モンローが死んだ日
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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「重要登場人物の正体は誰か?」という疑問を追い掛ける物語だが、小説のテーマは謎解きより心の揺れに置かれているため、ミステリーとは言い難い作品である。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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直木賞を受賞した『恋』を読んで、いっときは彼女の作品はほぼすべて読んでいた。 が、10年ほど前からだろうか、ほとんど読まなくなった。 購入しても手が伸びず、積読になっている本も増えた。 そんな中で、久しぶりに書店で手に取ったのが本作。 読んでみるか、という気になって購入した。 なぜ、ぼくが彼女の作品を読まなくなっていたのか。 それは、おそらく、小池真理子の作品の多くが箱庭的に破綻のない、端正なラブラスペンスorミステリーであるからだ。 箱庭的だから、ハチャメチャな展開はない。 ある意味では読んでいて、先の展開も分かる。 予定調和の感じもある。 しかし、それでも読ませてしまう端正な美しさがある。 それが、小池作品の魅力である。 が、同時にぼくが飽きてしまった理由でもあるように思う。 で、本作である。 舞台はお決まりの軽井沢。 ただ、別荘ではなく住まいとしての軽井沢であるが、そこに住む還暦目前の未亡人が鬱に悩まされ、精神科に赴くところからストーリーは始まる。 もう、こう書いただけでその先は予測できてしまうw ただ、久しぶりに触れた小池ワールドは、なかなかの吸引力があった。 | ||||
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この作品が、2019年にNHK BSプレミアムでテレビドラマ化されたことを私が知ったのは、小説を読了した直後のことでした。幸村鏡子役を鈴木京香、高橋智之役が草刈正雄というキャストですが、やはり制作のプロは、きっちり合わせてくるなと感心しました。 『死の島』では「脱血死」が、『水の翼』では「木口木版」が、そしてこの作品では「マリリンモンローの専属精神分析医」が作品の重要ファクターになっています。 著者本人が『水の翼』の「あとがき」で書かれていますが、NHKのテレビ番組「日曜美術館」で紹介されていた木口木版を偶々目にしたことから、一気に小説のイメージを膨らませたとのこと。おそらく、小池作品の多くは、このようにして魅力ある題材を自身の感性でキャッチし、それを小説という形で具体化させる手法が採られているように思います。 願わくは、小池さんに、囲碁や将棋のプロ棋士を題材に小説を書いてもらえたら、とても面白いものが出来上がるのではないかと淡い期待をしています。 ある日忽然と姿を消した先生。不条理な現実を突きつけられた鏡子の、戸惑う様子の描かれ方は秀逸です。がしかし、やはり最もスリリングなのは、鏡子が横浜みどり医療センターまで出向いて「高橋医師」と対面する場面です。この物語のハイライトシーンと言ってもいいと思います。こういった緊張感を前面に押し出した描写は、作者の一番の腕の見せ所ですが、ここは独自のテンポを色濃く出して見事に描かれています。 川原まりりんの情報をネットサーフィンから得て、それを高橋医師に結び付け、解決の糸口をたぐり寄せる筋立ての箇所は、 「小池先生、ここの部分は少々無理がありませんか?」 と、若干意見を差し挟みたくなるところです。しかし、その後の物語の展開を巻き戻してみると、この仕上げ方が唯一無二のようにも思えてきます。おそらく、読者の間でも賛否が分かれる部分かと思われます。 最後に、この小説の中の、私の好きな文を2つほど引用させていただきます。 ・多くを考えず、雑念にふりまわされず、一日一日を丁寧に生きよう、と心に決めた。 ・「原島の愛読者だったのかな」 「それほどたくさんは読んでいなかったようですけど、興味があったみたいで」 宇津木医師はにこりともせず、抑揚をつけずに言った。「それはただの口実で、診療所の外で幸村さんに会いたかったんでしょう、きっと」 世辞でもなく、お愛想でもない、かといって嫌味や皮肉でもなさそうだった。宇津木医師はその言葉を、自らの忌ま忌ましい想いと共に口にしただけだった。だが、どういうわけか鏡子は、それを聞いて顔が急激に赤らんでくるのを覚えた。 前者は物語の最初の方に、そして後者は物語の終わりの方に、何気ない一文として語られています。共に、作者の生き様や恋愛観が、作中の主人公に投影されていて印象深いです。 (了) | ||||
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プラトニックラブにも似た静謐な大人の恋愛だと感じました。 そんな中、一日一日を大切に生きようとしたヒロインにも感情移入しました。 心に残るお作です。 | ||||
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一気に読みました 一見、穏やかな大人の恋物語ですが、不穏な空気が漂い、それが何なのか読み進めずにはいられなくなってしまいました。 主人公の女性や男性に品があって、とても好きです。 小池さんの作品は「恋」から入り、次にこの作品を読みました。 どちらも、そうそう現実に起こりそうな話ではないのですが…共感できて現実味があるのはこちらの作品。 | ||||
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鈴木京香のテレビドラマは1話しか見れなかたので原作を読むことに。 鏡子の人柄が、素敵な人たちを呼び寄せるのか、その誠実さが周りの人達をいい人に変えてしまうのか、そんな人に会痛い。そんな人になりたいと思わせてくれる。 孤独、軽井沢、精神科のカウンセリング、恋愛、突然の別れ、真実。 軽井沢の落ち着いた雰囲気も伝わってきていい感じ。テレビドラマの続きも見たい。 | ||||
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