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モンローが死んだ日



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【この小説が収録されている参考書籍】
モンローが死んだ日
モンローが死んだ日 (新潮文庫)

モンローが死んだ日の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

信じること、支えることの難しさ(非ミステリー)

「重要登場人物の正体は誰か?」という疑問を追い掛ける物語だが、小説のテーマは謎解きより心の揺れに置かれているため、ミステリーとは言い難い作品である。
8年前に夫を亡くしてから二匹の猫と一人暮らしを続けている鏡子は、軽井沢の隣町の個人文学記念館を一人で切り盛りし、判で押したような平凡な日々を送っていたが、精神的な不調が悪化し、近くのクリニックの精神科を受診した。担当した非常勤医の高橋医師の穏やかで丁寧な対応に心を癒され、回復した鏡子は、徐々に高橋医師との関係を深め、毎週水曜と土曜の夜は一緒に過ごすのが習慣になっていた。ところが、半年ほど経った水曜日、高橋医師が訪れることは無く、連絡も取れなくなってしまった。焦燥感にかられた鏡子は、高橋医師が勤務している横浜の病院を訪ねるのだが・・・。
59歳の女性が心を寄せた55歳の男は、実は高橋医師ではなかった? 信じていた男に裏切られた鏡子は激怒しながらその正体を暴こうとするのだが、そこで知った真実はあまりにも切なくてほろ苦かった。「ニセ医者」が本当の医者より親身になって患者を救うというのは、ままありがちな話だが、本作は精神科医という設定によって、非常に奥行きのある心理劇に仕上がっている。ミステリー風味を効かせたロマンス小説としてオススメだ。

iisan
927253Y1

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