かくも水深き不在
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初版刊行(参考)
種別
短編集
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あらすじ
評判
かくも水深き不在の評価:
0.00/10点 レビュー 0件。 C ランク
かくも水深き不在の総合評価:
7.20/10点 レビュー 5件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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詩的で哲学的で意味不明なタイトル。
思わせぶりに謎めいたその語彙のひびきが心地よく、思わず購入。
『鬼ごっこ』…閉ざされた森の洋館で、仲間が次々に鬼へと変化するホラー。
『怖い映像』…恐怖を喚起する映像から、失われた記憶をたぐる心理サスペンス。
『花の軛』…交際相手の背後に見たストーカーの影が惨劇をよぶサイコスリラー。
『零点透視の誘拐』…有名タレントの愛娘誘拐をめぐる誘拐ミステリ。
趣向を異にした四つの短編は、いずれもサスペンスに富み、一気に読ませる面白さがある。同時に、全話に共通して登場する精神科医の存在によって、最後に一つの物語へと組み立てられ、長編として読了することも出来る構成となっている。
竹本健治氏の代表作といえば、匣の中の匣…無限の入れ子のからくり『匣の中の失楽』や、自らの尾を呑みこんでめぐる永劫回帰『ウロボロスの偽書』―。いずれもミステリのスタイルを取りながら、そこに描かれるのは、解決も結末も不確定性の彼方に彷徨する無限の迷宮。『匣の―』や『ウロボロス―』ほどの大作感はないが、四つの短編を結んで立ち現れる本作のストーリーも、同様の迷宮へと流れ落ちる。
深い心の闇。意識の底に横たわる無意識の深層。
そこに刻印された記憶や認識は、夢か現実か、虚構か真実か…。
精神の水底にかいま見えた存在という不在―。
危険な虚無の薫りを漂わせるそんな幻惑が、しばし心地よい酩酊もあたえてくれる佳品である。