UFO大通り



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初公開日(参考)2006年09月
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長編小説

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UFO大通り (講談社文庫)

2010年10月15日 UFO大通り (講談社文庫)

鎌倉の自宅で、異様な姿で死んでいる男が発見された。白いシーツを体にぐるぐる巻き、ヘルメットとゴム手袋という重装備。同じ頃、御手洗潔は、この男の近所に住むラク婆さんの家の前を、UFOが行き交うことを聞き及ぶ。果たして御手洗の推理はいかに!?「遠隔推理」が冴える、中編「傘を折る女」も収録。 (「BOOK」データベースより)




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UFO大通りの総合評価:6.25/10点レビュー 20件。Cランク


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(5pt)

豪腕が強引になりすぎている

最近の島田作品には多い形式の200ページ前後の中篇を併せた中編集。本書には表題作と『傘を折る女』が収録されている。

表題作は、題名が指すUFO大通りはその名のとおり、夜な夜な行列を成しては現れるUFOと宇宙人の集団戦争話と、密室状態の中、白いシーツを体にぐるぐると巻き付け、オートバイ用のフルフェイスのヘルメットを被り、バイザーも閉め切った上にマフラーを首に巻き、両手にはゴム手袋を死んでいた男の謎についての話である。

う~ん、これは明かされる真相に論理の光明が差すとまでの驚きはないなぁ。逆に普通のことを大げさに比喩したことを謎にしただけという感慨が強い。

続く『傘を折る女』は御手洗が留学する直前の春、1993年頃の事件の話。

島田版『九マイルは遠すぎる』とでもいいたくなる作品。夜中に土砂降りの雨の中に必要不可欠な傘を故意に折る女性の奇妙な行動の話を御手洗が演繹的論理展開から殺人事件の発生を推理するというもの。

さらにラジオの深夜放送の奇妙な話から全てを見通したが如くの御手洗の推理は新たな事実の浮上により、再考を余儀なくされるのだ。
これには読んでいる私も思わず身を乗り出した。御手洗の神の如き推理が覆される趣向に新味を感じたからだ。同じ構成で単にソフトを変えただけの話を読まされるだけかと思っていたが、自作を発展させた次のステップが上乗せされている。
そしてまたもや御手洗の奇妙な推理に眩暈に似た当惑を覚えてしまった。もう読者はこの当惑を理解に変えるために次へ進まざるを得ない。
いやあ、もろに島田氏の術中に嵌ってしまった。

とはいえ、たった少しの事実で事件の背景に隠された雑多な事実をあれほど正確に見抜くのは御手洗の天才ぶりを感じるというよりも、作者が描いたプロットの代弁者になっているだけのように感じ、非常に人為的な物を感じてしまった。


御手洗潔物の短編には奇想がふんだんに盛り込まれているが、本書もとんでもない設定だ。

表題作ではUFOと宇宙人が現れた怪事と実に奇妙な服装と状況で密室状態の部屋で死んだ男の謎を扱っているし、『傘を折る女』ではその題名どおり、土砂降りの雨の中、わざわざ傘を車に轢かせて折る女性の奇妙な行動の謎がテーマだ。

そんな魅力的な謎をいかに論理的に解明するか。これが本格ミステリそして巨匠島田荘司作品を読む最たる悦楽だが、しかし昨今の作品では逆に御手洗の登場と共に色褪せてしまうように感じてしまう。
最近の御手洗物に顕著に見られる“全知全能の神”としての探偵というテーマを強く準えているため、快刀乱麻を断つがごとき活躍する御手洗の東奔西走振りを読者は手をこまねいてみているだけという印象が強くなってしまった。

謎が奇抜すぎて逆に読者が果たしてこの謎は論理的に解明されるのだろうかという心配が先に立ち、明かされた時のカタルシスよりも腰砕け感、これだけ風呂敷を広げといてこんな真相かという落胆を覚えることが多くなった。

また謎を過剰にするが故に、明かされた真相に現実味を感じないようになった。2作目では傘を折る動機はなかなか面白いにしても、その後の現場に別の女性の死体があった真相は話としては面白いが、果たしてここまで奇妙な偶然が重なるだろうか?と疑問を感じてしまう。

本格ミステリの醍醐味はどう考えても不可能な事象や不可解な状況が、至極当たり前の常識でもって腑に落ちていくところに謎が解かれる魅力やカタルシス、そして論理の美しさを感じることだ。しかし本書ならびにこの頃の島田氏の作品は強引にありえなさそうな現象や事実が積み重なって起きたという、作り事の色合いが濃くなってきているように感じ、こんなの思いつくのは島田氏だけだよ的な謎になっているのが残念。

確かに元々その傾向はあり、この作者しか書けないスケールの大きな謎が魅力でもあったのだが、本書などを読むと幻想的な謎を創出しなければいけないあまりに無理が生じてきているように思えてならない。

本書は島田が怒涛の連続出版を行った2006年の出版ラッシュの時の作品でこの頃に出版された一連の作品群は構成が似ている。

特に2編目の「傘を折る女」は御手洗が推理を開陳し、それを裏付ける加害者側のストーリーが展開する。これは『最後の一球』と同じ構成と見てよいだろう。
もっと遡るならば『ロシア幽霊軍艦事件』の構成と同じだ。そしてそれは本格推理小説の始祖アーサー・コナン・ドイルが創出したシャーロック・ホームズの長編と同じ構成でもあるのだ。
すなわち鮮やかな推理で真相と犯人が解明された後の、なぜ犯人は犯罪に至ったのかというサブストーリーを語る2部構成の作品といってよい。これは当時島田氏が提唱した物語性への回帰を実践するものだが、犯人側のストーリーにだんだん比重が置かれ、構成がアンバランスになってきている。
確かに第2部で語られる話は実に面白い。日本人の判官びいき気質を助長する社会的弱者、ボタンを掛け違えたためになぜか人生が上手く転がっていかない者たちの話は犯人を応援したくなる味を持っている。それら犯人側のストーリーに島田氏の社会的弱者への眼差しが強く盛り込まれ、社会の理不尽・不条理さに対する怒りのメッセージが色濃く投影されているが故にそのパートがどんどん長大化してきているのだ。
正直脱稿後読み返しているのかと疑うくらいのバランスの悪さを感じてしまう。

しかし島田氏も冤罪事件に関係することでわが国の裁判における証拠物件の内容や法医学の知識も増え、そして脳生理学への興味からその知識も得ているだけに、短編にそれらの知識を盛り込んでしまうため、昔なら50~100ページ弱で終わっていた短編が膨らみすぎて200ページくらいまで拡大してしまっている。
確かにこの辺の専門分野の話も面白いが、そのために話が無駄に長くなり、スピード感に欠けてきているように感じた。もっと謎に特化した往年の切れ味鋭い作品を期待する。特に昔の奇想溢れる長編が読みたい。

とはいえ、もう60過ぎだからなぁ。難しい注文かもしれないなぁ。


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Tetchy
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No.19:
(4pt)

価値あり!

「UFO大通り」と「傘を折る女」の2作。
話の結末はなんだか似通っていたけれど、大がかりになりすぎている作品が続く中だったので、楽しめる作品だった。
突っ込みどころもあるけれど、読んでみる価値はあり!
UFO大通り (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:UFO大通り (講談社ノベルス)より
4061826182
No.18:
(2pt)

良くも悪くも作者らしい出来

UFO大通り・・・UFOの起こした密室事件?という胸ときめくプロットだが、オチが弱すぎる。
傘を折る女・・・なぜ女は雨のなか傘を折ったのかの推理のくだりは実に楽しいが、その前後の事件がつまらないし推理不能。ドラマになったり漫画になったりしてますが、個人的には駄作。
UFO大通り (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:UFO大通り (講談社ノベルス)より
4061826182
No.17:
(4pt)

20年前に御手洗潔は映像化させないと島田荘司言ってたじゃん!

たとえ田村正和にやらせると言われても、映像化させませんて言ってた。
でもすぐその後に『古畑』がはじまっちゃったので、実現しなかったけど、
島田荘司の単行本の後書きに書いてあった。テレビ局から打診があったらしい。
『吉敷シリーズ』はやってもいいとも書いてあった。そのくらい、御手洗には思い入れがあったのだね。
『傘を折る女』は玉木宏が御手洗やったんでびっくりした。もっと番宣すればよかったのに知らない人多かったと思う。
まあ、『傘を折る女』は2時間ドラマにむくかは疑問だよ。
御手洗シリーズはシリーズで映像化しようなんて無理かもね。
UFO大通り (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:UFO大通り (講談社ノベルス)より
4061826182
No.16:
(3pt)
【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

相変わらず不可思議な事件は魅力的だけど…。

※ 真相に触れているレビューです ※

「UFO大通り」と「傘を折る女」の中編2作収録。

タイトルになっている「UFO大通り」は、いくつかの不可思議な目撃証言の謎が事件の解明において綺麗に説明されているものの、肝心の「UFOの正体」については事件と直接関係が無いという肩透かしオチで残念。いくら老人でも、ボケてもいないのにアレが何か知らないとは考えにくい。島田氏の作風(?)に慣れている人にとっては、その他の謎もだいたい見当が付いてしまう内容だった。

「傘を折る女」の方は、これまた不可解な事件で最後まで興味を持続して読み進められたけど、正直、真相の意外性を強調しようとするあまり、ちょっと不自然な状況や偶然、ご都合主義的な展開が多すぎると感じた。例えば、事件の関係者がふたりともハムスターを飼っていたとか、たまたま電気のスイッチを付けようとしたら、たまたまそこにいたハムスターに指を噛まれたとか、たまたまその人物がハムスターのアレルギーを持っていたとか、たまたま折れた赤い傘を持っていただけなのに問答無用で襲い掛かられたりとか、町屋親子が以前に襲われた事件自体が今作の事件とはまったく無関係とか、その傘に住所と氏名が書かれていたから町屋が現場に戻れたとか(傘に住所なんか書く人いるか?)、そもそも傘くらい足で踏みつければ折れるだろとか、わざわざ車に轢かせる方がよほど目立つだろとか(事実、怪しい女だと目撃されてるし)、あれだけ証拠隠滅に注意していたうえに、怪しまれないように服装を変える余裕まであるのに、肝心の傘や包丁といった致命的な証拠を忘れていったりとか…。途中までの緊張感とラストの虚無的な開放感による落差が良いカタルシスを醸しているだけに、強引な展開やご都合主義的な状況設定が多すぎるのが残念。
UFO大通り (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:UFO大通り (講談社ノベルス)より
4061826182
No.15:
(3pt)

まあまあ

事件を作るのに偶然に頼りすぎているが、最近読んだ中じゃまあ悪くないほう
たださすがに認識力の低下した老人を使ってミステリを作るというのはどうかと
テンプレ的な威圧的警官はもはやギャグの領域
もはやお約束になっている偶然展開を許せる人にはお勧めの作品
UFO大通り (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:UFO大通り (講談社ノベルス)より
4061826182



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