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(短編集)
プラナリア
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プラナリアの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.86pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全97件 1~20 1/5ページ
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山本さんの作品は初めてでした。 徹底して女性の話。男性からすると、いわゆる女性にありがちな面倒臭い・関わりたくない(!?)女性 with 独自のロジック、が表現されているように感じられました。 ・・・ 本作は、表題作「プラナリア」をはじめ、短編の「ネイキッド」「どこかではないここ」「囚われ人のジレンマ」「あいあるあした」の計5作を所収。 最後の「あいあるあした」を除き、主人公は女性。 どの作品でも主人公は、全体的にニヒルで、流れに身を任せ、そんな自分に自己嫌悪しつつ、でも流れに逆らうこともせず、そんな宙ぶらりんな状況だけは冷静に明晰に把握している、そういう女性たちです。 その最北は、表題作「プラナリア」の春香だと思います。25歳にして乳がんを患い、乳房を切除。幸い命はとりとめた模様も、乳がんになんかなったのは、肥満を許した両親のせいだとか当てつけてみたり、会社を辞めてプーのままだったり、せっかくバイトとして雇われた和菓子屋での仕事も無断欠勤の末辞めたり、やりたい放題。 ・・・ 乳がんだって親が悪いわけでもなく、働かないといけない状況、というのも分からいでもない。でも作品の最後に語られる「うん、私、乳がんだから」というひとこと。ここが心を揺さぶります。 乳がんがアイデンティティだという点が語られますが、そうした負のアイデンティティを引きずる様子に、いち読者として戸惑ってしまいます。そしてきっと周囲が戸惑うからこそ、こうした負のアイデンティティが負のアイデンティティとして成立するのでしょう。 同じような状況は、浮気をされたいわゆる「サレ女」だったり、誤解を恐れずに言うと「ブラク」だったり、あるいは「(元)ヤクザ」だったりが考えられるかもしれません。 一般に人が遭遇するとは思えない状況でカミングアウトする。素性を知る周囲が嫌がり、素性を知らない周囲が驚く、そこに話者の快感があるのかもしれません。空気が凍る瞬間。 それは結構な歪みのようにも思えるものの、「自虐」のそこはかとない快感が分かるのであれば読者の中にも素質があるように思います。自分を貶め、相手が困る、それが気持ちいい。 そして、そうした日の当たらない感情に光を当てたことは、文学作品としては新しかったのかもしれない、と考えました。分からんけど。 ・・・ あるいはこの「諦め」感が時代のエートスだったのかもしません。 バブル崩壊後の日本。金融機関の破綻や、マイナス成長、高失業率など、個人の努力だけではどうしようもない世情。その中で浮遊するような生き方も、今から振り返れば「集団」の時代から「個」の時代への変遷の端緒であったのかもしれません。 ・・・ 当表題作以外にも、なかなかに難しい女性が多数登場します。その心情の歪みに、尻のすわりの悪さというか、居心地の悪さを感じるのですが、そこもまた人間描写の鋭さといえるのかもしれません。 ちなみに「あいあるあした」は読んでいてちょっとほっとする作品でした。 ・・・ ということで山本さんの直木賞受賞作品でした。 実は上を書いたあとで、直木賞の選評というのを見てみました。11人の選考委員のうち、「あいあるあした」を直接言及されている方が2名もいらっしゃった。いや、実は私も居酒屋の主人のお話の方がしっくり来たんです笑 表題作のみならず、作品すべてを評価されるんですねえ。ちょっと驚き。 こういうのを読んでいたら、ひとり直木賞選考みたいのをやってみたくなりました。ブックオフで選考作品を買いそろえ、一人で論評するとか。今年の連続休暇でやってみようかしらん。 | ||||
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過去や現在の人間関係に対してしこりや悶々としたものを抱えつつ、ある日を境に自分自身の方針に自身を持ち、壁を突破していく様を描いた短編集。 誰しもが抱えうるもやもやを描いているものが多く、読後の爽快感が心地よい。 | ||||
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小説にはハッピーエンドを迎えて「ああ、良かった」と思ったり、悲劇的結末に涙したりするタイプもあるけれど、本書に登場するヒロインはいずれもどこか屈折して、煮え切らず、鬱陶しく、読んでいて苛ついたりするし、読後感も爽やかとは言いがたい。けれど、リアルな人間というものはこうじゃないかなと思わせる筆力がすごい。中年男性を主人公にした最後の短編は、それに比べると話が「できすぎ」ている。 著者は膵がんで亡くなったけれど、告知されたときに『プラナリア』の主人公をとっさに思い出したのだろうか。 | ||||
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健康な人にはピンとこないだろう病人の気持ちがよくわかってる。 唯一、2000年頃のせいか飲んだ後で車を運転している描写があるのが残念。 | ||||
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事情を抱えている無職のがテーマの短編集です。諦めや惰性で、状況を変えない、変えられない人々が描かれています。好転しない終わり方と、自分にも降り掛かりそうは話なのでちょっと怖い感じがします。 | ||||
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それぞれに味があり、面白かった。その辺に落ちていそうな庶民的な人物にあぁ、この人こんな事話すだろうなとか 自分にもありうることが見えて、サラッと購読しました。 | ||||
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山本文緒ワールドは切なすぎます。 でも何故かハマってしまう。 前作読みたいです。 亡くなられたのが本当に残念です。 | ||||
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読みやすくあっという間に読めました。本筋とは違うのですが、「おばさん」という存在がおしゃべりでデリカシーがない噂好きな存在として描かれており、若い人にもそれぞれの人格と性格があるように、おばさんと呼ばれる存在にもそれぞれの人格があるはずなのになと、画一的な見方にひっかかってしまいました。若い時に読んだなら気にならなかったと思います。全体としてはプラナリアの存在が面白いと思いました。 | ||||
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5編の短編小説集。どの話の主人公も現代社会の中で、生きづらさを抱えている。5編に共通しているものは"働くこと"。自身の病気であったり、突然の解雇であったり、家計を助けることであったりと、様々な人間模様が描かれている。そこには、現代社会が抱えている漠然とした不安をベースに、それぞれの立場で主人公たちがもがきながらも、自分らしく生きて行こうとする姿がある。作者は、その一人一人の心模様を、繊細な筆で描いている。 それぞれの話はハッピーエンドや、明るい未来を見せないで終わるが、読み終えたあと、何かしら温かなものが心に染みている。そんな一冊である。 | ||||
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ウイットのきいた文章で良かったし、 当時の乳がんや病院の在り方など勉強になったけど、 やはり、乳がんだろうが無断欠勤は良くないです。 そういう感想しかもてなかった。若さゆえかもしれないが、読後感は良くなかった。 ただ、文章のリズムは良いと思います。膵臓がんで亡くなられました。 | ||||
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作品の終わりが、印象的でした。 | ||||
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何げなく読み始めたら、グイグイ引き込まれていって、最後まで一気に読みました。 皆さんにお勧めします。 | ||||
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囚われ人のジレンマの登場人物の描写がリアルで面白いです。 | ||||
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女性ならではの控えめさや甘え、かくあるべきという思い込みから逃れたときに、本当の自立があるのかと感じた。 他人の分の責任を負うことはできないし、負えると思うことが不遜なのかもしれないと思った。 | ||||
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プラナリア 露悪趣味の主人公 人付き合いにおいてダメな人だけど そうなるのが分かる気もした 彼氏も微妙ね | ||||
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ややこしい、面倒な女性に男の思い込みも見栄もKO.男の勝手読みを咎める女性の切り込みに言葉をなくす姿が痛快。 | ||||
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非常に面白く読みました。短編で直ぐ読み終わりましたが、もう少し続きを読んでみたいと感じました。 | ||||
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朝、NHKに山本文緒が出演していた。 直木賞作家なので興味深く代表作を読んで見た。 | ||||
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皆さん温かい気持ちになったとお書きですが、私は暗い気持ちになり、読後感としていまいちです。心理描写力は認めますが、 少し考えたらそんな事には陥らないようにきりぬけられるのに、悪い方へ悪い方へと進む主人公ばかりで、共感できません。 | ||||
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正直な真理描写に共感できる。 リズム感がある文章で読みやすい。 | ||||
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