宍道湖殺人事件
- アリバイ (477)
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1986年7月にカッパ・ノベルスとして出版され、1989年7月光文社文庫として発売され、2002年11月に講談社文庫として再発売されているわけですから、根強い津村秀介ファンというべき読者層に支えられた小説です。今作品もまた津村秀介お得意のアリバイ崩しの本格派推理小説でした。これは津村秀介が後に展開した「湖シリーズ」の第1作にあたります。 タイトルにもありますように、男が松江にある宍道湖のホテルから転落死します。不思議なことに彼の恋人も、それ以前に旅行中のスイスのレマン湖のホテルで転落死していました。 そのような状況をいかに解きほぐしていくかというところに推理小説の醍醐味を感じます。 この小説も、長らくルポライターをしていた津村秀介の得意分野ともいえる犯罪の社会背景を描きだしており、文章とストーリーは見事です。加害者と被害者がしっかりと描かれていますと実像を結ぶことが出来ますし、読み進めることへの違和感がなくなり小説に没頭できます。今回もまた社会の縮図を見事に浮かびあがらせるものでした。 旅の道中や出張の途中で本書を手にとる読者に共感を生むような設定でした。だからこそリアリティが小説に付加されているのでしょう。 雑誌記者であり、名探偵でもある浦上伸介が今回も活躍します。難を言えば、ラストの30ページほどの展開は少し肩すかしを食った感じも受けました。小説の組み立て、特に推理小説の場合、読者を欺くための落とし穴はいろいろと用意してありますが、人によってはこのような提示の仕方が好きではないかもしれません。 本格派推理小説としてこの小説を評価するより、社会派小説としての文章の深みが津村秀介の持ち味だと思います。今回もそれを堪能させてもらいました。 | ||||
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