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モンローが死んだ日
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モンローが死んだ日の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.40pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全25件 21~25 2/2ページ
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つい先月まで実体験として、心療内科に通い、カウンセリングも受けていたことから、心を病む主人公から湧き出る強い貪りや怒りを理解することが難しく、途中まで(300頁くらいまで)は懐疑的、否定的になり、正直なかなか読み進められない状態でした。 ところが、「あ、ミステリー」と思い始めた後半部分は楽しい仕掛けに引き込まれ、自分でも驚く程「次は?次は?」とのめり込み、気がつくと物語の世界にグイグイと吸引されていました。 その結果、イケメンのドクターとの恋愛模様への憧れや願望よりも、本物の医師ではないが故の「人に寄り添う力」「聴く力」への期待の方が、私の中では大きな部分を占めました。ラストは違う形の方が良かったかな? | ||||
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サンデー毎日に2014年1月9日号から2015年3月1日号まで連載されていたものの単行本化です。 小池真理子さんは1952年生まれの多作の作家です。 1996年 直木賞 恋 から1998年 欲望 、2013年 沈黙の人 と良い作品もあるのですが、作品のレベルには少しばらつきがあると思っていました。 本作は、呻吟していた後、やっと目指すべきものにたどり着いた感があります。 時代背景を反映し、サスペンスとして成立し、女性特有の心の襞の描写、500ページの長編ですが、一気に読み終えました。 映画化されるでしょうが主人公は、誰のイメージかと推量し結論も出しましたが、当たるかどうか楽しみです。 | ||||
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読み始めたら止まらない。作者久々の長編小説です。 著者は年齢を重ねるごとに益々円熟味が増しています。 主人公の女性の心理が手に取るようにわかります。共感を覚えます。 風景描写も、人物描写も優れていて、風景が目に浮かんできます。 未読の方、お勧めです。★5では足りないくらい面白い小説です。 | ||||
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素晴らしいです! 平明で静謐で端正な文章で、先へ先へ読みたくなります。 秘密があり、謎があり、解がある。 そういう意味では、ミステリーですが、それ以上に、文学だと思いました。 とても読みごたえがありました。 「ものごとを読者に明かしていく順序」が絶妙。 タイトルと、 巻頭のエピグラフで、なにかモンローに関係ある小説らしい、という情報は ごく最初に(フェアに)呈示してあるけれど、 しばらくは、まったく全然モンローが出てこない。 鏡子さんも、およそモンロー的ではないし。 すっかり忘れていたころ、ぽっと出てきて、「なるほど!」と思いました。 ごはんのシーンも良いです。 自分のためにつくるごはんやお弁当と、 誰かといっしょに食べるごはん。 イケメンさんと恋に落ちるというあたりはとても願望充足的ですが、 じこちゅーに見えないのは、 はじめのころの鏡子さんが、あまりにも気の毒で、 自分だったらどうするだろうと考えずにいられなかったから でしょう。 「すごく泣ける」とか「残酷」とか、「驚天動地」とか ハデな売りのある作品がどうしても目立つ、指示される世の中ですが この、静かで、優しい作品を読むことを必要とするひとがきっといます。 読みながら、たぶん「そう、そうよね」とうなずくひとが ――鏡子さんとともに苦しみ、泣き、救われ、そして……なひとが ぜったいいるとおもう。 わたしも、「鏡子さんよりはましなほうだ」と思いながら、 何度も、何度も、がっかりしたりほっとしたりしました。 あまり若いひとむきというよりは、そうですね、50代以上むきかもしれません。 文学をお好きなご年配の女性がおそばにいらしたら (そういうかたはAmazonをあまり見ないかもしれないので) どうか「こんなのがあるみたいだよ」って教えてあげてくださいませ。 | ||||
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小池真理子さんといえば、三島由紀夫を敬愛する作家としても有名だ。傑作『欲望』はそんな彼女の代表作として評価が高い。12年前のサイン会で、恐れ多くも小池さん本人に「いつかまた『欲望』みたいな、三島由紀夫をモチーフにした小説を書いてください」と懇願したことがある。今回の作品の主人公の名前は鏡子。小池ファン、三島ファンならすぐにピンとくるはず。そう、三島の『鏡子の家』に関係しているのだ。そして作中のモンローが死んだ日は11月25日、三島の命日だ。タイトルの意味がわかるのは物語のラストに近いが、その瞬間、鳥肌が立つのを禁じ得なかった。さて、物語は55歳のニセ精神科医と59歳の未亡人・鏡子の静かな恋愛がベースになっているけれど、単なる熟年カップルのロマンスではなく、常に不穏な空気が流れる仕掛けがされており、深いミステリーの世界へと誘う。久しぶりに、ストーリーの展開が気になって、食事する時間も惜しいほどのめりこんだ。ゆったりとした感傷に浸れる読後感も最高。還暦を超え、ますます筆に勢いを増してきた小池さん。ファンはもちろん、著者の作品を一度も読んだことのない方にもオススメしたい、読書の醍醐味を堪能できる一冊だ。 | ||||
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