蚊帳売りの声が江戸の夏を彩る頃、深川六間堀、金兵衛長屋に住む坂崎磐音はある決意を胸に抱いていた。

海路三十余日、速吸瀬戸を過ぎり、豊後関前を目指す御用船正徳丸。

加賀の海から水死体で発見された男。北海道・余市の自宅には、底に「卯」の字のある一体の古い素焼き人形が残されていた。

愛など捨てたはずだった。恋人を事故で失った若き日に。

夕子は北海道釧路地検に転勤になった。東京とはすべてスケールの違う生活に戸惑うなか、事件が発生した。

男たちの生き方に共感必至！ ＣＭ制作を手がける麻生は昔の恋人の窮地を救うため突飛な手を考えた！（「水母」）。

日本最強のヒロインが活躍する「千里眼」シリーズが、装いも新たに角川文庫に登場!元航空自衛隊初の女性戦闘機パイロットにして、現在臨床心理士の岬美由紀。

追憶は、ときに残酷である。誰もが胸に持つ忘れ得ぬ思い。

殺し屋軍団と恐れられた暴力団九鬼組の元組長・九鬼直正は、ひょんなことから重光ゆかりという少女と友達になった。

高杉青年に育てられる二人の少女、葵と弥生。

結婚八年目の記念にバリ島を訪れた中志郎と真智子。

戦の影が迫りくる武蔵野の谷、若かりしころ伊賀の忍びとして名を馳せた男がまた奔る。かけがえのない村を、命を守るために―。

「日本の刑務所は囚人に甘い!」―囚人が増えすぎた刑務所をどうするか。警察庁OBの花菱は画期的なアイデアを思いつく。

夏休みを前にした、1学期の終業式の日、東京下町にある中学校の、一年2組の男子生徒全員が、姿を消した。

夏休みに、廃工場に1週間立てこもった旧1年2組の仲間たちは、2学期になると新しい活動を開始した。

「剣鞘摩り替え」犯人の疑惑に甘んじる冬木を励まし、併せて自らをも鼓舞しながら、東堂太郎は、軍規に定められた兵の正当な権利である「不条理上申」「意見具申」を実行する。

「山の民」に置き去られた赤ん坊。

「ああっ、この本ページが足りないわ!」ある日遠子が図書館から借りてきた本は、切り裂かれ、ページが欠けていた―。

「先輩、ぼくの推理を聞いてもらえますか?」―幽霊が現れる下宿、地縛霊の仕業と噂される自動車事故、学校のプールに出没する河童…。

江戸・深川の料理屋「ふね屋」では、店の船出を飾る宴も終ろうとしていた。

「ふね屋」には五人の亡者が迷っていた。

風呂上りの火照った肌に鮮やかな刺青を躍らせた猛々しい男たちが、下穿き一つで集い、日々酒盛りに明け暮れる三村の家。

引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。

財産家のおばが住まう崖の館を訪れた高校生の涼子といとこたち。ここで二年前、おばの愛娘・千波は命を落とした。

雪降る札幌で青年・祐也と出会った天涯孤独の少女・飛鳥。二人の運命と苦しいほどの愛を描いた珠玉の名作。

イタリア人実業家の亡夫から相続した、小島の館に隠棲する日本人女性=レニエール夫人。

妃真加島で再び起きた殺人事件。その後、姿を消した四季を人は様々に噂した。

「それでも、人は、類型の中に夢を見ることが可能です」四季はそう言った。

掟やぶりの結末を書いた推理作家志望の学生が狙っていたものは?芥川の「鼻」をラストまで読まなかった悲劇とは?高速道路の大渋滞が決めた男の運命とは?如月透という偽名を用いた殺人者が陥った意外な罠とは?6つのミステリーすべてが衝撃のどんでん返し。

秋月伊織は笛の音で女を誘い出そうとする男とそれを阻む老夫の修羅場を目撃した。

末期ガンを患う西洋画の大家・篠崎源一郎が、入院先の病院から失踪した。

ズッコケ三人組のマドンナ北里真智子が29年前と同じく突然あらわれた!政界・財界に多くの顧客をもつ美しいカリスマ占い師となっての登場だ。

時の老中水野忠邦の策略による三方国替え。

タレント事務所の社長・早瀬沙也加は台風のさなか、セスナ機に乗り東京に向かうが、行方不明となってしまう。

交通事故で愛妻を失った大学講師が、入手したある作家の未発表手記。

「新宿」ナンバーワンガイド・外道棒八と「区外」の安西組組長は、新宿の古地図に記された宝を捜すため、美人助教授の冴葉美樹を同行するはめに陥った。

ライン川流域の古城「双月城」で起こった奇怪な殺人事件。

札幌のホテルで、美貌の女流画家が殺害された。被害者の周辺を捜査するうちに、容疑者として一人の人物が浮かび上がった。

傲慢、奇矯な若き天才画家が、自宅駐車場で刺殺死体となって発見された。その恋人は同夜、別の場所で毒死を遂げていた。

スキーバスのダム転落事故から生還した四人の男女は、八ヶ岳の山荘で共同生活を始めた。

心臓外科医を目指す夕紀は、誰にも言えないある目的を胸に秘めていた。

青春を、おかしくするのはつきものだ!阿良々木暦が直面する、完全無欠の委員長・羽川翼が魅せられた「怪異」とは―!?台湾から現れた新人イラストレーター、“光の魔術師”ことVOFANとのコンビもますます好調。

名立たる画人の贋絵を描いた廉で公事宿「鯉屋」へお預けの身となった扇絵師の定助。

過労死続出の職場を辞め、Uターンしたのが9年前。啓一は田園都市の市役所勤務。

シリーズ第一作「MAZE」で非凡な才能を見せた神原恵弥。その彼が北国のH市を訪れた。

「よーちゃん、人は死ぬものよ。それはたとえ、どんなに綺麗なお姫様であっても例外ではない。

北海道警察本部に警察庁から特別監察が入った。やってきた監察官は警察庁のキャリアである藤川警視正。

明治18年(1885)、日本ブームに沸くロンドンで日本風俗博覧会が好評を博していた。

殺人罪で六年の刑期を終えた小早川が出所し、熱海の町に帰ってきた。小早川の出所により、平穏な温泉町に緊張が走る。

実業家の中山は、謎めいた脅迫電話に悩まされていた。

1934年、ドイツ。

1942年、フランス。親衛隊所属となり過酷な戦いを強いられてきたカールは、束の間の休息を得ていた。

1938年、オーストリア。SSの中尉であるヘルマンは、失意の中にあった。

旧本陣・一柳家の長男・賢蔵と克子の結婚式が執り行われた夜、夫婦は無残な惨殺死体となって発見される。

犬神財閥の創始者・犬神佐兵衛が残した遺書。

旧本陣・一柳家の長男・賢蔵と克子の結婚式が執り行われた夜、夫婦は無残な惨殺死体となって発見される。

沖縄に空手の源流を求める旅をし、真の空手を極めることを、黒沢輝義と誓い合った英治郎。

お江戸長崎屋の離れでは、若だんな一太郎が昼ごはん。

豊かで美しい村の守り神である、帝国陸軍の九六式カノン砲「キャノン様」。だが、そこにはある秘密があった。

幸せな四人家族の長女として、何不自由なく育った弥生。ただ一つ欠けているのは、幼い頃の記憶。

しみじみ女が欲しい、ごく普通の恋人が欲しい―。切望して手酷く裏切られ、ついに手に入れた女と念願の同棲を始めるが…。

今野淳一、34歳。引き締まった体、ちょっと苦みばしったいい男。

広島県の三次駅で女性の死体が発見された。被害者は後鳥羽法皇にまつわる伝説のルートを旅していた正法寺美也子。

それは一見単純な怨恨殺人事件と思われた。少年院出の青年・刈谷努の犯行と誰も疑わなかった。

「帰りたい」と少年は強く願った。「一緒に」と少女は強く思った。

女吸血鬼探偵メグが引き受けたのはよくある妻の浮気調査のはずだった。監視を続ける家から人の気配が消えた。

刑務所帰りの旧友と再会し、執拗につきまとわれる滋郎。愛する家族を守るため、言うなりに金を払うのだが―(「再会」)。

新規クライアントの広告コンペに向け、辰村や戸塚らは全力を傾注する。そんな中、3通目の脅迫状が明子の夫の許に届いた。

大手広告代理店・東邦広告に勤める辰村祐介には、明子、勝哉という2人の幼馴染がいた。

その不動産会社は、立川が入社した際から怪しかった。東北限定、買占め一本槍という奇妙な社である。

頻発する身寄りのない孤独な男女の失踪事件。

彼は突然逝った。汚名だけを残して。

二〇〇一年九月八日、名探偵・弥生原公彦と探偵小説家・築島龍一の元に、警察庁の捜査官二人が捜査協力の要請にやってきた。

前回の事件から数か月後。被告人にして八雲の姉を名乗る女・美雪がもう1件の殺人を自白した。

将来が見えないことに苛立ちを感じていた亮。

秋田の貧しい小作農に生まれた富治は、伝統のマタギを生業とし、獣を狩る喜びを知るが、地主の一人娘と恋に落ち、村を追われる。

暴力団員の黒羽組の藤堂惣一郎は少年を車で轢いてしまう。明らかに死に至る事故。

『バーチの目的はドルーシア銀行の金塊。アラン・レイ高校からの侵入が考えられる』。

急行列車の多重密室、衆人環視の雪密室など、本格黄金期を代表する不可能犯罪の巨匠、ジョン・ディクスン・カーが遺した「最終定理」とは…? 俊傑8人の才が冴え渡るアンソロジー、全編書き下ろし。

医療界を震撼させたバチスタ・スキャンダルから1年半。

1873年、オスマン・トルコの辺境、ヒッサルリクの丘。

行方不明の父親を捜すため、倉西美波はアルバイトに励んでいる。

伊三次とお文の目下の心配事は少々気弱なひとり息子伊与太の成長。

富士山地下で、怪しげな低周波地震が頻発。そしてついに噴火。

私はなるべく彼女の目にとまるよう心がけてきた。

12月30日の夜、神奈川大学駅伝チームの女子マネージャーが誘拐され、監禁中の彼女の映像がTV局に届く。

小夜は12歳。人の心が聞こえる〈聞き耳〉の力を亡き母から受け継いだ。

動物園の飼育係が奇妙な暗号を残し、猿山で殺されていた。

あの晩、私は変な男を見た。

頑迷な男を襲う白昼夢。(「夕化粧」)人形作家の恐るべき新作。

新宿連続暴行事件―最初に事件が起きたのは、夏の始まり、7月の最初の週だった。

新宿連続暴行事件―最初に事件が起きたのは、夏の始まり、7月の最初の週だった。

ギャングの世代間抗争に端を発した拷問殺人の背後には、闇の軍属カトル・カールの存在があった。

警視庁組織犯罪対策部第四課の刑事・秋川恭介は、旧友の不審死をきっかけに権力の闇に踏み込んでいく。見え隠れする検察の影。

南北朝の争いから十年、平安を取り戻しつつある京の都。奇怪な歌に予言されるように京随一の遊女が惨殺された。

「山は半分殺してちょうどいい―」現代の狩人であるマタギを取材していた編集者・美佐子は動物写真家の吉本から教えられたその言葉に衝撃を受ける。

「パパが、ママが、帰ってこないの」警視庁捜査一課、岡部警部の部下・坂口を五歳の姪が訪ねて訴えた。

時代錯誤な家訓が邪魔をして結婚できない、勧修寺家の御曹司・文麿。

ピカソ、フェルメール、モネ、安井曾太郎、デューラーなど傷んだ肖像画にまつわる人物と、事件の謎をキャンバス越しに究明する美術ミステリー連作短編集。