異郷の帆
- 幕末 (129)
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先日放送した永瀬廉さん主演のNHK BSドラマ「わげもん」を見て通詞に興味を持ち、若い通詞・浦が主人公の本作を読んだ。 「わげもん」はペリー来航前の幕末の長崎・出島が舞台。本作は元禄年間(1688年〜1704年)なので約150年以上前に遡る。 本作はフィクションではあるが、江戸幕府が磐石だった頃でも、出島は一種権力の空白地帯。「出島行」と呼ばれる専属の遊女達がいて、オランダ商館に出入りして、その間に生まれた者達もいる。そして役人の目を上手くかわしてして抜荷(密輸)で私服を肥やす者達がいる。 そこに通詞がどう絡んでいたのか、史実はわからない。 ともあれ、本作の浦は自ら度胸がないといって儲け話には一切耳を傾けない。また通詞をスタート地点としてブラッシュアップして(例えば医師になる等)立身出世しようという気概もない。 しかし、異国への憧れは人一倍あり、外の世界をこの目で見てみたいという願望がある。 そんな彼が想う相手はオランダ人の血を引く娘・幸であり、キリスト教への信仰を捨て日本に帰化した元ポルトガル人僧侶の同僚に対しても嫌悪感を抱きつつも対等に接している。 そんな彼がオランダ商館で起きた殺人事件に遭遇。そして起こった第二の事件。お幸に容疑が掛かったため、図らずも犯人探しに巻き込まれていく。 時代を考えるといくら出島でもここまでの自由が許されたのか甚だ疑問であるが、この出島が一種の密室となっていてミステリとしては大変面白かった。 | ||||
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思春期の少女の恋愛の葛藤を巧妙な叙述技巧で描き、読者に驚くべき罠を仕掛けた心理ミステリ、乱歩賞作品屈指の傑作「濡れた心」(1958年) 出島を舞台にした巧妙なフーダニットにして、鎖国と身分制という究極の閉塞状況から脱出する主人公を描いた爽快な時代青春小説の名作「異郷の帆」(1961年) 多岐川恭を代表する必読の二大長編を収録。 他にも風変わりで知的な犯罪小説『氷柱』(1958年)、フランスミステリ風にエレガントで残酷な味わいの『お茶とプール』(1961年)、異様な犯人当て小説『変人島風物誌』(1961年)など傑作揃いの多岐川恭作品は更に再評価されるべきだ。 | ||||
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もともと1961年に新潮社から出たもの。 江戸後期の出島を舞台とした長編推理小説である。 出島で起こる連続殺人事件なのだが、同時に主人公である若き通詞の青春小説ともなっており、爽やかでかつ苦みの残る結末など、いま読んでもまったく古くない。 トリックはまあアレなものなのだが、出島という空間を巧みに使っており、実に鮮やかであった。 | ||||
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出島、と言う閉ざされた場所を舞台に起こる 奇怪過ぎる殺人事件がメインなので ミステリーも要素にプラスされています。 このような時代小説と言いますと 女の嫉妬、なんていう作品も見受けられますが これはまったく別で「男のいがみ合い」というものがあります。 そう、出島には数少ない「華」とも言える女性が この作品には出てくるのです。 その女性に狂わされる男の なんと多いことか… もちろん主人公の浦もその一人なのではありますが… トリックはこの時代の割には かなりすごいことをやってのけています。 きちんと嫌疑がかからないような 手法もとられていますしね。 ただし、若干読者の望む 結末とは違うかもしれませんので それだけはご注意を。 時代小説とミステリーが 程よいバランスなので読みやすかったです。 | ||||
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