衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。

クリスマスの朝、雪の校庭に急降下した14歳。彼の死を悼む声は小さかった。

あの晩、あの電話に出ていたら。同級生の殺人容疑で十四歳の息子・翼が逮捕された。

犯人は、13歳の少年だった。 娘の目の前で、桧山貴志の妻は殺された。

八年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。そう予告されてから五年が過ぎた頃。

阿南隼人の従兄・渓輔が、妻と子供二人を道連れに無理心中をはかった。彼は事件の数ヶ月前から悪夢に魘されていたらしい。

優太は、父が残した手紙に書かれた“福田ヨシ”を訪ねる。

ある一家で見つかった「ユリゴコロ」と題された4冊のノート。それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。

現世から冥界へ下っていく道を、古事記では“黄泉比良坂”と呼ぶ―。なだらかな坂を行く私に、登山姿の青年が声をかけてきた。

重い心筋症に冒された玲香の心臓は、外科医である父の願いもむなしく寿命が尽きかけていた。

一家惨殺事件のただひとりの生き残りとして、新たな人生を歩み始めた十歳の少女。だが、彼女の人生は、いつしか狂い始めた。

石屈日和は文具メーカーで働く三十歳。創業者の孫ということもあり、職場では恵まれた立場だ。

その「呪い」は26年前、ある「善意」から生まれた―。1998年、春。

玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも…死んだ猫だって。

タクシー運転手の野上雄貴は、GCS幼児教育センターから入社要請を受け、不審を抱く。

その孤島に招き寄せられたのは、たがいに面識もない、職業や年齢もさまざまな十人の男女だった。

学校という閉鎖空間に放たれた殺人鬼は高いIQと好青年の貌を持っていた。ピカレスクロマンの輝きを秘めた戦慄のサイコホラー。

殺人傷害事件で服役していた藤野組組員・真壁が出所した。