夏、19歳の肖像
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作者の実体験でしょう。 | ||||
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ある男のひと夏の燃えるような恋の物語。島田氏の青春グラフィティかもしれない。『異邦の騎士』然り、とにかくこういう話に弱いのが私。冷静に一歩引いて本作を観察してみれば、実は喜劇であるという事実に気付くのだけれども。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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『確率2/2の死』と、『サテンのマーメイド』・『夏、19歳の肖像』の3作は、出版社にホテルに缶詰にさせられて書いたらしい。そして、『確率2/2の死』は、1985年9月に光文社文庫書き下ろしで、『サテンのマーメイド』は、同じ1985年9月に集英社からハードカバーで、『夏、19歳の肖像』は、翌月10月文藝春秋社からハードカバーでリリースされている。つまり、島田荘司はこの時期、出版社から新人作家として続々と作品をリリースできるかを試されていたのだ。 『夏、19歳の肖像』は、九段のホテルグランドパレスで書いたらしい。後書きで島田荘司自身が書いているが、若い時にしか書けない書きぶりだ。冒頭の部分だけ、ヒッチコックの作品の影響は確かに感じる。一方で、様々な映画の好き嫌いがはっきり書かれていて、『2001年宇宙の旅』の感想には笑った。 読み進めるほどに、『良いなあ、この作品、好きだなぁ』と思わず声を発してしまう。当時の銀座の風景は、ぼくの青春時代とほぼ重なっていて、出てくる建物の名前まで懐かしい。そして、この作品は、2017年に中国で映画化されている。Amazon Prime Videoにあるようなので、後で観てみようと思う。 何しろ、全く異なるタイプの3つの作品をほぼ同時に完成させた島田荘司の地肩の強さは相当なものだと思う。読み逃さなくて良かった、と思った。 | ||||
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島田荘司さんのミステリは何冊か読んだことがありましたが、この作品はだいぶ前に映画を見ていたので、推理がメインのミステリではないことはわかっていました。しっかり青春恋愛ものですね。 最初に、主人公が憧れた女性が死体を埋めたかもしれないシーンを目撃するあたりはスリリングで、その真相を追う流れもありますが、次第に主人公の女性に対する思いと2人が知りあってゆく様子がメインになります。 主人公の行動は現在の視点から見ると確かにストーカーっぽいのですが、この小説が書かれたのは1988年、まだ日本人がしっかり肉食系だった頃(笑)。知らない女性に一目惚れして、なんとか彼女と知り合いになりたいと、決してあきらめずにがんばったという見方もできるわけで、その点では主人公の一途さ、積極性をほめてやってもいいと思います。 彼女に対する強烈な思慕、敬愛しすぎて彼女に触れることもできない、その若さと純粋さが痛々しいです。 美しい彼女はいったい何者なのか?彼女は本当に父親を殺したのか?そして異常にも見えるその母親は?主人公が受け取った脅迫メッセージはいったい誰からのものか?そして現れた屈強で凶暴な3人の男たち・・謎が謎を呼び、引き込まれてしまいます。 個人的にはここまではとても魅力的でした。ただ、真相がわかってみると・・・一気に俗世に引きずり下ろされた感じでがっくりきてしまいました。青春と恋のあの透明感がなくなってしまった・・なにか他の結末は考えられなかったんでしょうか。 この作品は主人公が若かった自分を15年後に回想する形で書かれています。若くて純粋でまっすぐで無謀だった自分を、大人になってしまった自分がもう戻ることのできない時代としてなつかしむ、自分が親しんでいたあの建物も、あの風景ももうそこにはない、そんな気持ちがとても切ないです。 たぶん誰もが、20代後半あたりからもうそういう感覚がわかってくるのでは・・。一見普通のおじさんおばさん、おじいさんおばあさんも、このような思い出のひとつやふたつは心の中に秘めているのかもしれません。年を取るのは切ないです。 島田荘司氏ご本人が書いておられるあとがきが興味深いです。文庫の改訂版が出ると決まった時に読み返してみたら、まったく内容をおぼえていなくて、完全な「読書」になってしまったそうです。自分が書いた作品でもそんなことがあるのですね。 そして「相当に下手クソで未熟」だったと猛烈にけなしておられて、ゲラが真っ赤になるほど加筆訂正したということ、現在のものは非常に流麗な文章なので、最初のものがどれくらい下手クソなのか返って読んでみたい気持ちになりました(笑)。 とにかくいい作品だと思います。ほとんど青春文学の領域です。 | ||||
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【夏、19歳の肖像】読んでよかった。 映画作品 | ||||
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島田氏の2回目のそして今のところ最後の直木賞候補作である。 勿論、本作が島田氏の著作の中でずば抜けて傑作だから候補になったということではなく、単に文藝春秋社から本書が刊行されたからというだけのことである。 青春小説の趣が強い作品だが、勿論島田氏らしい謎要素もあるが、種を明かされれば、何だという他愛のないものである。 どう考えても青春小説としても本格推理としても異邦の騎士の方が数段出来がいいが、文藝春秋から出てないからというだけで直木賞候補にならないという出版社刊ヒエラルキーが悲しいものがあるが・・・。 島田氏の作品としては平凡な出来であると言わざるを得ないが、独特の感傷的な余韻はなかなか印象的である。 | ||||
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擦り傷やへたり・汚れ等もなく綺麗な状態で届いたので大満足です。 | ||||
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