冷い夏、熱い夏
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当時は、「癌=不治の病」のイメージが強かったからこのように当人に告知をしない風潮があったのだろうか。 しかし、病院は得てして卑屈になるものだろうし、周りの反応を見ていれば噓をついているかどうかなど簡単に知り得るだろうと思う。さらに、氏の弟は勘も鋭かったそうだし、自分は癌におかされていないと信じている病人を演じていたのだろう。当人にもこのような気を遣わせ、周りの人間もつらいし、死期を感じさせるからといって会わせたい人間も呼べない。当人に癌告知をしないなど、誰も得をしない。 当人の尊厳を守るため、病で変わり果てた姿は親しかった旧友すら見せるべきではないとか言いつつ、最後の最後まで身内ぐるみで嘘をつきとおすという極悪な仕打ち。言っていることとやっていることが真逆で、苛立った。自分がこの弟の立場だったら死んでも死にきれない。可哀相すぎる。 一作品としてはおもしろかった。 | ||||
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80年代の癌告知は一般的ではなかったとはいえやはり本人と家族たちにとっては酷で他に道はなかったのか思ってしまいます ただ読んでいる時はぐいぐいと引き込まれていき中断する事が難しかったです | ||||
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とても綺麗な状態でした | ||||
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良い本。 | ||||
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この作品の主たるは、作者の吉村氏が、実弟に癌告知をせず終始隠し通す点にある。 実弟がガンを患ったのは1980年初頭の時期で、この当時の感覚からすれば 今以上にガンは、致死率の高い恐るべき病という認識だったはず。 なので「がんを告知しない」という選択が、当時の世の風潮として今以上に ポピュラーだった記憶がある。 吉村氏は作中、兄弟とその家族、自身の家族、病院の医者に「実弟に癌であることを 隠してくれ」と口封じする。その為に吉村氏が日々苦心する様子で、実際に当人に ガンを隠し通すことが、いかに困難で、且つ覚悟と責任が必要であるかが判る。 これは吉村氏の実弟に対する深い愛情あってこそなのは勿論のこと、氏が過去に 取材をきっかけに知り合った医療関係者や、自身が過去大病で世話になった医師との 繋がりが有ったことも大きい。 つまり、普通の勤めの一般人では、中々こうはいかないだろうと読んでいて思った。 それにしても、悪化の一途を辿る病状であるにも関わらず、ガンであることをひたすら 伏せられている実弟が気の毒でならない。 作中の様子では、実弟は周囲の言動を信じずに、恐らく自分はガンだと確信していた ように見受けられるが、それを周囲に問い詰めたり、怒りをぶつけることは最後まで しなかった。兄の吉村氏と軽く口論になる程度である。実弟はガンを隠す兄や周囲の 想いをきっと酌んでいたのだろうと思うと、せつなくて胸が痛い。 自分なら、絶対におかしいと一度考えたら、そんな周囲に対してわきまえた態度を 維持することは出来ないと思う。きっと「こんな体になる病気は、ガンじゃなければ 一体何なんだよ!?」と言わずには居れないだろう。 また、がん専門病院の入院を断るなど、作中ではうそをつき通すがために正面切った癌治療を 一部避けた様子も伺える。実弟のガンが手術しても改善が見込めない程に悪質で絶望的だったから、 結果的にはその選択が悪く作用した可能性は極めて低かったと思われるが、しかし、当人にガンで あることを伏せた場合、必然的にこんな難しい選択を迫られることを考えると、隠すことには マイナス面が多い気がしてならない。 ただ、この作品の真価はガンを告知する・しないの善し悪しを検証する点ではなく、実際に 身内がガンに罹患したら・・・終始そう思いながら読むべき点にあると思う。 | ||||
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