無伴奏
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1960年代後半の激動の時代を背景にした恋愛物語です。男同士が同棲していることから、何となくその「秘密」は分かってしまうので、それほど衝撃的ではありません。。。それでもストーリー全体はとても良かったです。素晴らしい青春小説です。 | ||||
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本作は、作者の小池真理子氏が、1960年代に仙台のある女子校に転入し、自身とその時代を下敷きにして書いた物語である(あとがきより)。 実は私の母が、その当時、モデルとなった女子校の生徒で、在学中の小池さんのこともよく覚えていた。ちなみに母は小池さんより2学年下で、学生運動が最も高揚していた時期に入学したという。 作品と合わせると、主人公・野間響子が、制服撤廃委員会の委員長になったのが高2生で、母は中3。響子もこの時がいちばん『闘争』として、反戦デモやアジビラ刷りに加わり、その渦中にいたが、渉と裕之介、エマらとの出会いにより、運動から徐々に疎遠になっていく。 高3生の頃には、予備校と学校をサボりながら、渉という若く美しい男性に惹かれ、ある意味、普通の少女として、恋に夢中になって日々を過ごすようになる。 思春期と時代が、響子の何者かである、という自尊心を突き動かしたものの、恋に傾倒するにつれ、何者でもなかった自分を知る倦怠と虚しさ、くすぶった熱情が、余計に渉への恋慕として注がれるようになったのだ。 響子の恋は、残念ながら成就してしまう。そして突然に喪われる。 しかし、この恋を失う過程で、響子にとって、超えられなかったのは性差ではなく、裕之介という人間であり、膨れ上がる憎しみも怒りも、祐之介の「存在」に向かうのだ。 だからこそ、響子は渉と裕之介の結びつき/セクシュアリティを、最後まで胸の裡に納めたのだろうし、20年後もきっかけはありながら、告白はしなかった。そうすることで、彼女はあの熱に浮かされ、唐突に途切れた青春を、過去にしたのだと思う。 蛇足だが、小池さんの卒業から2年後、高3生になった母は生徒会長に就いて、卒業式では答辞を読んだ。学生運動盛んな時代、母の答辞は、事前に教師たちから「検閲」を受けたという。 その青春時代から5年後、母は私を産むのだが、卒業式の写真の少女は、今も口をへの字にして、挑むように私を見ている。母が笑っていない写真は、このたった1枚だけである。 | ||||
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舞台は1960年代の仙台。 大学紛争や安保問題で世間が騒然としていた時代。 学生達が本気で国を変えようとしていた。 パッフェルベルのカノンの流れるバロック喫茶で、 女子高生が一人の大学生と出会い恋に落ちる。 あまりに辛く、けれどみずみずしい若さと感受性の時代。 心の痛みというものを、悲しいくらい丁寧に描いている。 愛、性、罪、嘘、死。 そして、生。 それらに翻弄される4人の男女。 利己的で残酷な愛。 切なすぎる結末。 時代に乗り遅れまいと焦燥感の中にいる学生たち。 違いすぎる時代にいる自分たち。 この本を初めて手にした大学生の時、 読後感があまりに重く、打ちのめされ、しばらく他の本が読めなかった。 「どんな悲惨な出来事でも、いつか必ず色あせてくる。 そして、時間とともに、そこに新しい色が重ねられる。」 ずっと、忘れられなかった一節。 この10年、何度か、この言葉に支えられていたことを思い出した | ||||
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多感な少女の内面の描写が良く、結末も期待を裏切らないものだった。作中にところどころ出てくる音楽もその場の雰囲気に合っていて、「小説を楽しむ」という点では非の打ち所がない作品と言って良いだろう。 | ||||
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その果てに待つものを知らず、私はあなたを求めた―。多感な響子は偶然に出会った渉に強く惹かれるが、相手の不可解な態度に翻弄される。渉に影のように寄り添う友人の祐之介と、その恋人エマ。彼らの共有する秘密の匂いが響子を苛み、不安を孕んで漂う四角形のような関係は、遂に悲劇へと疾走しはじめる。濃密な性の気配、甘美なまでの死の予感。『恋』『欲望』へと連なる傑作ロマン。 | ||||
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