網走発遥かなり
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点6.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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無理やりな感じ | ||||
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【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[?] ネタバレを表示する
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本作は一風変わった小説である。4章で構成された作品だが、それぞれの章は全く独立した話(のように読める)。それぞれ島田氏特有の幻想的な謎が用意されており、主人公も違う。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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「乱歩の幻影」が映画化されるというので9月ごろからそのタイトルのアンソロジーを探していたのだが先週になって網走発遥かなりの中の一遍だということを知りそれなら自分の本棚にあるじゃないかと再読 この話だけを映画にすると尺が余るので里美家三代記も並行して描かれるのだろう | ||||
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完全改訂版と聞いて、再読しました。連作短編集ですが、創作の順番は以下のとおりだそうです。 (1)「網走発遥かなり」 湧網線内の列車で起こる不可解な事件。まるで舞台劇のような、これが映画であれば一つの舞台中、幾とおりかのシーンがカット割を変えて繰り返し描かれるのでしょう。人工的ですが論理はすっきりと構築されています。 (2)「丘の上」 舞台は、東京、成城学園。まるで黒沢明の「天国と地獄」のような街。しかし少なくとも現代においてはそのようには感じられません。大丈夫かと思わせながら、最後にしっかりと辻褄を合わせてきます。 (3)「化石の街」 東京。私はこの短編がこの中では一番好きです。何故なら長編「火刑都市」へと繋がる都市小説として優れているからに他なりません。 (4)「乱歩の幻影」 これはパズラーとしてよりむしろ江戸川乱歩とかつての東京を描いたノンフィクションとして楽しめました。 巻末の作者による「改訂完全版に寄せて」は、あの人工的な、あまりに人工的な「島田荘司」ミステリ傑作群がリリースされた時期の混沌が描写されていてとても興味深かった。また、何故連作短編集となり得たのか?その経緯も描かれています。後々の東野圭吾の作品へも底辺で繋がっていることを思えば、誰も島田荘司のミステリという名の<絵画>を真似することはできない。 「乱歩の幻影」が映画化され、本年(2024年)公開されるそうですね。見てみたい。 □「網走発遥かなり 完全改訂版」(島田荘司 講談社) 2024/1/17。 | ||||
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あまり、周知されていないことだが、『網走発遙かなり』は島田荘司の最初の短編集だ。読み進めていくうちに、島田荘司がこれほど深く、完璧に江戸川乱歩をこの時点で研究し尽くしていることに驚いてしまった。 この『島田荘司全集 V』の後書きでは、『占星術』『斜め屋敷』と連続して乱歩賞を逃していて、そのショックから立ち直りつつ、作品を作り出しているのが感じられる。特に、『斜め屋敷』は、二次通過までで候補に入らなかったので、余計にショックだったろうと予想できる。 それでは、どんな面子が『占星術』を見落とし、どんな作品に賞を与えたかを見てみた。 1980年第26回江戸川乱歩賞の選考メンバーは、五木寛之・海渡英祐・斎藤栄・南條範夫・三好徹だ。もうメンバーを見ただけで、『本格』を理解できない面子なのが解る。特になんで五木寛之が江戸川乱歩賞の選考ができるのか不思議で仕方がない。 受賞したのは、井沢元彦の『猿丸幻視行』だ。いかに眼力がないかは一目瞭然だが、当時まだ新人だった島田荘司には、辛かったろうと思う。 その後、『漱石と倫敦ミイラ殺人事件』と『夏、19歳の肖像』は、1985年1月と1986年1月の直木賞の候補にもなったが、受賞できなかった。既に島田荘司のカタチは完成していたにもかかわらず、文壇がそのレベルに逆に到達していなかったのが感じられる。 さて、ここから島田荘司の世界に徐々に世界が追いついていくことになる。悩みながらも疾走する天才の姿に感動してしまう。 | ||||
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タイトルの網走発という単語からこの時期連発されていた吉敷ものに代表される鉄道アリバイものかなと思われる人もいるかもしれないが、そういった吉敷鉄道もの本格推理を期待すると肩透かしをくらう短編連作集。あまり本格推理的な展開はなく、乱歩へのオマージュが濃厚な幻想譚とも言うべき作品集になっている。なので、読む人によってはっきりと評価が分かれる作品である。個人的には吉敷ものや御手洗ものみたいな趣向を期待していたのであまりピンとこなかったが、島田氏の文学的な才能を堪能できる異色作と言えるだろう。 本作を読んだ島田ファンなら分かると思うが、本作はその後出版される吉敷ものの最高傑作と言われる長編「奇想・天を動かす」の原型になっている。2作を読み比べてみるのもいいかもしれない。 | ||||
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誘拐事件、不思議なピエロ、乱歩にまつわる物語。 なんともいえない奇妙な話が続き、それが北海道での事件に結びついていく。 最初の方の誘拐事件とかピエロの話とか、主人公の精神が麻痺していくような様子の描きかたはさすが、とも言えるし、まるで乱歩の小説の様でもある。 ちょっと夢を見ているような気にさせられる、これらの物語は、乱歩自身が登場することで、より乱歩色を高めていく。 ややとっつきにくい感じではあるが、底流にあるのは、作者の乱歩へのオマージュだろうか。ここまで物語にしてしまうのはさすが。 最後の北海道の事件への結びつきは、少し強引だったかもしれない。 | ||||
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