人間の十字架
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全体でメッセージ性がある作品は、とても私好みなのもあり、まずドラマを見てしばらく余韻が残りました‥‥ サスペンスとしての設定、描写の面白さはもちろんあるのですが、人の十字架という伏線をつなげて儚くもシビアに刺さってきました。 私はこのサスペンスは、小手先の描き方というわけではなく、純粋性があることがここまで記憶に残るんだと思います。 とっさの時の人間性や出会い、また人間社会で偶然が重なることも、身をもって痛感しています。 本を読んで、自分の人生と照らし合わせられ、主人公同様に新たな出発ができる自分がいました。。 ただ個人的に一つマイナス点は、昔の本ゆえに一人っ子への見方がありきたりで、ドラマとは違い残念⤵ それ以外は期待通りの、複雑かつストレートな出来上がりだと思いました。(^'^) | ||||
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息子の母親に対する暴力が激しい。このままでは妻が殺されてしまう。町野は息子を殺さなければならないと思った。息子を殺す方法として考えたのは交通事故を装った殺人である。 だが、その計画を実行しようとした矢先、息子は、他の何者かによって轢き逃げされ死亡してしまう。町野が計画した息子殺しを他の誰かが実行してくれたのである。だが、悪い事に妻までショックで半狂乱になり首を吊って自殺してしまった。自分が実行こそしなかったが町野の責任も同じ事である。息子ばかりか妻まで殺してしまった。妻を守るため息子を殺そうとしたが、その結果妻まで殺す事になるとは想像していなかった。こうして町野は重い十字架を背負う事になる。 事故現場を捜査中に発見された民芸品がこの物語にキーになる。かつて家族旅行で飛騨高山を訪れた時に息子に買った民芸品だった。息子は旅行の思い出として、その民芸品を大切に持っていたのだった。とうに捨ててしまったと思っていた民芸品を息子が今でも大事に持っていた事を知り町野は懺悔に堪えなかった。後悔先に立たず痛々しい。 町野は過去の家族が幸せだった頃の旅行を思い出し飛騨高山を再訪する。この過程はトラベルガイドを読んでいる様な感じにさえさてくれる。風景描写や風の爽やかさが書面から伝わる。そればかりか、地元村人の夕餉の匂いまで感じるほどの巧みな筆致は素晴らしい。 そして、町野は飛騨高山で命を捨てに来た若く美しい女性を救う。彼女も同じような十字架を背負っていた。息子と妻の死に苦悩を抱いていた町野であったが、この女性との出会いが町野から十字架を下ろしてくれた。最後はほろっとさせてくれる。感動的なラストシーンだ! | ||||
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親の財産で遊んで暮らしている。同年の若者が欲しがる物は黙っていても手に入る。大矢にとって人生とは暇つぶしなのだ。何をして暇を潰すかが悩みだった。そして、大矢が興味を抱いた最高の暇つぶしが人殺しである。こればかりは、金で買う事が出来ることではない。 一方、銀座に画廊を開き日本画壇に隠然たる力を持つ日本有数の画商の娘、美奈子も金には不自由していない。だが、人が自分と同じ物を持っていると我慢出来なかった。常に自分は特別だと思っている。服はオートクチュールし、香水は調香師にオリジナルを作らせるほどのこだわりがあった。だが稀に、美奈子と同じものを所有している女を見つけると、堪えきれない殺意の焔が燃え上がり消す事が出来なくなってしまう。こんな危険な女になっていた。 この二人の縁談を決めたのが財界総理と言われる元経団連会長の鶴岡銀治郎であった。こうして、普通では考えられない要因に殺人の動機を持つ危険な者同士の新婚生活が始まるのである。 おそらく森村氏にとってとても忌み嫌う人種であろう。結局この夫婦は猟奇的な殺人魔となり奈落へ落ちる。読者にとっては、溜飲が下がる思いだ。ラストでお馴染みの牛尾刑事が「二人は異端の世界から一時この世に滞在を許された異端者だ」と言っているのが当を得ている。これが、本書のタイトルの意味でなのである。 | ||||
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親の財産で遊んで暮らしている。同年の若者が欲しがる物は黙っていても手に入る。大矢にとって人生とは暇つぶしなのだ。何をして暇を潰すかが悩みだった。そして、大矢が興味を抱いた最高の暇つぶしが人殺しである。こればかりは、金で買う事が出来ることではない。 一方、銀座に画廊を開き日本画壇に隠然たる力を持つ日本有数の画商の娘、美奈子も金には不自由していない。だが、人が自分と同じ物を持っていると我慢出来なかった。常に自分は特別だと思っている。服はオートクチュールし、香水は調香師にオリジナルを作らせるほどのこだわりがあった。だが稀に、美奈子と同じものを所有している女を見つけると、堪えきれない殺意の焔が燃え上がり消す事が出来なくなってしまう。こんな危険な女になっていた。 この二人の縁談を決めたのが財界総理と言われる元経団連会長の鶴岡銀治郎であった。こうして、普通では考えられない要因に殺人の動機を持つ危険な者同士の新婚生活が始まるのである。 おそらく森村氏にとってとても忌み嫌う人種であろう。結局この夫婦は猟奇的な殺人魔となり奈落へ落ちる。読者にとっては、溜飲が下がる思いだ。ラストでお馴染みの牛尾刑事が「二人は異端の世界から一時この世に滞在を許された異端者だ」と言っているのが当を得ている。これが、本書のタイトルの意味でなのである。 | ||||
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親の財産で遊んで暮らしている。同年の若者が欲しがる物は黙っていても手に入る。大矢にとって人生とは暇つぶしなのだ。何をして暇を潰すかが悩みだった。そして、大矢が興味を抱いた最高の暇つぶしが人殺しである。こればかりは、金で買う事が出来ることではない。 一方、銀座に画廊を開き日本画壇に隠然たる力を持つ日本有数の画商の娘、美奈子も金には不自由していない。だが、人が自分と同じ物を持っていると我慢出来なかった。常に自分は特別だと思っている。服はオートクチュールし、香水は調香師にオリジナルを作らせるほどのこだわりがあった。だが稀に、美奈子と同じものを所有している女を見つけると、堪えきれない殺意の焔が燃え上がり消す事が出来なくなってしまう。こんな危険な女になっていた。 この二人の縁談を決めたのが財界総理と言われる元経団連会長の鶴岡銀治郎であった。こうして、普通では考えられない要因に殺人の動機を持つ危険な者同士の新婚生活が始まるのである。 おそらく森村氏にとってとても忌み嫌う人種であろう。結局この夫婦は猟奇的な殺人魔となり奈落へ落ちる。読者にとっては、溜飲が下がる思いだ。ラストでお馴染みの牛尾刑事が「二人は異端の世界から一時この世に滞在を許された異端者だ」と言っているのが当を得ている。これが、本書のタイトルの意味でなのである。 | ||||
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