上高地の切り裂きジャック



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初公開日(参考)2003年02月
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長編小説

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上高地の切り裂きジャック (文春文庫)

2006年10月31日 上高地の切り裂きジャック (文春文庫)

女優は腹を切り裂かれ、内臓を抜き取られ、かわりに石を詰め込まれた惨殺死体で発見された。いったいなぜ、何のために?そして密疑者には鉄壁のアリバイが…。“切り裂きジャック”が日本に甦ったかのような猟奇殺人に、名探偵・御手洗潔が挑む表題作ほか、横浜時代の御手洗が活躍する傑作中篇「山手の幽霊」も収録する。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.50pt

上高地の切り裂きジャックの総合評価:6.50/10点レビュー 14件。Cランク


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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(7pt)

御手洗の超人ぶりと石岡の情けなさにちょっとついていけない感が

本作は「上高地の切り裂きジャック」と「山手の幽霊」の2つの中編で構成された作品集。

まず「上高地の切り裂きジャック」は2000年の頃に石岡が解き明かした事件の話。大学を卒業し、みなとみらいにある法律事務所に就職した犬坊里美は石岡の許を訪れる。「最後のディナー」事件で知り合った磯子署の蓮見刑事が御手洗に相談したい事件があるというのだ。
それは上高地の山中で美人女優細川みどりが変死体で発見されたというものだった。死体の状況は死因は絞殺だが、腹が一文字にぱっくり裂かれ、腎臓や膀胱、子宮が持ち去られ、代わりに石が詰められていたという陰惨なものだった。しかも死亡推定時刻は細川が上高地へ帰った次の日の午後だというなんとも奇怪な状況だった。
犯人が子宮を持ち帰った目的は?なぜ細川は上高地へとんぼ返りしたのか?
真相を探る石岡はしかし、迷走のまま、スウェーデンに留学中の御手洗に助けを求める。

次の「山手の幽霊」はまだ御手洗が日本にいた1990年の頃の話。
頭を抱え込む丹下刑事が御手洗の許を訪れてきた。山手のトンネルの上にある家は呪われた家と云われており、最初の家主は急性の癌で病死し、その後、購入した家主大岡修平は娘が難病で病死して、そのあおりで妻が自殺し、大岡も自失のまま、仕事を辞め、飲んでくれて街を徘徊する廃人同様の生活を送っていた。三番目の家主正木が住み始めた時、地下のシェルターに餓死した大岡の死体が見つかったのだ。
さらに御手洗は電車の運転手を夫に持つ老婦人から、山手のトンネルで起きた奇怪な出来事の解明を依頼される。それはトンネルを通った時にいきなり前面の窓に女性の死体が貼りついたというのだ。電車を停めて探したが遺体らしきものは見当たらなく、しかもそれはその夫婦が亡くした幼児の成長した姿だという。

この二つの怪奇譚に御手洗の推理が冴える。
「上高地の~」はスピンオフ作品「ハリウッド~」の創作中に生まれた副産物のような感じだ(あれほどグロテスクではないが)。題名の「切り裂きジャック」から連想される残酷なイメージとは違って事件は単発、しかもどちらかといえば死亡推定時刻に関する話が多く、陰惨さの味わいは薄れている。
またこの頃、島田氏が力を入れていた冤罪事件への取り組みの色合いもあり、ここでは容疑者とされていた牧原信吾の無罪をどうにか証明しようという方向でストーリーは進む。これは金川一事件というのがモチーフになっているらしい。
しかし『最後のディナー』や『Pの密室』の頃に比べるとだいぶん石岡も以前のペースを取り戻しているようだが、犬坊里美の携帯電話の留守電組の話を聞いてショックを受ける件は50を間近に控えた男の台詞か?と思った。蓮見刑事に嫉妬するところもちょっとなぁと思うのだが。

翻って「山手の幽霊」は、『~挨拶』や『~ダンス』の頃を髣髴とさせる御手洗の活躍ぶりが堪能できた。関係のないと思われた二つの事件がまたも大胆な設定で結びつく。これこそ御手洗ファンが読みたかった作品だろう。
しかし両作とも共通するのは御手洗潔の超人的な推理力。いきなり真相が見えているように動き回る様、人に命令を下す様は確かに面白いが、超人的すぎて、少々辟易した。これと比べるとやはり私は吉敷シリーズの方が地味ながらも堅実で面白いのである。

オレも歳を取ったかなぁ。

Tetchy
WHOKS60S
No.1:
(6pt)

上高地の切り裂きジャックの感想

表紙の写真がかっこよくて期待してました。中身もそのようになるのですが、思っているよりも面白くなかったですね。トリックももう少しインパクトあると思ってたんですがね

鼻毛のびのび
YLPLRW2J
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.12:
(2pt)

御手洗ファンが最後に読む本

2003年でこんなトリックの作品を発表してしまうとは、蛮勇と言わざるをえません。
トリックもストーリーもイマイチ。タイトルはよいのに、残念。
他の本を読みましょう。
上高地の切り裂きジャック (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:上高地の切り裂きジャック (講談社ノベルス)より
4061824570
No.11:
(3pt)

多作ゆえに、中にはこんな凡作があるのも仕方ないかな…

※ ややネタバレです。未読の方はスルー推奨 ※

「切り裂きジャック」の表題作に期待していたけど、はっきり言って、トリックも真相も凡庸なものでガッカリ。

中編なのに無駄な描写や会話のシーンが多く、全体的にテンポが悪い。「切り裂きジャック」と謳う割りには被害者は一人だけだし、肝心の「謎」も単なる○○推定時刻の見当違いによるものという程度。

また、舞台は2000年なのに、現職の刑事が法医昆虫学をまったく知らなかったり、重要な証拠となる蛆虫を収集してなかったりするのは不自然。御手洗の「病院の息子がのっぽじゃないと理屈が一貫しない」という理由もよく分からないし、そもそも真犯人が何を根拠にして導かれたのかも不明だし、もしあの罠に引っかからなかったらどうしてたの?とか、いまいちはっきりしない部分や突込み所が多い。

もう一編の「山手の幽霊」も、怪談以外に考えられないような不気味な謎がてんこ盛りで、読んでいてワクワクさせられるが、正直、あの真相はちょっと強引に感じられた。○○○○の上の家の密室に○○○があって、さらにそこから○○○を○ったというのはどうも…。そもそも、あれほどすべてを捨てて復讐する事のみに取り付かれていたなら、あんな手間を掛けてまで完全犯罪を成立させる必要なんて無いような…(まあ、それを言ったらお終いですが)。

幽霊や怪光など、すべての不可思議な謎に論理的な説明付けをする情熱は、相変わらずスゴいと思いますが…。
上高地の切り裂きジャック (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:上高地の切り裂きジャック (講談社ノベルス)より
4061824570
No.10:
(3pt)

ファン向け

上高地の切り裂きジャックは表題作であるにも関わらずトリックが非常に地味なうえ、
普通の警官でも解けるだろうネタで、御手洗シリーズに相応しいとは思えない作品

山手の幽霊は図があればバレバレだが図がないといまいちピンとこないというもどかしい作品で、
トリックを説明されてもそうなんですかとしか言いようがない

全体的にあえて買うレベルではなく、ファンなら買ってもいい程度の内容だろう
上高地の切り裂きジャック (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:上高地の切り裂きジャック (講談社ノベルス)より
4061824570
No.9:
(3pt)

最初の一冊がこれでした

島田氏の著作で最初に読んだ作品が本書でした。猟奇的な表紙と設定ですが、前半の不可能要素を後半で全てなかば強引に合理的に解決する良くも悪くも島田本格な一冊。表題作はそこそこ面白いが、同時収録の中編はイマイチです。女性キャラのセリフが安っぽい印象を与えていて、このキャラ別に出さなくてもいいのにって感じ。何せ本書が最初の島田体験だったので、巷で凄い作家だっていうけど正直イマイチだなあ・・・しかも傑作と名高い御手洗ものでしょ・・と不幸な出会い方をしてしまったものだ。こんなはずはないと再度、占星術殺人事件を読み、以降島田ミステリーにハマったものとしては、本書は島田氏の作品としてはあまり出来の良い作品ではないので、最初の一冊にはお勧めできません。やはり初期の吉敷ものあたりから入るのが妥当だと思われます。
上高地の切り裂きジャック (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:上高地の切り裂きジャック (講談社ノベルス)より
4061824570
No.8:
(4pt)

ロジックを凌駕する奇想!

「上高地の切り裂きジャック」と「山手の幽霊」の中編2作を所収。
前者は御手洗スウェーデン時代、後者は御手洗潔横浜馬車道時代を
扱っていてる。

「上高地の切り裂きジャック」は島田作品としては意外なほどに、
御手洗潔の推理がロジカルかつ緻密である。そのためか、事件自体の
スケール&インパクトが、島田作品としてはおとなしめである。
石岡&里美コンビのやり取りも面白いけれど、御手洗は電話かメール
での登場なので、御手洗ファンからすると、やや地味に感じられる
かもしれない。

「山手の幽霊」は、もはやロジカルな推理というよりも、圧倒的な
スケールの奇想を楽しむ作品である。作品内に提示される手がかり
だけから、論理的に一通りの正解に至れるかについては疑問が残るが、
そんなことなど些細な問題に過ぎないと思わせてくれるくらいの
インパクトと説得力をもっている。御手洗&石岡のトークも軽妙で
面白い。御手洗潔のぶっとびぶりを十分に堪能できる好編である。
上高地の切り裂きジャック (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:上高地の切り裂きジャック (講談社ノベルス)より
4061824570



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