ハリウッド・サーティフィケイト



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初公開日(参考)2001年07月
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長編小説

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ハリウッド・サーティフィケイト (角川文庫)

2003年09月30日 ハリウッド・サーティフィケイト (角川文庫)

LAPDに持ち込まれたスナッフフィルム。そこには、ハリウッドの有名女優、パトリシア・クローガーが惨殺される様が映っていた。そして発見された死体からは、子宮と背骨が奪われていた!彼女の親友で女優のレオナ・マツザキが犯人探索を始めた。その過程で、女優志望のジョアンと出会う。彼女は記憶を失っており、何者かの手によってその体から子宮が摘出されているというのだ。事件との奇妙な符合を覚えるレオナ。そして第二の殺人が発生し…。なぜ女優の子宮は奪われたか?「虚構の都」ハリウッドを舞台に奇才が放つ長編本格ミステリ。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

ハリウッド・サーティフィケイトの総合評価:8.15/10点レビュー 13件。Bランク


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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(7pt)

面白いがお勧めできないほどグロテスク

御手洗シリーズのスピンオフ作品で、今回はハリウッド・スター、レオナ・マツザキが主人公。

LAPDに寄せられた1つのビデオテープ。そこにはハリウッド・スターのパトリシア・クローガーを凌辱し、惨殺する模様が写されていた。このスナッフ・フィルムを取った犯人を探し出すべく、彼女の親友レオナ・マツザキが捜査に乗り出す。しかし、それは光輝く華やかなりしエンタテインメントの頂点ハリウッドとアメリカ合衆国の想像を絶する暗部を垣間見る捜査行の始まりでもあった。

まず最初に云いたいのは、本作は読んでいて気持ちがいいものではない。むしろ読後は食欲と性欲を著しく減じるほどのグロテスクな内容だ。読中、しきりに頭をよぎったのは、「なぜこんな作品を島田氏は書いたのだろう?」という疑問文だ。この疑問に対して自分なりの答えを以下に書いてみる。
恐らく島田氏はエッセイ『聖林輪舞』で取材したハリウッドの内幕と、世紀末から新世紀にかけて関心を抱いて取材を続けている脳科学やDNAなどの遺伝子工学の分野で得た知識を総動員してこの作品を物したものだと思われる。この作品で数多く語られる神の冒涜とも云えるクローン技術やアメリカのアンダーグラウンドで繰り広げられる異様なポルノ・グラフィティの世界は正直云って、読者の食指を動かすものでは決して、ない。知らずにいてもいいことだろうし、恐らく日本のみならず、世界大半の人がその世界の一端にも触れる事なく人生を終えることだろう。
つまり、この作品において島田氏は読者へ娯楽を提供しているのではなく、許されざる悪行が皆の知らないところで繰り広げられている事を啓蒙しなければならないという使命感のみで書き上げたということだろう。

作品の形態は一応ミステリという形をとってあり、サプライズも含んであるから本格の部類に入るのだろうと思うが、個人的には真相は最初の方で解ってしまった。作者が仕掛けたミスリードも惑わすほどの効果はなく、作者の手法の構造が透けて見えたほどだ。しかし、上にも述べたようにこの作品の要素はこのミステリ部分にはなく、作者がミステリ作家であるがゆえにこの形態を採ったに過ぎない。そして、この時期の島田作品の特徴である御手洗潔のカメオ出演(今回も電話の声のみ)もしっかりとあるからファン・サービスも忘れてはいない。

また『暗闇坂の人食いの木』以降の御手洗シリーズの特徴に本筋の話を彩る膨大なエピソードがあるが、今回はケルト民族の神話とあのコナン・ドイルも関係したコティングリー村の妖精騒動がそれに当たる。この辺の物語は今回も無類に面白い。コナン・ドイルに至っては晩年の心霊・神秘研究の話はもとより、かの名作『バスカーヴィル家の犬』が盗作で、本当の作者はドイルが殺したなんていう話も盛り込まれており、今回も非常に愉しめた。

あと気になったのが島田氏の英単語の発音表記。カメラの「ナイコン」、車の「ディムラー」はそれぞれ「ニコン」、「ダイムラー」ではないのかと思う。
それぞれ本当にアメリカではそのような云い方をするのかはこちらが無知で知らないが、「レジュメ」を「レザメ」というのは明らかに間違いだろう。どっかの訛りではないだろうか。あと「ストゥディオ」は「スタジオ」でも十分だろう。

とにかく、この作品は読者を選ぶ作品だ。万人に勧められるものではない。島田作品が好きでなおかつ彼のスピリットに共感できるものでしか勧められない、少なくとも私は。それでもその人が女性ならば勧めないだろうなぁ、絶対。



▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.1:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

次作が読みたい

レオナが主役の長編。
ドキドキ感が持続したし、ミステリーとしての謎も秀逸でした。この作家は人体に関する知識が豊富で読んでて勉強した気にさせられる。
長編だが文章がうまいのでスラスラ読める。
秋の読書にオススメの一冊です。
早く次作が読みたい!

バリコ
GTO67DMU
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.11:
(4pt)

レオナのキャラが許容できるかが分水嶺

さすが嫌われヒロインの面目躍如。傲慢さに加えてサイコな部分もあり御手洗氏ならずとも距離を置きたい人物でもあります。推理小説というよりサスペンス小説ですね。テーマありきになってしまって物語が置いてけぼりなのはご愛嬌でしょうか。
しかしいくら退廃のハリウッドだからってドラッグ常習犯設定はいかがなものか。
キャラの奇抜さが感情移入を阻害してます。
それを許容できればなかなか良いのではないでしょうか。
ハリウッド・サーティフィケイト (角川文庫)Amazon書評・レビュー:ハリウッド・サーティフィケイト (角川文庫)より
404168207X
No.10:
(5pt)

社会問題の提起とミステリー

社会派の島田荘司らしい作品です。 謎解きも、ストーリーも、レオナの人格についての書き込みも非常に魅力的だと感じました。 御手洗氏の電話の部分が、ファンには嬉しいです。 謎解き以上に、現代社会の問題について考えさせられる作品でした。
ハリウッド・サーティフィケイト (角川文庫)Amazon書評・レビュー:ハリウッド・サーティフィケイト (角川文庫)より
404168207X
No.9:
(4pt)

参考になるかわかりませんが・・・

内容的に読み応えのあるエンターテイメントを読みたい人のためレビューを書きます。ネタバレ注意して書きますからちょっと抽象的になります。まず、エンターテイメントとしてもかなり楽しめる作品です。海外を舞台とした推理サスペンスですが、よくこなれた日本語で書かれた紛れのない日本の小説です。ケルト神話・ハリウッド・闇社会などなどなど道具立てはとにかくてんこ盛り。ストリー展開、登場人物もぶっ飛んでいて魅力タップリ。ミステリーですから啓蒙的な(専門的ではないです)知識も沢山盛り込んであり、無知な私は少しだけ賢くなりました。ただし、本格ミステリー以外はダメという人には面白くないかも知れません。表面だけでなく本質としてエログロな内容をもってます。
 (島田荘司氏の読者ならご存知の)これまでの作品に見え隠れしているテーマが複雑にいくつも流れこんだ小説です。つまり作品成立の基盤となる世界観に氏の文明論・人類論・歴史観等々がひたすらたっぷり浸透しています。それは全く残酷な認識ではありますが、作品全体を読み終えたあとの深い感慨は別にして、不思議と諦念やニヒリズムは感じられません。(ここを、軽いと勘違いする人もいます。)
 必然、主人公のレオナもかなり複雑な襞を持つキャラクターとして造形しています。(吉敷シリーズで加納美智子の重層的なキャラクター造形に成功した作者は、)今回レオナにも複雑微妙な陰影を与えています。娯楽要素が強いため(日本の現実から相当離れた環境設定で主人公が動くため)見過ごされがちですが、この作品で見せるレオナの行動はかなり現実感があると感じました。その行動にはメッセージ性が濃厚です。ただし作者は決してそれを手放しで肯定などしていないのは読めば解ります。(そこのところは加納美智子を悲劇のヒロインとしていないのと同様です。)
 最後に・・・・島田荘司氏については、レビューなどで、作品に入れるには大きすぎる世界観を与えているという意味合いの批判(というより揶揄かな?)を聞きます。それは提示された世界認識への批判というより、せっかく行を割いて世界の病を認識させておきながら、その療法が示されていない点への不満だと私は理解しています。これに対して、小説に認識させること以上を求めるのは間違いではないかと思っております。お手軽に解決できる(あるいは解決した気になる)のは現実の人生だけにしておけばいいと、そう思ってます。

ハリウッド・サーティフィケイト (角川文庫)Amazon書評・レビュー:ハリウッド・サーティフィケイト (角川文庫)より
404168207X
No.8:
(5pt)

誰が何と言おうと傑作である

島荘作品としては、いろいろと批判が多いものである。でも、私は好きだ。なんで著者がこんな猟奇的な設定にしたのか、ということを理解すればよい。

 ストーリーは他の人たちが書いている通りだ。舞台はアメリカ、登場人物も当然アメリカ人が中心となる。だから、御手洗は今回は一歩引いている。でも、それは本作では必然のことなのだ。そして、本作のテーマはけっして“狂気”ではない。現代ではこれを異常とは認識しないはずだ。確かにアブノーマルで猟奇的な描写はある。しかし、「占星術〜」や「眩暈」の著者なんだから、それが本作では必要なことだというのは、島荘作品を読んできた読者には分かるだろう。

 続編が刊行されないかぎり、島荘ワールドの中で本作が徒花の立場を覆すことはないと思われる。だが私には、本作で島荘がやりたかったことが良く分かる。またひとつステップを上がった、というイメージである。どうか剛腕島田氏には、続編の早期の刊行を期待したい。その際には、本作以上の猟奇性を願う。やはり、レオナには猟奇が似合う。「暗闇坂〜」みたいに。

 また、本作の価値とレオナ個人に対する好き嫌いとは別物である。どんなにレオナのイメージが悪かろうが、本作は島荘作品の中で孤高の位置を占める、まごうかたなき傑作である。
ハリウッド・サーティフィケイト (角川文庫)Amazon書評・レビュー:ハリウッド・サーティフィケイト (角川文庫)より
404168207X
No.7:
(5pt)

松崎レオナ単体作品。

御手洗が大好きな
ドSハリウッド女優、松崎レオナが主役の
作品となります。
この作品は御手洗は端役です。
電話に出る程度というなんとも悲しいぐらいの
扱いの狭さ。

この作品の狂気度は
いつもの作品よりもかなり上に
属するかと思います。

なぜならば犯人が
犯行のヴィデオは撮っているわ
レオナが犯人を捜すために
メガクラスの危険な行動をとるわ…
読んでるこちらがハラハラさせられてしまいます。

そしてだんだんと真相に迫っていくうちに…
ついに犯人は姿を現します。
そう、たった一人だけ犯人を知っている
ものがいたのですから。

犯人はもしかしたらわかるかもしれませんが
真相に関しては
おそらくわからないかと思います。
そもそも狂気にまみれているので
わからなくても無理はないかとは思いますが…

かなりエログロ・バイオレンスな
作品のため
確実に読者を選びます。
ハリウッド・サーティフィケイト (角川文庫)Amazon書評・レビュー:ハリウッド・サーティフィケイト (角川文庫)より
404168207X



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