文庫としての出版時は、新幹線云々の副題が外されていました。2007年10月発売の本書もそのスタイルを踏襲しています。初出の20年以上前は東北新幹線が珍しかったのだと思いましたが。 あらすじのように「福島県猪苗代湖畔で2つの死体が発見された」ということから本書はスタートします。津村秀介にとっては、『宍道湖殺人事件』に続く「湖」シリーズの第2作にあたります。内容的に関連があるわけではありませんので、通常のタイトルとしてとらえればよいのです。 鉄璧に見えるアリバイ崩しの醍醐味が、津村の小説の魅力のように思われるかもしれませんが、登場人物の背景まで描く描写力、時代性を推理小説に持ち込んだ社会派としての魅力が勝つように思っています。津村はもともと純文学を志し、夕刊紙の社会部で腕を磨き、フリーのルポライターとして、有名な週刊誌のライターとして書き続けてきた筆力が本作にも現れています。 本書で活躍するルポライターの浦上伸介は、将棋好き、酒好き、という作者の分身のような存在ですし、毎朝日報の新人記者・小川まゆみの描き方もジャーナリストの卵としての意気込みが上手くでていました。 肝心のアリバイ崩しについては、ネタばれになりますので、一切触れません。とにかく最後までじっくりと読ませる筆力を感じられる小説でした。 2000年9月に作者は逝去されていますので、新作を読むことは、かなわなくなっているのが惜しいですね。 | ||||
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1987年5月に光文社のカッパ・ノベルスから出版された時は、『猪苗代湖殺人事件―新幹線4時間58分の死角』という書名でしたが、1990年8月に光文社文庫としての出版時は、新幹線云々の副題が外されていました。2007年10月発売の本書もそのスタイルを踏襲しています。初出の20年以上前は東北新幹線が珍しかったのだと思いましたが。 あらすじのように「福島県猪苗代湖畔で2つの死体が発見された」ということから本書はスタートします。津村秀介にとっては、『宍道湖殺人事件』に続く「湖」シリーズの第2作にあたります。内容的に関連があるわけではありませんので、通常のタイトルとしてとらえればよいのです。 鉄璧に見えるアリバイ崩しの醍醐味が、津村の小説の魅力のように思われるかもしれませんが、登場人物の背景まで描く描写力、時代性を推理小説に持ち込んだ社会派としての魅力が勝つように思っています。津村はもともと純文学を志し、夕刊紙の社会部で腕を磨き、フリーのルポライターとして、有名な週刊誌のライターとして書き続けてきた筆力が本作にも現れています。 本書で活躍するルポライターの浦上伸介は、将棋好き、酒好き、という作者の分身のような存在ですし、毎朝日報の新人記者・小川まゆみの描き方もジャーナリストの卵としての意気込みが上手くでていました。 肝心のアリバイ崩しについては、ネタばれになりますので、一切触れません。とにかく最後までじっくりと読ませる筆力を感じられる小説でした。 2000年9月に作者は逝去されていますので、新作を読むことは、かなわなくなっているのが惜しいですね。 | ||||
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