高熱隧道
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黒部第三ダムの建設にまつわる事故に次ぐ事故の記録小説である。 吉村作品は「零式戦闘機」以来、何十年ぶりか。 本書を手に取ったきっかけはきわめて俗物的なもの。NHK「ブラタモリ」で本書タイトルでもある「高熱隧道」を通っての取材を行っており、さらには同じルートを(能登半島地震の影響でいまだ開通していないが)一般観光客も立ち入ることができるようになる、との報道に接したから。なんのことはない、単なる物見遊山の予習のつもりだったのだ。だいたいのあらすじもなんとなく知っているつもりで、ごく気軽に読み始めた。 ・・・のであるが、読み終えてこれほど重い気分になった読書体験も久しぶり。とくに個人的に一番こたえたのは、 ①研究者が調査、分析をもとに知見を示し、 ②それを拠り所に、工学技術者(エンジニア)が実地の設計、作業手段、工程に落とし、 ③そしてそれのみを拠り所に、現場の人間が実際に動く、 という今も我々がやっている方法論というものは、上流でミスると下まできた時とんでもないしわ寄せを生じるのだ、という当たり前の事実を改めて突きつけられた点。 加えて、描かれている時代の土木工事においては、そのしわ寄せは現場作業者の生命に直結してしまう。もう少し後に建設された黒部第四ダム(念のため、本書は第三ダムの話)でも、なんだか超成功したプロジェクトみたいに語られるけど、殉職171名なのであります。 工業製品と土木工事とでは同じには語れないのかもですが、いち工業エンジニアとして今更ながら身が引き締まる思いを持った、という次第です。 | ||||
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黒部第三ダム建設に至るまでの, 資材運搬トンネル建設のお話 圧巻の内容で,始めから終わりまで, ずっと面白かった。 高温水,豪雪,雪崩,未踏のルート 自然が作り出す恐怖に挑戦する技術者 専門家より現場の工夫を重ねる実務者集団 極限状態での人間の心理,行動 使用する側とされる側の奥底に潜む葛藤 吉村さんの臨場感溢れる表現と共に, かなり印象に残る作品だった | ||||
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派遣労働者の自分は、能面のように誰とも口もきかず無表情で働いていますが、上の人は、こんなことを考えてたんだなと、体がどうにかなりそうでした。それが自分だったとしても、仕方がないのでしょう。 | ||||
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壮絶な黒三ダムもの語りを知っている日本人は少ないでしょうね。吉村さんの創作とは言いながら、かなり史実を反映したものだと思いますよね。時あたかも日華事変でしたかな、オーバーラップするんですけれども、どんな戦争よりもこの隧道の戦いは凄まじいです。どのような気持ちで160度を超える過酷な状況、熱地獄を耐えたのか❓まさに言葉に表すことができない感情が湧いてきました。読むべき、あるいは知っておくべき貴重な1冊だと思います。 | ||||
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国家の急速な発展段階ではどこでも発生していただろう、止めようのない社会の流れのなかに翻弄される現場における不条理、矛盾、技術者の狂気と紙一重の情熱、劣悪な労働者環境、搾取、鬱屈した思いが救いのない状況として延々と描かれています。 第二次世界大戦に向かいつつある中で行われた黒四ではなく黒3ダムの誕生秘話。 こんな凄絶な話、知りませんでした。 圧巻です。 吉村昭ワールド全開です 読んでいて暗鬱な気分になるのに、娯楽的要素がゼロなのに、読むのを止めることができない。 爆発寸前の作業員の怨念がヒタヒタと迫り来ることを暗示しながら物語は締め括られます。 軽い気持ちで勧められる小説ではありませんが、私は読んで良かったと思いました。 | ||||
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