戦艦武蔵
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戦艦大和は映画やアニメにもなりとても有名である一方、武蔵の知名度はそこまで高くない。 しかし大和と同型の戦艦で、日本の国運をになった戦艦であることは間違いないと思う。 極秘で進められた建造作業であったが、ここまで大きな戦艦は未だかつて世界的にも作られたことがなく、全て手探り状態。しかも極秘であるため目隠しをしながらの作業となったようだ。 当時の日本の造船技術は世界でも類稀なものだったんだと感じた。完成した後も問題はあり、この大きな艦をどうやって進水させるかという問題もつきまとったようだ。資材と人員を注ぎ込んだ艦を傷つけることは絶対に許されないのだ。 そして武蔵は無事完成し、戦線に飛び出していく。ここからは皆さんご存知のように結果的に大した戦果も残せず、米軍機の猛攻により沈没。 しかしその裏には兵士たちの壮絶な戦いが描かれている。特に猪口艦長の奮闘や部下たちを思いやる気持ちには目頭が熱くなった。大した戦果も残せなかったが、本当によく頑張ったんだと思う。多数が戦死し、その霊を慰めるため、そして敗戦した艦長としての責任を取り猪口艦長は武蔵と運命を共にする。 終戦から20年以上経ってこの本が書かれたようだが、当時の長崎造船所の近くに住む市民に取材をしても頑なに話をしようとしない。 当時から武蔵は極秘であり、棕櫚などで覆い隠されていた。造船所を眺めたりするだけで憲兵に逮捕されるのだ。 日本海軍が作り出した戦艦武蔵という怪物は、終戦後、数十年経っても市民の心に重くのしかかっている。 | ||||
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進水式に、長崎市内に特高警察が張り付くほど秘匿された秘密兵器、戦艦武蔵! その計画から壮絶な最期まで、関係者の皆様の証言を集めた珠玉のドキュメント作品です! 武蔵が沈む時は大日本帝国が沈む時。乗組員がそう確信していた程、神秘的な力を持っていた船。その事実が、自分の生まれるわずか11〜12年前の出来事だった事に感慨無量でした。 また著者の執念にも敬服すると共に、ごく最近の版で敵機の魚雷投下高度が訂正されたと言う話にも驚きです。但し何故かこの電子版ではそれが反映されておらず、何の為の電子版かとkindle を叱責したく思いました! せめて著者くらいの仕事しろkindle! | ||||
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特にない | ||||
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戦艦は,大和が一番大きくて,その次は何?というぐらい艦船についてはほとんど知識がなかったです。大和と武蔵が同スペックの戦艦というのを初めて知りました。しかしながら大和の方が圧倒的に知名度が高いです。「やまと」というネーミングのせいでしょうか。「宇宙戦艦ヤマト」の影響も大きいですね。 この小説は取材,聞き取りを重ねて,武蔵が完成するまでの経過が事細かく描かれています。難しい造船技術(用語)がふんだんに出てきます。わたしはKindleで読みましたが,難語句は,その場ですぐに検索して調べられますので,その点電子書籍は便利です。いろいろ策を講じて極秘に建造が進められたことにも驚かされました。ところで武蔵で検索すると,2015年3月,アメリカの探索チームがフィリピン中部のシブヤン海底で武蔵の残骸を発見したというニュースが出てきました。これをNHKが「戦艦武蔵の最期 ~映像解析 知られざる“真実”~」というタイトルで放送して,それをYouTubeで今でも視聴できます。海底に沈んだ武蔵は海底にバラバラに散らばっていたことが映像で分かります。研究者たちは,なぜ沈没後バラバラになったのかと海底の映像を見ながら議論します。結果,戦闘で主砲を打つ機会がほとんどなかった武蔵が搭載していた火薬が沈没とともに爆発したのだろうと話し合っています。なるほどね。小説ではどう描かれているかというと「突然海中 で 大 爆発 音 が 起っ た。 人々 の 体 は 海水 とともに 夕闇 の 空 高く はね上げ られ た。 海底 深く 一面 に 鮮烈 な 朱色 の 光 が ひろがっ た。 ボイラー 室 に 海水 が 流れ こん で 爆発 し た のか・・・・・」と吉村氏は書いています。とても興味深いです。さらに,YouTubeでは猪口館長の遺書も実物が映像で出てきます。ここは小説の記述とぴたり一致しています。吉村氏がこの動画を見たらいったいどんな感想を持たれたでしょうか。吉村氏は,小説の中で日本の戦争責任を追及したり,我が国はどうすればよかったのかなどの見解は一切書いていません。ただただ,武蔵という戦艦の誕生から滅亡までを粛々と書き上げています。全編読み終えてわたしは,吉村氏にとって書くべきものは大和ではなく「武蔵」でなければならなかった訳が分かったような機がしました。 | ||||
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戦争小説をほとんど読まない私が何故にここまで惹き付けられたのかがわからない。 とにかく明確な主人公すら出てこない群像劇に魅了されて一気に読了した。 ホウキの素材である棕櫚(シュロ)が九州一帯から消えるところから物語がはじまる。 それは建造中の戦艦を長崎の人々から隠す為の巨大な囲いに必要な素材であった。 当時、世界最高といわれる技術が戦艦に用いられた。 日本人ならではの発想の転換、勤勉さ、粘り強さ。 それらが、あらゆる面で巨大な戦艦製作において直面する無理難題やトラブルを解決していく。 建造中にも刻一刻と戦況が変わり、 日本が米国に追い込まれることで戦艦への期待が否応なしに高まっていく。 武蔵に取り付ける世界最大の主砲は軍事機密であった為、 設計図1枚が造船所からなるなるだけで、所内では大慌てで取り調べが行われ、 数人が監禁、軍幹部が来て取り調べが行われるなど、緊迫した状態のなかで建造は進められる。 それらを乗り越えて戦艦武蔵が出港するくだりには清々しい感動がある。 後書きの言葉をそのまま引用すると、 「戦艦武蔵は極端な言い方をすれば、一つの巨大な軍艦をめぐる日本人の集団自殺の物語ある」 とある。 戦争も終盤になって出番のなかった武蔵は、 特段成果も上げられぬまま、レイテ島沖のシブヤン海へ沈む。 小説は、その最後の戦いと沈むゆくまでを克明に描く。 武蔵は対戦艦用として作られたが、時代はすでに戦闘機になっており、 史上最も遠距離を飛ぶ主砲は効果的な攻撃もできないまま、 武蔵はまるで巨大な鯨が海洋を逃げるように、 ただの大きな標的となって米軍の戦闘機攻撃によって沈む。 戦死していく人々のあっけなさ、虚しさ、 最後まで武蔵を盲目的に信じている軍人達の姿。 戦争とはなんたるかが感じられて大変恐ろしくなった。 同時に不思議と知的好奇心を興奮させてくれる一冊だった。 | ||||
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