紀勢本線殺人事件 十津川警部クラシックス
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「紀勢本線殺人事件」は、1991年に光文社の「宝石」に連載され、同年11月に新書版カッパ・ノベルスとして刊行され、1994年10月に同社から文庫化、2007年には文藝春秋の文春文庫としても発刊された。 十津川警部のトラベルミステリーの嚆矢を、1978年の「寝台特急殺人事件」に求めるとしたなら、本作はそれから14年目の作品であり、2018年現在からみると初期作品にあたる。 本作は所謂、鉄道を用いたトリックは登場しない。はじめ新宮で殺人事件があり、例によって東京での事件と関連するとして、十津川と亀井が登場する。そして、串本でも殺人事件が発生したのち、「紀勢本線のKで、第四の殺人が行われる」という犯人からの予告状が届き、話が進展する。紀勢本線(亀山~和歌山市)には、紀伊が付く駅名が多い上、その他、か行で始まる駅も多く、一体紀勢本線のKとはどこなんだとなる。 なお、作品中には紀勢本線の三重県部分に当たる場所は登場せず、全て和歌山県内で完結している。 読んでいて、少し無理があると思ったのは、駅名が紀伊田辺だから、「田辺市は紀伊田辺市といってもいい」とか、「紀伊田辺駅で殺せばKだが、田辺市で殺せばKにならない」、「そう考えたら、紀伊勝浦だって、町は勝浦、同じKでも駅と町は違う」という辺りか。西村氏は1930年生まれだから、連載当時も勝浦町があるものと思っていたのかもしれないが、1955年に那智町などと合併し、那智勝浦町になって36年が経過していた。紀伊田辺市という理屈もなかなか困難だ。 今日、十津川警部のトラベルミステリーを手に取れば、今となっては廃止されて久しいブルートレインや急行、その他特急列車に、西鹿児島駅(2004年に鹿児島中央駅に改称)のような旧駅名も登場し、本当に月日は百代の過客だなと感じてしまう。 そして紀勢本線では、有名な新宮行きの通称・太公望列車というのが1999年まであった。臨時化されたのち、2000年に新宮行きが廃止されたが、大阪から南紀方面へ、21時あたりに出発する夜行列車(寝台なし)で、新宮には5時くらいに到着する列車。釣り好きが(太公望)が、多く利用するので、太公望列車と言われ、和歌山県内の駅はほぼ全てに停車(宮前駅のみ停車しないことがある)した。十津川と亀井の2人が、紀伊田辺駅で時刻表を確認する場面で少し述べられている。こういう鉄道史を彩った列車の記述があるのは気持ちがいい。2人が飛行機移動する場面で、YSを利用しているのを読むと、航空機ファンには、グッと来るものがあるだろうが、それに同じ。 また、本作の光文社版の新書・文庫とも、表紙に「NAGOYA-OSAKA」と入っている。多分に、1978年10月まで、紀伊半島周りで名古屋-天王寺を結んだ、当時の気動車で運行していた特急くろしおを表しているのだろうが、当然ながら、この列車は登場しない。 太公望列車やYSなど、連載当時の交通機関を知ることもだが、駅や街の記憶も作品に残す。というのも、2人が訪れた紀伊田辺駅について、「アーケードのある商店街を抜けると、駅前広場になり、三角屋根の駅が見えた」という一文がある。紀伊田辺駅は1932年に開業以来、駅舎が三角屋根だったようだが、2018年になり新駅舎建設の為、解体するという報に触れた。更に、アーケードのある商店街のアーケードも撤去という報にも触れ、最早、2人が訪れた当時の光景は本作に残すのみのようだ(http://www.agara.co.jp/news/daily/?i=354458)。 十津川警部のトラベルミステリーの初期作品は、駅や街の記憶遺産になっているに等しい。 | ||||
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西村京太郎氏の本線シリーズ第2弾だそうだ。 紀勢本線新宮駅の付近でOL原口ユキが殺された。胸を刺され、額には×印が。この事件の一週間前、東京の世田谷区で長谷川弓子が同じ手口で殺されていた。ふたりとも21歳のOL、氏名の頭文字がY・H、身長160センチほど。 土津川警部と亀井刑事は、ただちに南紀に飛ぶ。そして、第三の惨劇が再び串本で起こる。被害者は再び21歳のOL、氏名の頭文字がY・H、身長はいずれも160センチほどで殺害された遺体の額には×印。地元警察は、犯人とおぼしき人間を絞り込んでいくが、そのうちの一人が千畳敷で狙撃され、死亡。事件は迷宮に入っていく。 そこへ犯人から捜査本部に、殺人予告状が届く、「紀伊本線のKで、第四の殺人が行われる」と。果たしてKとは何処なのか。土津川警部と亀井刑事は、21歳のOL、氏名の頭文字がY・H、身長はいずれも160センチ前後のリストを入手(そういうものがあるらしい)。それを手がかりにの、必死の捜索が始まる。差し迫る、殺人予告日。なぜ、被害者はみな氏名の頭文字がY・H、身長はいずれも160前後センチで、遺体の額には×印なのか。犯人の殺人動機は何なのか。 警視庁と地元和歌山県警の事件解決の姿勢の微妙なズレを織り込みながら、推理小説の面白さを味わうことができる。ただ、南紀白浜を舞台にしながら、この地の魅力があまり伝わってこない。推移r小説に登場する女性は魅力的でなければならない、とわたしは思っているが、それが感じられない。 | ||||
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東京での殺人事件の後,紀伊白浜,串本などで次々と類似の殺人事件が起こる。 容疑者の何人かも殺され,容疑者の殺人者を逮捕する。 それでも事件は終わらず,根深い事件の全貌が最後に分かる。 十津川警部と地元警察の方針の違いが浮き彫りになる。 | ||||
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なんていうか、犯人の動機とかが一昔前じゃ理解できなかっただろうけど、昨今の性情勢だとかなり分かるものがあるなー。OLへの刻印殺人。うわぁーむごい!とか思いますし、愉快犯なのかも?とか思いながら読んでて、けっこう論理的な真相にはけっこうビックリ。トツガワがまたまた管轄違いなのにしゃしゃりでてます | ||||
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なんていうか、犯人の動機とかが一昔前じゃ理解できなかっただろうけど、昨今の性情勢だとかなり分かるものがあるなー。OLへの刻印殺人。うわぁーむごい!とか思いますし、愉快犯なのかも?とか思いながら読んでて、けっこう論理的な真相にはけっこうビックリ。トツガワがまたまた管轄違いなのにしゃしゃりでてます | ||||
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