魔術はささやく



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初公開日(参考)1989年12月
分類

長編小説

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魔術はささやく (宮部みゆきアーリーコレクション)

2008年01月01日 魔術はささやく (宮部みゆきアーリーコレクション)

マンションの屋上からの飛び降り、地下鉄への飛び込み、そしてタクシーへの飛び出し。無関係にしか見えない三つの死の背後には、一体どんな繋がりがあるというのか?たまたま事件に巻き込まれたタクシー運転手の甥・守は、知らず知らずのうち、事の真相を追っていくことになる―。「日本推理サスペンス大賞」を受賞した、宮部ミステリの原点。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.09pt

魔術はささやくの総合評価:8.11/10点レビュー 104件。Bランク


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全11件 1~11 1/1ページ
No.11:
(7pt)

魔術はささやくの感想

大御所宮部みゆき氏の初期作である。
今で言うデート商法を扱った社会派ミステリーのような体裁であるが、それは表面的なものであり、ではサスペンスミステリーと呼ぶのが正解かというと、それも付録のような物。
それならば、この小説の本質は何かというと、親子の愛、家族の愛、夫婦の愛、そしてそれに相反する欺瞞の愛を扱った愛の物語であろう。
とは言え、読み終わってさほどの「愛」への感動は味わえなかった。
やや消化不良気味である。
なぜだろう?
風呂敷を広げ過ぎて雑多になったのかな?


▼以下、ネタバレ感想

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マッチマッチ
L6YVSIUN
No.10:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

細部にまで破綻なくまとめ上げられた秀作

初期の作品にも関わらず、実に丁寧に細部まで考えて書かれまとめ上げられてることに、今さらながら宮部の驚くべき才能に感心させられた。
東野の初期作品に見られる荒々しさも、私は魅力と思っているが、年代も近いし、推理小説の枠に収まり切れず自由奔放に作風を広げているところも非常に似ている両者だが
東野はやはり男性的なダイナミックさ、宮部は女性的な繊細さで仕上げられている。
この二人に真保裕一を加えた3人が私の大のお気に入り作家なのだ。
ストーリーの進み方や必要に応じて適時、新しい事実や人物を加えながら、しかも人物がしっかり描けている点、宮部は天才だと思う。
ただ、逆に上手にまとめ上げられ100点の作品を読んでも、東野の白夜行や真保のホワイトアウトを読んだ後の、心が燃え尽きて空っぽになったような心地よい虚無的感動を感じることはない。
まあ、絶大の信頼を持って安心して読める作家という点では他の2人よりも優れているのは確かだ。
人それぞれ、作品に対する感想や評価は違うのは当たり前で、自分の評価を押し付けるつもりも、人の評価との違いを気にする気はさらさらないが、この作品も優等生的な素晴らしい作品ではあった。
満点にしなかった理由は、殺害方法に納得がいかなかったこと。
「そういうものなんだ」と書き手に言われたら、そういうものとして読み進めていくしかないが、モヤモヤとした不満が残った。
あと、不要なんじゃないか?と思った人物や逸話が少し多いような気がした。
例えば主人公の学校の不良少年・あねご・ひ弱な友人は登場させなくても作品にはまったく影響のない存在だと思うし
殺害方法を肯定させるため、あるいは違いを比較するために挿入されたサブミナル効果に関する疑惑や謎、しいてはバイト先の本屋や働く人たちも別に入れない方が、もう少しスッキリとしたような気がする。
とは言え、まず、他の作家には書けないような秀作であることは疑いの余地がない。
最も魅力的な登場人物:(あまり重要な役ではなかったが)喫茶「ケルベロス」の主人である三田村

mustang
PCGQIQ4X
No.9:
(7pt)

安心して読めるエンタメ作品

少し現実味に欠けるところがあります。

わたろう
0BCEGGR4
No.8:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

新聞の三行記事の裏側を描いた佳作

第2回日本推理サスペンス大賞受賞作。ちなみに第1回は受賞作は無しで優秀賞で乃波アサ氏が、続く第3回は高村薫氏が受賞している。このメンバーを見ても解るように新潮社主催で行われていたこの新人賞は現在でも第一線で活躍する作家を多く輩出しており、たった七年という短命な賞であったがその功績は非常に意義高い。
第1回では大賞無しという結果だったので、実質的に本作が大賞第1作目となるが、その栄誉に恥じない出来である。

都内各所で起こる女性の3件の自殺事件。一見何の関係もないそれらの死には実はある関係が隠されていることをある女性は知っていた。そして次のターゲットが自分だということも。
その3つの死の1つ、女性の飛び込み事故で加害者となったタクシー運転手の甥、日下守は微力ながら叔父を助けるべく、独自に事故の調査をしていくうちに真相に近づいていく。

なんとも地に足のついた小説だというのが第一の印象。通常新聞で三行記事として処理される瑣末な女性の自殺事件、そして交通事故。毎日洪水のように報道される数多の情報に埋没されてしまう事件はしかし、当事者には暗い翳を落とすのだ。たとえ事件が解決されても、適切に処理されても被害者、加害者の双方には一生消えない心の傷を残す。そんな誰もがいつ陥ってもおかしくない状況を一般市民の、当事者の視座から宮部氏はしっかりと描く。
私が感心したのはこの書き方だった。本格ミステリでも事件が起きる。死人も出るし、魔法で成されたとしか思えない不可解な状況での死体も出る。そこに警察が介入し、登場人物は予定を変更され、警察に拘束された毎日を過ごすはめになる。しかしそれらはどこか絵空事の風景としてか捉えることがなく、現実味に乏しかった。なぜなら本格ミステリそのものが読者と作者との知的ゲーム合戦の色合いを持っているからだ。だから読者は「そのとき」が起こった後に及ぼす当事者の状況には忖度しない。犯人と殺害方法が判明し、警察が逮捕されて事件は解決、そこで物語が閉じられるのがほとんどだからだ。
しかしこの小説は事件は普通によくある交通事故。その事故が及ぼす当事者達の生活への影響などを克明に書く。そのため、作中で起きている状況が読者の仮想体験として感じさせ、現実感が非常に色濃く出ているのだ。

それに加え、主人公を務める日下守という少年の造形が素晴らしい。幼い頃に父親が失踪―昔流行った言葉で云うならば“蒸発”―し、その影響で亡くなった母親の姉に引き取られることになったという境遇にある。しかも父親は会社の金を持ち逃げしたという噂があり、周囲からは「泥棒の子供」だと揶揄されているという、なんともつらい生活を送っている少年なのだ。が、しかし彼はそんな状況にも負けないタフなハートを持っており、おまけに特殊な特技を持っている。ネタバレにならないのでここで書いてしまうが、それは開錠の技術である。「おじいちゃん」から小さい頃に教えてもらった技術だが、これが実に物語に有機的に働く。この技術が日下少年に他人とは違うという自信を持たせ、さらにこれらの不幸な境遇が周囲の子供らよりも一段大人びた性格を持つに至ったという人物設定は非常に頷けるところがあり、もうこの日下少年という主人公だけで、私の中では本書は傑作になると確信していた。

が、しかしその後物語は私の思惑とは意外な方向に進む。
このギャップが私の中ではとても気持ち悪く、それが故に本書は佳作という評価に落ち着いてしまった。
確かに作者はこの突飛な技術を読者に納得させるように活用法に工夫を凝らし、詳細に説明を加えて、納得させようとしているが、物が物なだけになかなか現実感を伴って腑に落ちてこなかった。したがってクライマックスに訪れる日下少年の試練もまた深く心に浸透してこなかったのが非常に残念である。

さて発表から20年経ち、科学の発展と共に色んなことが解明され、新事実も発見されているが、果たして今本書を読んで手放しで賞賛できるかといえばそうとは思えない。それはやはりこの小説が備えている前半の現実感と後半の非現実感の乖離ゆえに。
ただしその一点は致命傷ではないようだ。なぜなら数十年経った今なお、本書は版を重ねて出版され、しかも新装版まで出版されているくらいだからだ。つまりは単に好みの問題ということだ。
『パーフェクト・ブルー』、『我らが隣人の犯罪』と比べてもその出来は数段よいことから、本書から宮部みゆきの今が始まったと云っても過言ではないだろう。


▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.7:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

今まででは一番

宮部女史のこれまでのベストは「ブレイブストーリー」であるが、サスペンス系では本書が一番となった。
物語の抑揚というところでは流石の運び方ではあったが、後々判明する事が大体想像できてしまうのが玉に瑕ではあった。
7点。

かいん
AGLSXFF0
No.6:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

魔術はささやくの感想

オーソドックスなミステリなのかと思いきや意外な展開に進んでいくので斬新な印象を受けました

最終列車
KU3TJU3C
No.5:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)
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魔術はささやくの感想

この作品を純然たるミステリとして捉えて読み進めてしまうと、後半の展開、物語の結末に首を傾げてしまう事になるかも知れませんね。
事件の謎解きに、ミステリ的「禁じ手」が用いられているからですが、まぁこれにより、評価が二分されるのも分かる気がします。
この作品の場合、物語の前半部は、被害者たちのミッシングリンクを追うという事が主眼になっていて、如何にもミステリ然としてますからね。
ただ、この作品はミステリではなくサスペンス風味の人間ドラマですよね。


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梁山泊
MTNH2G0O
No.4:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

魔術はささやくの感想

さすが宮部さん。
設定に少し無理がある気がしなくもないけど、それも、そう感じさせるリアリティがなせるわざ。
思いもよらぬ展開と構成力に評価8

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塞翁
6AR0FFJN
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

魔術はささやくの感想

宮部みゆきさんを初めて読んだのがこの小説でした。デビュー作なんですよね…、素晴らしいの一言。面白かった!

どんがばちょ
87JRS7CY
No.2:5人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

よく練られている

今さら宮部みゆきを褒めてもしょうがない気がするが、実によくできている作品だ。
連続して亡くなった3人の若い女性。そのいずれも殺人とは思われないのだが、4人目の被害者になるかもしれないとおびえる、もう一人の女性。これは、連続殺人なのか? というキーの物語で探偵役を務めるのが、なんと高校生の男の子。しかも、被害者の親族でもなければ、もちろん刑事や探偵でもない。それでも、探偵役になる必然性が設定されているから面白い。
さらに、主人公の少年自体にも解決すべき過去の重荷があり、これまた、物語の重要な部分を占めるという複雑さ。この二重、三重になって展開していく物語を破たんなく、面白く読ませる構成力はすばらしいの一言だ。
主人公の少年ができすぎた大人みたいに見えて、ちょっと苦笑したくなるところもあるが、まあご愛敬だろう。

iisan
927253Y1
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

魔術はささやくの感想

非現実的な一面があるが、物語はとても面白く読めた。
これは読ませ方がうまいと思う。

Ariroba78
5M53WTS6
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