三重殺



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初公開日(参考)1991年01月
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長編小説

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三重殺 (講談社文庫)

1996年07月01日 三重殺 (講談社文庫)

刑事の私は、矢萩利幸という名を3度も聞いた。まず、首なしのバラバラ死体、次に首なしの焼死体、最後に崖から突き落とされた男の身元として……。顔は分からなくとも、死体が3つあるのだ。さらに犯人らしき人物も名前が同じ。最初に人を殺し、その後殺されたのか。怪事件の真相は?トリックミステリー。 (「BOOK」データベースより)




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三重殺の総合評価:7.50/10点レビュー 2件。Cランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

なかなかイケる

奥田哲也氏の小説は初めて読んだ。ちょっと斜めに構えた主人公の刑事の減らず口を織り交ぜた文体に最初はちょっと辟易したが、慣れてくるとなかなか面白い。
チャンドラーのマーロウを気取っていながら、あくまで三枚目であるという点が買える。我孫子武丸氏とはまた違った面白さがあった。

300ページに満たない本書はこの刑事の語りでほとんど全編ロジックが展開される。事件の渦中にある3人の男、加害者と目される片島青次、被害者と目される矢萩利幸、そして矢萩のボディガードとして事件に巻き込まれた新発田護のうち、誰が被害者で加害者なのかを3つの殺人事件でひたすらロジックの俎上で試行錯誤が繰り返される。
この非常に少ない人間関係を用いて語られる謎というのが矢萩利幸という名の人物が三度も殺人事件の被害者として挙げられるという点にある。関係者は3人。被害者も3人。では最後の犯人は?と謎を畳み掛けてくる。正にアイデアの勝利といった感じだ。

そして今回の主人公、名も無き私が実によい。後輩に見くびられないよう精一杯肩肘張って生きている三十代独身の刑事。毎晩遅く帰る生活で唯一の安らぎが読書。時たま近所の友人と場末のスナックで酒を嗜む。
一般的な刑事物に出てくる刑事とは一線を画す、小市民の生活が物語に時折織り込まれる。刑事ずれしていない刑事像をユーモア交えて語っている。

それは命のやり取り、人の人生に入り込んでいくような仕事をする人間ではなく、私も含めたあるサラリーマンの人生の一シーンのようだ。人の生き死にを生業としながらも、その実体はあくまで普通の人間なのだというところに好感が持てた。
と肩肘張った読み取り方を上に書いたが、作者の本質はもっと別なところにあるだろう。こういう刑事もいいもんでしょ?と読者に片目をつぶって微笑みかける、そんな作者の顔が目に浮かぶようだ。

非常に寡作な作家、奥田哲也氏。新本格ブームで次々と作家が頻出した90年のデビュー以後、発表作品はたったの5作。恐らく兼業作家なのだろう。
そして98年以降新作は発表していないようだ。ブームの衰退と共に消えていった数多の作家の中の1人、現状を鑑みるとそう結論付けられてしまうのは否めない。
しかし、佳作ながらも一読忘れ難い印象を残すこの作品。消え去るには勿体無いと心底思った。

Tetchy
WHOKS60S
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No.1:
(4pt)

3回殺される男

90年に講談社ノベルスが売り出した新本格系作家のうち、ブレイクしなかった組の奥田氏による本格ミステリー作品。 デビュー作はイマイチだったが、本作はだいぶんこなれてきた印象で、3度に渡って殺された被害者の名前が同じという不可能トリックに挑んだ意欲作だ。 鮎川哲也氏の黒いトランク的な死体の移動トリックによる偽装ネタだが、シンプルながらなかなか効果を挙げている。 新本格系作品としてはかなりマイナーな作品だが、当時ならではの青臭さも含めて楽しんでもらいたい作品である。
三重殺 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:三重殺 (講談社ノベルス)より
4061815253



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