深夜、決まって教会前に捨てられるひと揃いの靴。

文芸部部長、天野遠子。

宵の明星が夜空に姿を見せる頃。

時は幕末、処は江戸。貧乏御家人の別所彦四郎は、文武に秀でながら出世の道をしくじり、夜鳴き蕎麦一杯の小遣いもままならない。

梁山泊炎上より三年、敗れし好漢、各地に健たり。渇求するはただ一人あの男、青面獣・楊令。

不慮の死を遂げた夫のポケットベルへ、ひたすらメッセージを送信し続ける女。

病に倒れたおばをたずね、百人浜の館を訪れた涼子と哲文。時おなじくして、榛家の遺言状を携えた少女が館へ迷い込んだ。

おばの館へ向かう途中、涼子と哲文がたどり着いた古い洋館。そこにはまだ見ぬ恋人を待ち続ける美しい少女・波路がいた。

武士の本懐を貫いた義父・光秀と潔く爽やかに散った男が、命を賭して生涯守り抜いたものとは…。

そうか、あなたがいたんだ。迷っても、つまずいても、泣きそうでも。

人間の持つ不思議な力は、脳の70パーセントを占める使用していない部分に秘められている。

連続殺人犯は、自らを過剰な鬱状態に陥った“ディープ・ブルー”と名乗った。被害者はいずれも将来ある若い女性。

出世なし。女もなけりゃ、金もなし。

「馬の胎から産まれた少年」アディと、宮廷ユダヤ人の息子イシュア・コーヘン。

大学病院に勤める女性産科医・柊奈智は、深夜の当直で容態の急変した胎児を救うために緊急帝王切開を行なう。

早くに両親をなくしたローラにとって、兄ビルはたった一人の家族だった。

人間の夢を作っている7つのマジカルストーン。そのうちのひとつ、“月の石”を怪盗ヴォックスの手から取りもどした日向と月乃。

幕末の長崎を駈ける快男児・座光寺藤之助(ざこうじとうのすけ)。 友との約定、果たすべし。

ある出版社の社長の遺言によって、あらゆる種類の創作活動に励む芸術家に仕事場を提供している〈創作者の家〉。

御手洗潔 VS.後動悟!? これぞミステリの愉悦 名探偵・後動悟が密室の列車内で華麗なアリバイ崩しを披露する「手首を持ち歩く男」。

組織犯罪専門の捜査班を率いるニック・ヴァンコーの許には他部署が持て余したはみだしものばかりが集まっていた。

秩父日召率いる極右集団が雇った“傷”たちテロリストが、都庁を占拠した。

婚約者を事故で亡くした弓子は、上司の薦めで見合いをした。羽室裕也は好青年で、羽室家も完璧な円満家庭にみえた。

愛する男を待ち続ける女、隠居した天才的スリ、タクシー運転手として働きながら機が満ちるのを待った工作員。

文庫初、豪華メンバーによるピンズ付セット富野由悠季、寺田克也、カトキハジメ三氏デザインののピンズ３点と福井晴敏の短編集「６ステイン」をセットにした限定版！　アートディレクションは樋口真嗣氏。

もうおまえとは暮らせなくなった―日曜日の夕方、テレビも点けたままの状態で姿を消した松岡邦夫。

家に取り憑いた何かを祓う依頼を受け、座木をにわか霊媒師にして現地へ向かった薬屋探偵たち。

強烈な百合の匂いに包まれた洋館で祖母が転落死した。

少女が神隠しに遭い、居るはずのない子供たちの笑い声が聞こえる…。

奇術師・旭日斎天馬一座の目玉の出し物は「トランク抜け」だが、抜け出すはずの一員が死体となっていた。

闇を愛する皆様、今宵は、咽喉を潤す夜。祝杯を真紅の悦びで満たしましょう。

昭和二十年六月、日本の敗戦はもはや決定的だった。槍ヶ岳での再会を誓った五人は、石を大切に守りながら、時代と戦っていた。

戦雲急を告げる昭和十六年の夏、日本・中国・アメリカの五人の若者が槍ヶ岳の頂上に立った。

事件は教室から始まった!杵谷淳子は恋人の悠一と卒業論文に取り組んでいた。帰宅直前、悠一が何者かに刺され…。

家族だけを最優先に生きてきた主婦・妙子。五十歳になった今は、愛犬・ゴールデンレトリバーのポポが頼りだ。

心の奥底に封印した過去、口にできなかった一言、それが解き放たれるとき、普段の風景は恐怖の色に塗り替えられる…。

新雪に包まれた山中湖畔。

血の入ったバケツ、黒焦げの骨…「ウィステリア荘」でホームズは『グロテスクなものから恐怖へは、ほんの一歩なんだよ』と言う。

ファッション誌『JoJo』で働く藍は、とあるきっかけでゴールデンリトリーバーのリラを飼うことにした。

桜宮市にある東城大学医学部付属病院に、伝説の歌姫が大量吐血で緊急入院した頃、不定愁訴外来の万年講師・田口公平の元には、一枚の怪文書が届いていた。

2007年夏公開の映画化原作。

世にでれば、国を、政治を、歴史を揺るがしかねない秘密をはらんだ本を、合法非合法を問わず、あらゆる手段を用いて入手する。

保険外交員の女が殺害された。捜査線上に浮かぶ男。

ロシアの対テロ極秘プロジェクトの重要な鍵となる犬“ブルー”。不登校の少年・亘はブルーと出会い、姿を消してしまう。

真夜中の殺人現場から走り去った口裂け女、爆破殺人のあった学校で目撃された人面犬。

幸せだった純菜を、孤独な日々へと突き落とした“彼”との別れ。

新聞に連載小説を発表している私のもとに一通の手紙が届く。

長谷川初実（ハツ）は、陸上部に所属する高校1年生。

玄界灘の荒波が初冬の気配を漂わす頃、豊後関前を発った坂崎磐音とおこんは筑前博多に辿り着く。

軍部の暴走をめぐり対立する太郎と三郎、流されるままに謀略馬賊として軍に協力することとなった次郎、自分の犯した罪のため上海に潜伏する四郎…四兄弟の苦悩をあざ笑うかのように満州、そして上海で戦火が炸裂する。

麻布の名家に生まれながら、それぞれに異なる生き方を選んだ敷島四兄弟。

7年ぶりに「盛綱陣屋」への出演依頼を受けた中村雅楽。しかし、子役の演技が気になる雅楽は、なかなか出演を承諾しない。

ひとつのペンネームで小説を共同執筆する4人の男たち。元新聞記者で取材専門の景山。

人質を取り、ビルに立てこもった殺人犯に指名され、現場へ駆けつけたOLの矢田部真美。

シカゴの名門ホテル財閥の令嬢リーガンは、新米記者の親友からある心理セミナーの潜入取材につきあってほしいと頼まれる。

シカゴの名門ホテル財閥の令嬢リーガンは、新米記者の親友からある心理セミナーの潜入取材につきあってほしいと頼まれる。

自由惑星同盟でクーデター勃発。

私は、三浦凪、17歳。好きなものは、カカオ80%のチョコレートとミステリー。

幽霊に会えるバスツアーが戻って来た！ バスツアーに添乗するたびに、謎と怪奇に遭遇！　幽霊と呪いにめっぽう強く、正義感あふれる人情家——“霊感バスガイド”町田藍が大活躍。

スイス・ジュネーブ。

奥多摩に代々続く秘守家の「婚舎の集い」。

欲望・金・セックスに溺れ、蠢く町、新宿・歌舞伎町。その風俗店に勤める菜緒子。

いきなり神に“見初め”られ、あれほど好きだった新宿の街を離れて二週間。菜緒子は、もう“昔の自分”には戻れなかった。

十七歳の暑く単調な夏休み、広田悦至は元恋人の由実果が、千葉の海で自殺したことを知る。

鬼田山家の先々代当主・俊春が撲殺した、一つ目の子山羊。

晶彦はキャバクラのスカウトマン。ある日、晶彦がスカウトした女・麻衣が幼い息子を残して失踪した。

女子高生の愛子は、ある日ひとりの少年・透と出会う。次第にひかれあう2人。

腕力、資力ともに平均以下だが、詐欺師よりも口達者。追及されてもどこ吹く風。

都下郊外の大型商業施設において重大死傷事故が発生した。

ずっと外にいた夫の王国か。ずっと家にいた妻の城か。

警視総監の職を退き、人生の休暇を楽しむアプルビイ。

南北戦争直後のボストンで、猟奇的な殺人事件が発生。警察の奔走むなしく、手がかりは掴めない。

“ダンテ・クラブ”の懸命の捜査を嘲笑するように、犯人は第三の犠牲者を惨殺する。

浪人生の高岡裕一は、奇妙な断崖の上で3人の男女に出会った。老ヤクザ、気弱な中年男、アンニュイな若い女。

還暦を迎え、人は何を想うのか?六十歳になった会社社長の小川憲之が失踪した。

東京で女子大生連続射殺事件が発生、手際からプロの殺し屋の犯行と思われた。

新宿西口の高層ビルに事務所を構える私立探偵・左文字進。ある日、友人の矢部警部が拳銃で撃たれ入院した。

群馬県の温泉地で、三人の若い女性が行方不明に。

南紀・新宮で若い女性の死体が発見された。額には無残な×印の切り込みがあった。

フルート演奏家・作曲家でもある椿英輔子爵が謎の失踪。一ヵ月半後、信州で死体となって発見される。

昭和20年、爆弾が降り注いだ和歌山。戦争が激化する中、18歳の警官、瀬名弘之は大事件に遭遇した。

女性記者が漏らした不可思議な言葉“ブラック・キャット”。

城翠大学学園祭、最終日。その日の朝、城翠祭実行委員会本部に『魔術師からの挑戦状』が届けられた。

北里財閥の当主浪子は、19歳の一人娘、加奈子に衝撃的な手紙を残して急死した。

両国の夜空に咲く花火に脱走囚の姿が浮かび上がった。それは目を奪う美貌と、目を背ける人面瘡を持つ少年。

州警の狙撃手ボビーが長い勤務を終えて家路につこうとしたとき、緊急招集がかかった。

州警の狙撃手ボビーが長い勤務を終えて家路につこうとしたとき、緊急招集がかかった。

大学の研究室を追われた二十八歳の「おれ」。失意の彼は教授の勧めに従って奈良の女子高に赴任する。

多数の熱狂と興奮を喚んだ現代の「奇書」がついに文庫版で登場。

新婚旅行から帰ったばかりの山瀬翔太・燎夫妻の元に届いた荷物の中には風雪にさらされた石の地蔵が入っていて胸当てには二人の名前と結婚記念日が墨で書かれていた。

大損まる損困り損、泣き損死に損遣られ損。ありとあらゆる憂き世の損を、見合った銭で肩代わり。

直木賞受賞作がついに文庫で登場 京極夏彦の直木賞受賞作。ラストに訪れる仕掛けが読者の胸を打つ感動作。

凶悪な盗人「おたすけ兄弟」が隠した金を、町奉行所の中間が使い込んだ。

うむ、これによって、地平線は目に見えて明るさを増したと言わねばならない。

1999年英国、著名な歴史ノンフィクション作家スチュワート・グラットンのもとに、第二次世界大戦中に活躍した空軍大尉J・L・ソウヤーの回顧録のコピーが持ちこまれる。

20人以上の犠牲を出した土砂崩れから半年。

探偵ミロは、酒場で出会い深い仲となった「危険なまでに魅惑的な女」モリーの依頼を受けた。