本書に収めた五作は、「奇妙な味」を主題としている。

京都清水坂の陶器店「桔梗堂」の店主・杉尾万作が絞殺死体となって発見され、現場から、粉々になった抹茶茶碗が見つかった。

マレーシアの高原カメロン・ハイランドの密林に消えた大富豪。

学校という名の荒野をゆく、怖るべき中学生群像。名門秋川学園大付属中学3年A組の生徒が次々に惨殺された。

校内の更衣室で生徒指導の教師が青酸中毒で死んでいた。

自然の密室マレーシアのカメロン・ハイランドに忽然と消えたタイ・シルク王ジェームズ・ウイルバー。

探偵作家クラブの例会で、未発表の探偵小説を朗読して犯人捜しのゲームをすることになった。

春の選抜高校野球大会。優勝候補・亜細亜学園を相手に、1対0とリードした開陽高校は、9回裏二死満塁のピンチに追い込まれた。

和歌山駅前のホテルで弁護士が、そして串本の海中展望塔で仲間の会社社長が続いて殺された。

江戸には謎が多かった。下駄常親分は、きょうも思案に余って砂絵かきのセンセーのところへやって来る…。

池上鮎子の恋人で新聞記者の北条が、デートから京都へ戻る新幹線の車中で毒殺された。

社長令嬢が、ベンツに乗ったまま消息を絶った。

大学の最初の夏休みって、宿題も登校日も試験もない。う~ん、開放的。

まっ赤な肉の表面に針を植えたようなささくれのある舌、巨大な両眼に光る蛍光、黒ずんだ骨ばった顔―人間豹・恩田に最初の恋人を食い殺された神谷は、今また次の恋人レビューの女王・江川蘭子を降りしきる紙吹雪の中、奪われようとしている。

古びた西洋館の屋根にそびえる煉瓦の時計塔。ふと見上げた三人の少年は、角ある怪人の姿を塔上に見出し、慄然とする。

探偵小説芸術論を提唱した木々高太郎の代表的長編。第4回直木賞受賞作。

圧倒的支持で読書賞を受けた都会派ユーモア推理。第6回サントリーミステリー大賞読者賞受賞作。

モーツァルトの子守唄が世に出た時、“魔笛”作家が幽閉され、楽譜屋は奇怪な死に様をさらす―。

理想社会のシティ・システムは完全で、市民にとってそこは真の楽園であるはずだった。

恋人たちを引き離す最終新幹線シンデレラ・エクスプレスで知り合った麻子とまゆみは、結婚資金を作るため、株を始めた。

売り出し中の新人歌手・岡江麻希の身体に異常が生じた。

密室で殺された画家が遺した奇怪な遺言状。その内容通りに起こった若い女性の連続殺人…。

“雨”が女を強くした…。若い女性インテリア・デザイナー美有の初プロジェクトに妨害の数々。

真珠で知られる志摩半島英虞湾に男の他殺死体が浮かんだ。被害者は“悪”が売物の人気作家・袴田啓二郎である。

殺人現場から消えた太宰治の肖像画はどこに?遺されたメモ“コスモス、無残。マネク、ススキ。

警視庁捜査1課の片山義太郎と妹・晴美、石津刑事と三毛猫ホームズたちが、久しぶりに自宅で夕食をとっていると、TV局に勤める義太郎の中学時代の友達が訪れた。

箱が人を殺したって…?なにせ密室の中で殺人が起こって、そこには死体と箱しかなかったというのだ。

レイプ裁判をめぐり人生の深い迷路にわけ入る法廷推理。第6回サントリーミステリー大賞大賞受賞作。

“幽霊シリーズ”4冊目! 私、警視庁捜査1課のオニ警部。ホレた相棒・永井夕子は女子大生。

千坂通りの写真館主夕城香留に持ち込まれた縁談は、勿体ないような話だった。

「ウェディングドレスはお待ちかね」から1年。

小さな水産会社の社員友永が帰国した時、待っていたのは大学以来の親友兵藤が遭難したという知らせだった。

狂おしい愛、殺意の香り。復讐のラブ・ゲーム…。

夫を捨てて、突如出奔した母・絹子。

絹子は娘・麻沙子の説得にも応じず、ドナウの終点、黒海まで行くと言い張る。

芦花公園の近くでジョギング中のルポライターが殺された。数日後、今度はその恋人が車にはねられた。

盲目のマッサージ師が、白昼都電の車内で毒殺された。毒物はカプセルに詰められた砒素。

警視庁捜査一課の十津川警部は、三上刑事部長に、直ちに岡山へ発つように命じられた。

ギリシア神話の美青年アドニスの石膏像に潜み、レンブラントの名画を窺う怪人20面相!彼の美術品・宝石への飽くなき渇望は、「奇面城」と名づけらた隠れ家に、燦然たる美の宝庫を造りあげていた。

突如大発生し、甲府市を殱滅した数十億匹のネズミの大群は、二年前に滅び去ったはずであった。

先端技術企業の金庫から機密資料が漏洩した。容疑者の守衛は無罪。

唐渡美知子―32歳。探偵事務所の所長である。

月代和也、四十一歳、雑誌編集者。

ファーイースト30―すべての人間が尊重され、社会秩序を乱そうとする者ですら“紊乱者”と分類されて、その存在を容認されている理想社会。

京都に住む28歳の主婦・未知子は、銀行員の夫・邦夫の浮気に悩んだすえ、自立のための資金づくりと気晴らしに、ヘソクリ250万円で株をはじめた。

ショートショート千篇記念に休筆なるものをやった著者は、視野がひろがってしまった。

久我沼家を襲った犬神憑きの怪。

旗本木村軍之助の屋敷でばくちに負けた大工の棟梁が、美しい娘を借金のかたに奪われた娘の連れ戻しをたのまれた顎十郎こと仙波阿古十郎は、客を装って旗本屋敷に乗りこむ。

新幹線の中で見知らぬ男から預かった一通の封書。それは美少女棋士の香子を陰謀の渦の中へ引きずりこんだ。

使徒たちよ、涸れた油田地帯を血で染めよ!あらゆる物語要素を巻き込んで疾走する究極の冒険小説1600枚。

荒涼たる大地よ、生者と死者をその下に埋めよ!ベネズエラ・コロンビア国境地帯に、いま壮絶な殺戳の物語が始まる。

オートバイ事故で入院中の青年が病室の窓から、双眼鏡で目撃した「谷間の家」の恐るべき光景。

白い荒涼たる風土が、女と事件を育ててしまったのか。…雑居ビルへの放火で若いガードマンが不審な焼死をとげた。

ペア探偵、織田貞夫(おださだお)・土佐美郷(とさみさと)、大男と小女の愉快な山本山コンビが、死体なき殺人事件に挑む。

井上刑事の恋人直子の恩師井村典子が不倫。そして不倫相手のTV局員唐木が殺される。

平凡な会社員・鈴井伸夫のもとに、幼なじみと称する女が現れた。

兵士でありながら病ゆえに兵士を拒否された人間がフィリピンの原野に投げ出され、全くの孤独と不安の中で自然と自己を凝視しつつ到達した地点は…。

木立と清流にめぐまれた組屋敷。淡い恋、友情、そして非運と忍苦。

全国に名の知られた萩焼きの窯元の7代目唐木晃三郎の36歳も年下の美貌でグラマラスな妻美悦子が夫の留守中に強姦された。

慶明大学の考古学研究所から、法隆寺研究の鍵を握る木簡などが盗まれた。

死の渕から、いま、百舌が蘇える!極限のサスペンス長編をふたたび。

永遠に若く美しくありたいと願う少女の心を弄ぶ謎の老人。悪魔の秘薬に少女は生きたまま人形と化す。

能戸耕平は19歳、一浪してこの年ある私立大学の文学部に入学した。

「妻が殺された!」愛人・杉正彦の声が凶々しく響く。不安におののく細川知子は、杉と2人でひそかに死体を埋めた。

黒伏村の久我沼家は呪われていた。主・羊太郎の異常に気づいたのは、息子夫婦の佐一郎と千絵だった。

黒伏村の久我沼家は呪われていた。主・羊太郎の異常に気づいたのは、息子夫婦の佐一郎と千絵だった。

「たいへん」助手席のドアが開き、女が下りてきて、悲鳴を上げた。「あんたのせいだ。

カメラマンの高村は菊地に5万ペセタの貸しがあった。

かつて時代小説作家だった太田蘭三が、十余年ぶりに書下ろした“虚無の剣士”の実像。

大阪湾にかかる巨大な港大橋の上で現金輸送車が襲われ、二人が射殺された。

名古屋で駄菓子屋「ことぶき屋」を営む波川まつ尾(74歳)。

古びた洋館の一室、正装に身を包み大量の花の中に横たわって死んでいたのはこの館の主人で醜い容姿のために同僚たちから蔑まれ疎外されてきた男だった。

「もしわたしたちが、いつかおとなになることだけのためにうまれてきたのなら」海岸道路を走る車の中で映子は19歳のぼくにささやいた。

推理界をうならせた、江戸川乱歩賞受賞作「殺人の棋譜」、文壇随一の将棋通の著者ならではの「王将殺人」を収録。

早川法律事務所二課失踪人調査のプロ・佐久間公。

新制高校の新任教師、小谷真紀(オタヤン)が日直の日、校長(ホトケ)が青酸カリで毒殺される。

かつて文化人類学の学究だった志度正平は、あるできごとをきっかけに民間の破壊工作員となった。

ペルーの首都リマに到着した志度正平は、自分に酷似した日系の革命家ツトム・オオシタになりすまし、二人のインディオと共にゲリラの進発地チャカラコ渓谷に向け出発した。

ドブ掃除から映画館の席取りまで、なんでも引き受ける“なんでも屋大蔵”こと釘丸大蔵のもとに舞い込んで来る依頼の数々、浮気調査の報告書が盗まれた!猫が誘拐された!私は一体誰なんでしょう?…奇妙な依頼の背後に隠された意外な事件。

殺意はいつも愛のとなりに眠っている。著者本領発揮の本格ミステリー。

京都化野の念仏寺でキャサリンと知り合った大学病院の薬剤志岸田マキが毒死。

声の在所には銃口が待っていた。閃くオレンジ色の炎が立ちふさがり、何かがガチャッといって彼を捉えた。

将軍のあやまちを正すためには赤穂浪士の吉良邸討ち入りを成功させるほかないと判断した月森十兵衛は、同じ〔秘命〕をおびる大身旗本・中根正冬と秘策を練る。

浅野内匠頭(たくみのかみ)は吉良上野介(こうずけのすけ)へ刃傷におよび即日切腹となる。

妻に仕事といつわり、若い恋人と晩秋の湖を訪れた男に待ちうける、妻のむごい仕打ち。

友人の死に導かれ夜明けの穴にうずくまる僕。地獄を所有し、安保闘争で傷ついた鷹四。

神田の貧乏長屋につどう大道芸人ものごい連中が、砂絵のセンセーの指揮でとりくむ事件のかずかず。

会社から横領した1億円を持って北海道へ逃げた古谷伸行は、いつのまにか警察から殺人犯として追われる身になっていた。

悲業の死をとげた肉親の復讐をするため、刑場へ向かう途中、縄抜けして脱走した音次。

京都の春を彩る「ミス振袖コンテスト」。

隅田川近辺の川岸に建つ石とレンガの古色蒼然たる3階建ての洋館―元は正方形の屋敷だったものを対角線で真二つにしたため、付近の人々から三角屋敷とも三角館とも呼ばれる蛭蜂一族の洋館で、1月下旬の雪の日の深夜、突如として1発の銃声が鳴り響いた。

北能登・恋路海岸で、1発の銃弾が若い女性の肩をかすめた。

上野発・特急「ゆうづる5号」の個室寝台で新井が偶然同室した美女が姿を消し、盛岡駅近くで背中を刺されて死んでいた。

推理小説界の巨匠・江戸川乱歩が、戦後、昭和30年に書き下ろしで発表した野心的大作「十字路」。

東京湾、民間飛行競技大会で激しく競り合い、同時にパラシュートで降りた2人の美貌の青年こそ、宿命の仇敵同士である。

信州・諏訪湖畔に毒殺死体!被害者は、殺人で指名手配中の永沢洋三だった。現場から採取された謎の指紋。

男には、どうしても切離せない過去があった。心についた銹。