(短編集)
かくも水深き不在
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同著者の『腐食の惑星』が面白かった為購入。 全五話の短編集と見せかけて最終話で繋がる流れ。4人の主人公それぞれに別々の物語があり、一見無関係のようで実は関係している…というのは誰にでも想像がつくけれど、それでも最終話の締め括りは予想外の形だった。よくあるどんでん返しとか、衝撃のラストとはまた違う。 読み切ってみるとタイトルに納得。しっくり来ない終わり方なので、白黒はっきりした結末が好きな人だと合わないかも? | ||||
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『かくも水深き不在』―。 詩的で哲学的で意味不明なタイトル。 思わせぶりに謎めいたその語彙のひびきが心地よく、思わず購入。 『鬼ごっこ』閉ざされた森の洋館で、仲間が次々に鬼へと変化するホラー。 『怖い映像』恐怖を喚起する映像から、失われた記憶をたぐる心理サスペンス。 『花の軛』交際相手の背後に見たストーカーの影が惨劇をよぶサイコスリラー。 『零点透視の誘拐』有名タレントの愛娘誘拐をめぐる誘拐ミステリ。 趣向を異にした四つの短編は、いずれもサスペンスに富み、一気に読ませる面白さがある。同時に、全話に共通して登場する精神科医の存在によって、最後に一つの物語へと組み立てられ、長編として読了することも出来る構成となっている。 竹本健治氏の代表作といえば、無限の入れ子のからくり『匣の中の失楽』や、自らの尾を呑みこんでめぐる永劫回帰『ウロボロスの偽書』―。いずれもミステリのスタイルを取りながら、そこに描かれるのは、解決も結末も不確定性の彼方に彷徨するばかりの終わりなき迷宮。『匣の―』や『ウロボロス―』ほどの大作感はないが、四つの短編を結んで立ち現れた本作のストーリーも、同様の迷宮へと流れ落ちる。 深い心の闇。意識の底に横たわる無意識の深層。 そこに刻印された記憶や認識は、夢か現実か、虚構か真実か…。 精神の水底にかいま見えた存在という名の不在―。 危険な虚無の薫りを漂わせるそんな幻惑が、しばし心地よい酩酊もあたえてくれる佳品である。 | ||||
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竹本健治の小説はいつも一筋縄ではいかない。大学在学中に書かれた伝説的怪作『匣の中の失楽』からしてそうなのだから、推して知るべし。 この短編集は、探偵役を務める精神科医が受診した人からの聴き取った話、という体裁の(ネット)雑誌に発表された短編4編+書下ろし1編で構成された単行本の文庫化。 先行して発表された短編4編は竹本健治らしくいろいろな手法を駆使したもので、幻想的なもの、細かい事柄を積み上げる本格推理、突然立場が入れ替わるもの、などなど…なのだが、探偵役が共通であること以外、独立した短編として読んでいたところ… 書下ろし1編の破壊力の凄まじさ! この唖然さを愉しめないのは不幸なことだと、思ってしまう。 | ||||
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収録順に4本の短編を読み進めていくと、しだいに作品内世界の壊れかたが大きくなっていく。 そして最後の1編。謎は解かれるのではなく、一気に世界が壊れ、虚無となる。 この作者に、一般的なミステリを求めるほうが間違いなのかも知れない。 しかし、この結末では、作者の寝言に付き合わされているのと同じではなかろうか? 読み終えた自分に向かって「おめでとう」と言うしかないな・・・ | ||||
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『かくも水深き不在』―。 詩的で哲学的で意味不明なタイトル。 思わせぶりに謎めいたその語彙のひびきが心地よく、思わず購入。 『鬼ごっこ』…閉ざされた森の洋館で、仲間が次々に鬼へと変化するホラー。 『怖い映像』…恐怖を喚起する映像から、失われた記憶をたぐる心理サスペンス。 『花の軛』…交際相手の背後に見たストーカーの影が惨劇をよぶサイコスリラー。 『零点透視の誘拐』…有名タレントの愛娘誘拐をめぐる誘拐ミステリ。 趣向を異にした四つの短編は、いずれもサスペンスに富み、一気に読ませる面白さがある。同時に、全話に共通して登場する精神科医の存在によって、最後に一つの物語へと組み立てられ、長編として読了することも出来る構成となっている。 竹本健治氏の代表作といえば、匣の中の匣…無限の入れ子のからくり『匣の中の失楽』や、自らの尾を呑みこんでめぐる永劫回帰『ウロボロスの偽書』―。いずれもミステリのスタイルを取りながら、そこに描かれるのは、解決も結末も不確定性の彼方に彷徨する無限の迷宮。『匣の―』や『ウロボロス―』ほどの大作感はないが、四つの短編を結んで立ち現れる本作のストーリーも、同様の迷宮へと流れ落ちる。 深い心の闇。意識の底に横たわる無意識の深層。 そこに刻印された記憶や認識は、夢か現実か、虚構か真実か…。 精神の水底にかいま見えた存在という不在―。 危険な虚無の薫りを漂わせるそんな幻惑が、しばし心地よい酩酊もあたえてくれる佳品である。 | ||||
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