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破船
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破船の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.71pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1~14 1/1ページ
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「漂流」似たような内容かと思いきや、まったく違いました。 目線があきらかに異なりますので、「漂流」も併せて読まれることをお勧めします。 面白いという言葉で一括りに表現してしまうのがはばかられる吉村昭氏の小説。 しかし、この「破船」も非常に面白かった。 吉村氏の作品には通常、冒頭からにいつどこでという子細な記載があるが、本作にはそれが一切ない。 したがって、捉えようによってはまったくのフィクションということになるのだが、 時代背景の解像度がすさまじく高いため、まるで史実記録のようにせまってくる。 そして読み手を何度も裏切るジェットコースターのような展開。 毎度のことながら締め方も素晴らしい。 圧巻。ただただ圧巻です。 他にも書いている方があったが、全体のボリュームとしては自分もやや短く感じた。 とくに終盤。 もがさが流行りだしてから山に入るあたり。 ただ、あえて短く表現することでもがさのスピード感を感じられるし、 山に入ったあとの描写ももはや必要ない。 吉村氏の作品を何冊も拝読しているが、誰もが推測できることは描かないというのが彼のポリシーのように思える。 | ||||
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越境三部作に匹敵するとはいわないが(ボリュームもかなわないが)、方向性としてはコーマック・マッカーシーを彷彿とさせる。素晴らしい。 | ||||
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この小説には二つの山場があります。一つは,村人が待ち焦がれた「お船様」がやってきたときのこと。もう一つは「赤い服を着た人の船」がやってきたときのことです。ネットで調べてみると,江戸時代,実際に難破船の荷物を略奪することが日本中で行われていたことがあったと言うことが書かれています。初めて知りました。それに加えこの小説では,破船を迎えるように年中行事で祈祷の儀式を行ったり,船を導くために浜で火を焚いたりと計画的です。こういうところは吉村氏の創作でしょう。しかし,村人の企ては稚拙で天任せという状態です。お船様の史実に着目し,その当時の貧しく過酷な人々の生活の暮らしぶりを取材し,小説に仕立て上げた吉村氏の力量はたいしたものです。たとえこの話のほとんどがフィクションであったとしてもわたしたち読者は,何ら違和感なくノンフィクションとして読んでしまいます。今から40年ほどの前の作品ですが令和の時代に読んでも全く古くさく感じません。平易な文章で最後まで一気に読み終わりました。 | ||||
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良い | ||||
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極貧のある漁村には独自の慣習があった。嵐の日に火を焚いて沖をゆく船に人家の存在を知らせ、近寄った船を座礁させて、乗組員を殺戮し積荷を奪うというものだ。その村では「お船さま」と呼ばれ、半ば宗教的行事にすらなっていた。 ある年、今までにないほどの荷を積んだ船が座礁し村は数年楽に食わせるほどの金品米穀を分配できた。しかし、同じ時期に更に大きい規模の船が行方不明になっており、それを荷主たちが隣町まで調べに来ていた。村は恐慌状態になり、主人公も初めて自分たちの行為が罰せられ得る犯罪だと知る。 別な年には、赤い衣服を身につけた数人が米もなく死亡していた船がながれついた。そして… いきづまるストーリーと悲惨な村落の描写、それしてエンディング。傑作だと思う。 | ||||
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帯に「なぜ今まで映画化されてこなかったのか」といったコメントがあったのですが「出来るかい!」とツッコみたくなる程、映画化したらトラウマ映画になること必至な作品。お母さんが一番気の毒かな〜。 | ||||
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怖いこわい(◎-◎;) | ||||
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窮乏のどん底に突き落とされた村人が、生きることに一縷の望みを託す、禍々しくも恭しい儀式。 生殺与奪の権を握られている彼らに、現代人が容易に享受できる生存権すら許されず、溜飲を下げることができない勧善懲悪がやるせない。 生の連続性の儚さが通奏低音として奏でられる本書は、一読の価値ありと言えよう。 | ||||
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読みやすい。 | ||||
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短い話ですが季節を感じられ、情景描写が素晴らしい小説でした。 | ||||
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今まで吉村氏の小説は戦記物ぐらいに考えており、あまり読んでいなかったが、漂流、破船、破獄、雪の花、戦艦武蔵と続けて読んだ。 共通して言えるのは物語、記録小説?に執着、執念が一環として貫ぬかれているように思えた。執着、執念の原因がどこからきて何に対してのはそれぞれ異なるが、ある目的を達成するために、そのことに執着し、執念を持って臨んでいるように思えます。 本の出来不出来、面白さなどを超えている。しかし、記録については書かれていることが事実か否かについてはそれぞれの歴史を詳しく知らないので何とも言えないが、事細かに調べてあり、、その所にも同氏の執着とそれに対する執念を感じる。 その執着、執念に敬意を払います。尚、破船は記録ものではないようだ。 | ||||
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昔の漁村ではあったんではなかろうかというほど現実的な話。 仕事がら田舎の漁村へ行くことが多いが、閉鎖的で外部を遮断し、親族で村が成り立っている空気は今もある。そう思うと、すごくリアルに感じる物語。 | ||||
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昔の日本での生活は大変だなと思いつつ読んでました。そして、恵のお舟様がくるんですが、実態は難破船を意図的に誘導し、水夫を殺し、物資を奪い取るという犯罪でした。これは単純に悪いことですが、生きるためにやむを得ないのか、その判断は人それぞれでしょう。 私はここまで読んで、後半は犯罪が露見し、処罰され、後悔するというストーリーが漠然と見え、ちょっと冷めたのですが、著者はそれを上回る展開を用意してくれました。「一寸先は闇、幸運と不運は紙一重」だなと思いました。 最後に印象的だったのが、山入りの際に母が穏やかな様子をみせたことです。これはすべての事柄から解放される安堵感みたいなものがあったからでしょうか?死んだ子供や、夫への贖罪だけでなく、生きるというとても厳しく、つらいことからの解放も含まれていると感じました。 | ||||
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ちょっと、話が短いか | ||||
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