都市の遺言



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初公開日(参考)1990年06月
分類

長編小説

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都市の遺言(いごん) (新潮文庫)

1992年12月31日 都市の遺言(いごん) (新潮文庫)

深夜、同じ番号にかかった電話が、偶然全てつながった。複数の会話が可能なことに気づいた5人の若者は、以来「混線クラブ」と称し、声だけの交遊を続けてきた。そのメンバー、新野とみゆきが次々に死体で発見された時、残された3人は初めて顔を合わせ、調査に乗り出した。そして新野の同性愛、みゆきの売春などの秘密を知るのだが…。孤絶した都会人の歪んだ病巣を描くミステリー。 (「BOOK」データベースより)




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No.2:
(5pt)

電話回線を通じて知り合った男女5人の若者達の物語である。

現在(2018年)では、このシステムは既に廃止されている。本書で取り上げられたシステムは、NTTの伝言ダイヤルと言うサービスである。現在はNTTのサービスで緊急時の災害用伝言ダイヤルがあり、それと同じ仕組みである。当時、緊急時のみならず、自由に特定の目的のために使う事が可能であった。
現在では起こらないと思うが、アナログ電話の時には、稀に他の電話回線と混線する時があった。私も実際に経験した事がある。この混線に乗じて5人の男女が集まった。彼らは混線クラブと名付け、定期的に会話を楽しんだ。
匿名を担保しながら思い思いの事を語り合う。実際には相手を知らない訳だが想像の世界では相手を好意的に作り上げてしまう。話題は会社や学校での鬱憤やお互いの異性関係までに及び、好き勝手な事を話し合った。自分の現実から切り離された仲間達と会話している時だけ別世界を感じられた。
そんな時、一人がメッセージを残して殺人事件に巻き込まれてしまった。混線クラブは5人だと思っていたが、実は、会話に参加しない幽霊会員がいたのだ。そこで、彼らは件の伝言ダイヤルサービスを利用して実際に会い、犯人探しを始めるのである。もちろん、警察も捜査するが、彼らの情報収集力も偉大なものがあったのだから侮れない。
森村氏は、小説の背景を政治や経済や金融などの硬質な舞台にして書くのが得意であることは周知の事実である。だが本作のような今風とも言うべきこの伝言ダイヤルサービスをも小説にしてしまうのだから恐れ入るばかりだ。
想像の空間で集まり馴れ合った5人は、虚像の世界から実像の世界へ戻り、最後は別れ離れになってしまう。実像の世界へ戻れば二度と同じ虚像の世界で再会出来ない事は分かっていたが、仲間を殺害した犯人を捜す為に唯一の楽しみを捨てた彼らも立派である。
都市の遺言(いごん) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:都市の遺言(いごん) (新潮文庫)より
4101177147
No.1:
(4pt)

伝言ダイヤル殺人事件

テレビドラマならばこういうタイトルが付けられそうですが、ラストにも登場するこのフレーズのおかげで

ぐっと格調高い雰囲気に仕上がっています。

 電話の混線や伝言ダイヤルのオープン番号(誰でも考え付く数字並び番号)の利用が

きっかけで知り合った普段の生活からはほとんど接点のない男女のグループ「混線クラブ」。

このグループから死者が出たことがきっかけでメンバーたち犯人探しに乗り出します。

 出会い系サイトや携帯電話の発達で今となっては災害時利用しか思いつかない伝言ダイヤル

ですが、この作品で使われているように売春やナンパ、どうでもいい出会いを求めての利用も

数多くあったでしょう。 テクノロジーに頼り切った薄っぺらく人任せなコミュニケーションに対する

作者のかすかな苛立ちも見て取れます。

 推理小説としてはもちろんのこと、人物描写も丁寧なので屈折した人間の群像ドラマとしても楽しめます。

 登場人物が揃いも揃って後ろめたさというか暗い影を引き摺っており、重苦しい雰囲気で貫かれている為

読後感の爽やかさとは無縁ですが、森村氏の推理小説ではこれが一番好きですね。
都市の遺言(いごん) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:都市の遺言(いごん) (新潮文庫)より
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