破船
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「漂流」似たような内容かと思いきや、まったく違いました。 目線があきらかに異なりますので、「漂流」も併せて読まれることをお勧めします。 面白いという言葉で一括りに表現してしまうのがはばかられる吉村昭氏の小説。 しかし、この「破船」も非常に面白かった。 吉村氏の作品には通常、冒頭からにいつどこでという子細な記載があるが、本作にはそれが一切ない。 したがって、捉えようによってはまったくのフィクションということになるのだが、 時代背景の解像度がすさまじく高いため、まるで史実記録のようにせまってくる。 そして読み手を何度も裏切るジェットコースターのような展開。 毎度のことながら締め方も素晴らしい。 圧巻。ただただ圧巻です。 他にも書いている方があったが、全体のボリュームとしては自分もやや短く感じた。 とくに終盤。 もがさが流行りだしてから山に入るあたり。 ただ、あえて短く表現することでもがさのスピード感を感じられるし、 山に入ったあとの描写ももはや必要ない。 吉村氏の作品を何冊も拝読しているが、誰もが推測できることは描かないというのが彼のポリシーのように思える。 | ||||
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越境三部作に匹敵するとはいわないが(ボリュームもかなわないが)、方向性としてはコーマック・マッカーシーを彷彿とさせる。素晴らしい。 | ||||
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この小説には二つの山場があります。一つは,村人が待ち焦がれた「お船様」がやってきたときのこと。もう一つは「赤い服を着た人の船」がやってきたときのことです。ネットで調べてみると,江戸時代,実際に難破船の荷物を略奪することが日本中で行われていたことがあったと言うことが書かれています。初めて知りました。それに加えこの小説では,破船を迎えるように年中行事で祈祷の儀式を行ったり,船を導くために浜で火を焚いたりと計画的です。こういうところは吉村氏の創作でしょう。しかし,村人の企ては稚拙で天任せという状態です。お船様の史実に着目し,その当時の貧しく過酷な人々の生活の暮らしぶりを取材し,小説に仕立て上げた吉村氏の力量はたいしたものです。たとえこの話のほとんどがフィクションであったとしてもわたしたち読者は,何ら違和感なくノンフィクションとして読んでしまいます。今から40年ほどの前の作品ですが令和の時代に読んでも全く古くさく感じません。平易な文章で最後まで一気に読み終わりました。 | ||||
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良い | ||||
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極貧のある漁村には独自の慣習があった。嵐の日に火を焚いて沖をゆく船に人家の存在を知らせ、近寄った船を座礁させて、乗組員を殺戮し積荷を奪うというものだ。その村では「お船さま」と呼ばれ、半ば宗教的行事にすらなっていた。 ある年、今までにないほどの荷を積んだ船が座礁し村は数年楽に食わせるほどの金品米穀を分配できた。しかし、同じ時期に更に大きい規模の船が行方不明になっており、それを荷主たちが隣町まで調べに来ていた。村は恐慌状態になり、主人公も初めて自分たちの行為が罰せられ得る犯罪だと知る。 別な年には、赤い衣服を身につけた数人が米もなく死亡していた船がながれついた。そして… いきづまるストーリーと悲惨な村落の描写、それしてエンディング。傑作だと思う。 | ||||
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