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モンローが死んだ日
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モンローが死んだ日の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.40pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全25件 1~20 1/2ページ
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直木賞を受賞した『恋』を読んで、いっときは彼女の作品はほぼすべて読んでいた。 が、10年ほど前からだろうか、ほとんど読まなくなった。 購入しても手が伸びず、積読になっている本も増えた。 そんな中で、久しぶりに書店で手に取ったのが本作。 読んでみるか、という気になって購入した。 なぜ、ぼくが彼女の作品を読まなくなっていたのか。 それは、おそらく、小池真理子の作品の多くが箱庭的に破綻のない、端正なラブラスペンスorミステリーであるからだ。 箱庭的だから、ハチャメチャな展開はない。 ある意味では読んでいて、先の展開も分かる。 予定調和の感じもある。 しかし、それでも読ませてしまう端正な美しさがある。 それが、小池作品の魅力である。 が、同時にぼくが飽きてしまった理由でもあるように思う。 で、本作である。 舞台はお決まりの軽井沢。 ただ、別荘ではなく住まいとしての軽井沢であるが、そこに住む還暦目前の未亡人が鬱に悩まされ、精神科に赴くところからストーリーは始まる。 もう、こう書いただけでその先は予測できてしまうw ただ、久しぶりに触れた小池ワールドは、なかなかの吸引力があった。 | ||||
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この作品が、2019年にNHK BSプレミアムでテレビドラマ化されたことを私が知ったのは、小説を読了した直後のことでした。幸村鏡子役を鈴木京香、高橋智之役が草刈正雄というキャストですが、やはり制作のプロは、きっちり合わせてくるなと感心しました。 『死の島』では「脱血死」が、『水の翼』では「木口木版」が、そしてこの作品では「マリリンモンローの専属精神分析医」が作品の重要ファクターになっています。 著者本人が『水の翼』の「あとがき」で書かれていますが、NHKのテレビ番組「日曜美術館」で紹介されていた木口木版を偶々目にしたことから、一気に小説のイメージを膨らませたとのこと。おそらく、小池作品の多くは、このようにして魅力ある題材を自身の感性でキャッチし、それを小説という形で具体化させる手法が採られているように思います。 願わくは、小池さんに、囲碁や将棋のプロ棋士を題材に小説を書いてもらえたら、とても面白いものが出来上がるのではないかと淡い期待をしています。 ある日忽然と姿を消した先生。不条理な現実を突きつけられた鏡子の、戸惑う様子の描かれ方は秀逸です。がしかし、やはり最もスリリングなのは、鏡子が横浜みどり医療センターまで出向いて「高橋医師」と対面する場面です。この物語のハイライトシーンと言ってもいいと思います。こういった緊張感を前面に押し出した描写は、作者の一番の腕の見せ所ですが、ここは独自のテンポを色濃く出して見事に描かれています。 川原まりりんの情報をネットサーフィンから得て、それを高橋医師に結び付け、解決の糸口をたぐり寄せる筋立ての箇所は、 「小池先生、ここの部分は少々無理がありませんか?」 と、若干意見を差し挟みたくなるところです。しかし、その後の物語の展開を巻き戻してみると、この仕上げ方が唯一無二のようにも思えてきます。おそらく、読者の間でも賛否が分かれる部分かと思われます。 最後に、この小説の中の、私の好きな文を2つほど引用させていただきます。 ・多くを考えず、雑念にふりまわされず、一日一日を丁寧に生きよう、と心に決めた。 ・「原島の愛読者だったのかな」 「それほどたくさんは読んでいなかったようですけど、興味があったみたいで」 宇津木医師はにこりともせず、抑揚をつけずに言った。「それはただの口実で、診療所の外で幸村さんに会いたかったんでしょう、きっと」 世辞でもなく、お愛想でもない、かといって嫌味や皮肉でもなさそうだった。宇津木医師はその言葉を、自らの忌ま忌ましい想いと共に口にしただけだった。だが、どういうわけか鏡子は、それを聞いて顔が急激に赤らんでくるのを覚えた。 前者は物語の最初の方に、そして後者は物語の終わりの方に、何気ない一文として語られています。共に、作者の生き様や恋愛観が、作中の主人公に投影されていて印象深いです。 (了) | ||||
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プラトニックラブにも似た静謐な大人の恋愛だと感じました。 そんな中、一日一日を大切に生きようとしたヒロインにも感情移入しました。 心に残るお作です。 | ||||
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一気に読みました 一見、穏やかな大人の恋物語ですが、不穏な空気が漂い、それが何なのか読み進めずにはいられなくなってしまいました。 主人公の女性や男性に品があって、とても好きです。 小池さんの作品は「恋」から入り、次にこの作品を読みました。 どちらも、そうそう現実に起こりそうな話ではないのですが…共感できて現実味があるのはこちらの作品。 | ||||
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鈴木京香のテレビドラマは1話しか見れなかたので原作を読むことに。 鏡子の人柄が、素敵な人たちを呼び寄せるのか、その誠実さが周りの人達をいい人に変えてしまうのか、そんな人に会痛い。そんな人になりたいと思わせてくれる。 孤独、軽井沢、精神科のカウンセリング、恋愛、突然の別れ、真実。 軽井沢の落ち着いた雰囲気も伝わってきていい感じ。テレビドラマの続きも見たい。 | ||||
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タイトルに惹かれ、購入し拝読いたしました。なかなか、進展がない、中だるみ感が有りましたが、最後の方に来て、一気に進展があり。読み終えた感じです。小池先生の作品は恋愛小説以外はほとんど、拝読しております。 | ||||
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男女の出会いはいつも突然、何とも言えない偶然やってきて、気が付くと盲目になっています。2年前の自分と照らし合わせ、いつの間にか虜になっていました。今、小池真理子さんの「恋」を読んでいます。 | ||||
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ドラマと並行して読みました。小説をほぼ忠実にドラマ化されていてとても良かったです。 後半はドラマは時間制約とかあるのでしょう、ちょっと物足りなかったので絶対本をお奨めします。 これも小池真理子さんのまさに大人の恋愛小説でした。 | ||||
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4回連続のNHKプレミアムドラマから入ったので、小池真理子さんの著書も初めてです。余談ですが、ご出身の成蹊大学のこともwikipediaで勉強しました。更に脱線すると安倍晋三首相と同窓ですね。 著書の冒頭にマリリン・モンローの言葉「一つの話には必ず裏と表がある。」か引用されています。ドラマでも第一話で草刈正雄のセリフとして語られています。第3話で、立っている位置が違えば、裏側が見えることもあれば、表側が見えることもあるという意味のことを語らせています。 ストーリーの展開は、このモンローの言葉そのままで、立ち位置に加え、時間の経過に従い、少しずつ、それぞれに見えて くるものを表しています。だとすると、新たに見えて来るものに、当人が追いついて行けない(消化出来ない)時に、不眠症になったりして、精神の異常をきたすことになるではないだろうか?と思うに至りました。 尚、小説とドラマの舞台となった花折町(はなおりまち)は、実在しません。軽井沢町に隣接するのは「御代田町」です。 | ||||
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小池真理子さんの作品は好きなのですが、この作品は岡部えつさんの「嘘を愛する女」を成熟させ肉付けしたような感じがしました。その肉付けがしつこくて長くて半分くらいまでは丁寧に読んでいましたが途中どうでもよくなってしまって結果だけ知りたくて飛ばし読みになりました。ラストの感じも「嘘を愛する女」のような感覚がありました。 今度ドラマになるということで、ドラマを見ながら再読してみることにします。 | ||||
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結論から言うと面白くてすぐに夢中になり最後まで一気に読みました。結構なボリュームの本にも関わらず。59歳の未亡人の女性と55歳の精神科医が、2人は患者と医者だけど次第にひかれあって恋に落ちていく、、、でもただの大人の男女の恋愛物語ではなくて、最後にどんでん返しがあって、なかなか読み応えがあった。最後の終わり方もよかった。小池真理子さんって好きな作家です。 | ||||
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主人公が医師と思ってた男に騙されてるんですが、主人公は男が医師な事に実は舞い上がっていて滑稽です。 男も男で偽医者のくせに図々しい。 | ||||
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構成がきちんとしていてどんどん引き込まれていき、読後感も極上の、いい小説を読ませてもらいました。小さな謎がいくつか提示され、最後にきちんと辻褄があっていくストーリーはミステリーとしても秀抜ですが、私には老いにさしかかった男女の静謐で美しい純愛小説でした。 自分の心に脆うさや闇を抱えているからこそ、誰かの心のゆりかごとなれる、ということは確かにあると思います。お互いがそういう関係になれるパートナーに出会えることは人生の宝でしょう。最後に鏡子さんが電話で先生に言うセリフには泣かされました。 鏡子さんと同じ年代の私にとって、彼女の飾らないファッションや、素朴で優しい料理の数々も見習うべきところです。こんな風に静かに、丁寧に年を重ねていきたいものです。 | ||||
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小池真理子さんをとても好きな友人がいたので、初めて「恋」という本を読みました。この本は斬新な印象を受けて非常に面白かったのですが、友人が強く勧めた「月狂ひ」は、少しあくが強い気がして、私は馴染めませんでした。その後何冊か短編を読みました。どれもそれなり面白く心惹かれるものが多かったのですが、この作品は今まで読んだ彼女の作品の中で一番好きかもしれません。ヒロインである鏡子と年齢が同じで、配偶者をなくしたという設定、私の場合は離婚ですが、境遇が似た部分もあって、寄り添うように読み進むことができました。2人の子供がいるという点、両親や姉など、家族には恵まれていたという点においては彼女と違ったのですが、もし私に子供がいなかったら・・家族もいなかったら・・と考えさせられました。人は常にどこかで温もりを求めているものであり、一人では生きていけないのだとしみじみ感じさせられ、廻りへの感謝の気持ちが湧きました。ラストシーンでは心が温まり、静かなじわじわとした感動が胸に押し寄せ、読後感もとても良かったです。人の心理や風景描写、猫のしぐさや季節感の感じられる料理などとても丁寧に描かれた素敵な作品だと思いました。 | ||||
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全作品読んでいる小池真理子さんの長編小説です。 500ページに渡る作品で発売日に購入していたものの読むのが勿体なく 半年近く寝かせやっとじっくり読み終える事が出来ました。 主人公は還暦近くで夫を亡くし、心のバランスを崩しかけた幸村鏡子 軽井沢の外れにある花折町の原島富士雄記念館で働いています。 そんな時、精神科医である年下の高橋と知り合い、二人は惹かれあうようになります。 前半はいつもの小池さん独特の物憂げで不穏で倦怠感のある空気感の中でゆっくりと物語が進行します。 しかし高橋が突然姿を消した時点からミステリー要素も加わり中盤以降ぐっと引き寄せられて行きました。 登場人物が少なく人物描写が見事でそれぞれの人物、特に鏡子の姿は絶えず脳内映像で動いていました。 皆、病んでいるけれど、1人1人に共感出来る部分もあり中盤からは一気読みでした。 最後の高橋からの手紙で全ての謎が溶け、光が見えるエピローグは読後感も良かったです。 いつもながら丁寧に繊細に描かれた一分の隙もない作品で読み応えがありました。 | ||||
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登場人物が少なくて、話しの展開が予想できるけど、エンターテイメントとして、一気に読めます。 小池さんの作品は初めて読みましたが、他の作品も読んでみたいと思いました。 | ||||
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起承転結の「転」で予想以上に大きく話は転換する。 前半は、壮年者の恋愛、精神疾患がテーマ。 舞台が軽井沢(の近く)ということもあって、少し現実離れした感覚を覚えるが、後半は2チャンネル、動画サイトにピン芸人の等のエッセンスも加わり、様相はガラリとかわる。 ミステリーやサスペンスの要素も盛り込んで、ちょっと変わった題名の理由も解明される。 心の機微の描写も上手だけど、前後半のギャップの作り方、テンポや(横浜と長野という)地理的な変化・展開も秀逸。 | ||||
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描写が美しく、ストーリー展開が力強い、第1級のエンターテイメントです。でもグンッと胸をつかまれたのは、主人公の抑鬱症状についての、言語表現の圧倒的なリアルさ。著者ご本人の実体験なのか、本書中にあるようにネット上にある病者たちのつぶやきに想を得たものなのか。「スイスアルプスのアイガー北壁からすべり落ちて、氷以外何も見えない白い空間を一五〇〇メートルも真っ逆様に落下していく」表現が何度か出てきます。鬱病診断歴25年の私は、こんな表現があったのか!と驚いてしまいました。とても感覚的な恐怖であるため、他者に伝える言葉にするのは不可能に近いと思っていたのですが。また、希死念慮という症状名を恥ずかしながらはじめて知りました。私が主治医に語っていた「死にたい病」に名称があったとは!結末は様式的ですが、最もかくあって欲しい形であり、暖かなものが心に満ち瞬間でも人生を肯定する幸せを与えてくれます。小説として一級であるとともに、精神科・心療内科従事者や苦しんでいる患者の方にもぜひ読んでほしい1冊です。 | ||||
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いつも作風が変わり、こちらを期待させる。 今回の作品もとても深くて読み応えがあった。 | ||||
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この作者の作品は、 読みだしたら、最後までしっかりと読ませてくれること、 ストーリーを追うことの緊張感をもたせてくれること、 え、何のこと?と、さかのぼることなくよみすすめること、 要するに、どうなるのだろう、と早くページをめくりたくなる。 心理サスペンスというと少し違うような気がする。 全編に漂う、孤独感に寂しくなるが、 その人なりに、きちんと生きている姿を応援してくれているようにも感じる。 忽然と消えた精神科医、その姿が明かされるまで、 明かされてからのなんともいえない辛さ。 でも、最後の最後に、少しほっとする。 | ||||
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