(短編集)

プラナリア



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    初公開日(参考)2000年09月
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    短編集

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    プラナリア (文春文庫)

    2005年09月10日 プラナリア (文春文庫)

    「何もかもが面倒くさかった。生きていること自体が面倒くさかったが、自分で死ぬのも面倒くさかった。だったら、もう病院なんか行かずに、がん再発で死ねばいいんじゃないかなとも思うが、正直言ってそれが一番恐かった。矛盾している。私は矛盾している自分に疲れ果てた。」(本文より)乳ガンの手術以来、25歳の春香は、周囲に気遣われても、ひたすらかったるい自分を持て余し……〈働かないこと〉をめぐる珠玉の5短篇。絶大な支持を得る山本文緒の、直木賞受賞作! (「BOOK」データベースより)




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    プラナリアの総合評価:7.71/10点レビュー 97件。Bランク


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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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    No.97:
    (4pt)

    こういう女性はめんどい?お尻がむず痒くなる感覚

    山本さんの作品は初めてでした。

    徹底して女性の話。男性からすると、いわゆる女性にありがちな面倒臭い・関わりたくない(!?)女性 with 独自のロジック、が表現されているように感じられました。

    ・・・
    本作は、表題作「プラナリア」をはじめ、短編の「ネイキッド」「どこかではないここ」「囚われ人のジレンマ」「あいあるあした」の計5作を所収。

    最後の「あいあるあした」を除き、主人公は女性。

    どの作品でも主人公は、全体的にニヒルで、流れに身を任せ、そんな自分に自己嫌悪しつつ、でも流れに逆らうこともせず、そんな宙ぶらりんな状況だけは冷静に明晰に把握している、そういう女性たちです。

    その最北は、表題作「プラナリア」の春香だと思います。25歳にして乳がんを患い、乳房を切除。幸い命はとりとめた模様も、乳がんになんかなったのは、肥満を許した両親のせいだとか当てつけてみたり、会社を辞めてプーのままだったり、せっかくバイトとして雇われた和菓子屋での仕事も無断欠勤の末辞めたり、やりたい放題。

    ・・・
    乳がんだって親が悪いわけでもなく、働かないといけない状況、というのも分からいでもない。でも作品の最後に語られる「うん、私、乳がんだから」というひとこと。ここが心を揺さぶります。

    乳がんがアイデンティティだという点が語られますが、そうした負のアイデンティティを引きずる様子に、いち読者として戸惑ってしまいます。そしてきっと周囲が戸惑うからこそ、こうした負のアイデンティティが負のアイデンティティとして成立するのでしょう。

    同じような状況は、浮気をされたいわゆる「サレ女」だったり、誤解を恐れずに言うと「ブラク」だったり、あるいは「(元)ヤクザ」だったりが考えられるかもしれません。

    一般に人が遭遇するとは思えない状況でカミングアウトする。素性を知る周囲が嫌がり、素性を知らない周囲が驚く、そこに話者の快感があるのかもしれません。空気が凍る瞬間。

    それは結構な歪みのようにも思えるものの、「自虐」のそこはかとない快感が分かるのであれば読者の中にも素質があるように思います。自分を貶め、相手が困る、それが気持ちいい。

    そして、そうした日の当たらない感情に光を当てたことは、文学作品としては新しかったのかもしれない、と考えました。分からんけど。

    ・・・
    あるいはこの「諦め」感が時代のエートスだったのかもしません。

    バブル崩壊後の日本。金融機関の破綻や、マイナス成長、高失業率など、個人の努力だけではどうしようもない世情。その中で浮遊するような生き方も、今から振り返れば「集団」の時代から「個」の時代への変遷の端緒であったのかもしれません。

    ・・・
    当表題作以外にも、なかなかに難しい女性が多数登場します。その心情の歪みに、尻のすわりの悪さというか、居心地の悪さを感じるのですが、そこもまた人間描写の鋭さといえるのかもしれません。

    ちなみに「あいあるあした」は読んでいてちょっとほっとする作品でした。

    ・・・
    ということで山本さんの直木賞受賞作品でした。

    実は上を書いたあとで、直木賞の選評というのを見てみました。11人の選考委員のうち、「あいあるあした」を直接言及されている方が2名もいらっしゃった。いや、実は私も居酒屋の主人のお話の方がしっくり来たんです笑 表題作のみならず、作品すべてを評価されるんですねえ。ちょっと驚き。

    こういうのを読んでいたら、ひとり直木賞選考みたいのをやってみたくなりました。ブックオフで選考作品を買いそろえ、一人で論評するとか。今年の連続休暇でやってみようかしらん。
    プラナリアAmazon書評・レビュー:プラナリアより
    4163196307
    No.96:
    (4pt)

    悶々とした日々から一歩前進するきっかけ

    過去や現在の人間関係に対してしこりや悶々としたものを抱えつつ、ある日を境に自分自身の方針に自身を持ち、壁を突破していく様を描いた短編集。
    誰しもが抱えうるもやもやを描いているものが多く、読後の爽快感が心地よい。
    プラナリアAmazon書評・レビュー:プラナリアより
    4163196307
    No.95:
    (4pt)

    リアルな人間というものはこうじゃないかな。

    小説にはハッピーエンドを迎えて「ああ、良かった」と思ったり、悲劇的結末に涙したりするタイプもあるけれど、本書に登場するヒロインはいずれもどこか屈折して、煮え切らず、鬱陶しく、読んでいて苛ついたりするし、読後感も爽やかとは言いがたい。けれど、リアルな人間というものはこうじゃないかなと思わせる筆力がすごい。中年男性を主人公にした最後の短編は、それに比べると話が「できすぎ」ている。
     著者は膵がんで亡くなったけれど、告知されたときに『プラナリア』の主人公をとっさに思い出したのだろうか。
    プラナリアAmazon書評・レビュー:プラナリアより
    4163196307
    No.94:
    (5pt)

    好きな小説。作者も。

    健康な人にはピンとこないだろう病人の気持ちがよくわかってる。
    唯一、2000年頃のせいか飲んだ後で車を運転している描写があるのが残念。
    プラナリアAmazon書評・レビュー:プラナリアより
    4163196307
    No.93:
    (3pt)

    自分もそうなりそうな話で怖い

    事情を抱えている無職のがテーマの短編集です。諦めや惰性で、状況を変えない、変えられない人々が描かれています。好転しない終わり方と、自分にも降り掛かりそうは話なのでちょっと怖い感じがします。
    プラナリアAmazon書評・レビュー:プラナリアより
    4163196307



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