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魔術はささやく



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魔術はささやくの評価: 8.09/10点 レビュー 11件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.09pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全3件 1~3 1/1ページ
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

細部にまで破綻なくまとめ上げられた秀作

初期の作品にも関わらず、実に丁寧に細部まで考えて書かれまとめ上げられてることに、今さらながら宮部の驚くべき才能に感心させられた。
東野の初期作品に見られる荒々しさも、私は魅力と思っているが、年代も近いし、推理小説の枠に収まり切れず自由奔放に作風を広げているところも非常に似ている両者だが
東野はやはり男性的なダイナミックさ、宮部は女性的な繊細さで仕上げられている。
この二人に真保裕一を加えた3人が私の大のお気に入り作家なのだ。
ストーリーの進み方や必要に応じて適時、新しい事実や人物を加えながら、しかも人物がしっかり描けている点、宮部は天才だと思う。
ただ、逆に上手にまとめ上げられ100点の作品を読んでも、東野の白夜行や真保のホワイトアウトを読んだ後の、心が燃え尽きて空っぽになったような心地よい虚無的感動を感じることはない。
まあ、絶大の信頼を持って安心して読める作家という点では他の2人よりも優れているのは確かだ。
人それぞれ、作品に対する感想や評価は違うのは当たり前で、自分の評価を押し付けるつもりも、人の評価との違いを気にする気はさらさらないが、この作品も優等生的な素晴らしい作品ではあった。
満点にしなかった理由は、殺害方法に納得がいかなかったこと。
「そういうものなんだ」と書き手に言われたら、そういうものとして読み進めていくしかないが、モヤモヤとした不満が残った。
あと、不要なんじゃないか?と思った人物や逸話が少し多いような気がした。
例えば主人公の学校の不良少年・あねご・ひ弱な友人は登場させなくても作品にはまったく影響のない存在だと思うし
殺害方法を肯定させるため、あるいは違いを比較するために挿入されたサブミナル効果に関する疑惑や謎、しいてはバイト先の本屋や働く人たちも別に入れない方が、もう少しスッキリとしたような気がする。
とは言え、まず、他の作家には書けないような秀作であることは疑いの余地がない。
最も魅力的な登場人物:(あまり重要な役ではなかったが)喫茶「ケルベロス」の主人である三田村

mustang
PCGQIQ4X
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

魔術はささやくの感想

宮部みゆきさんを初めて読んだのがこの小説でした。デビュー作なんですよね…、素晴らしいの一言。面白かった!

どんがばちょ
87JRS7CY
No.1:5人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

よく練られている

今さら宮部みゆきを褒めてもしょうがない気がするが、実によくできている作品だ。
連続して亡くなった3人の若い女性。そのいずれも殺人とは思われないのだが、4人目の被害者になるかもしれないとおびえる、もう一人の女性。これは、連続殺人なのか? というキーの物語で探偵役を務めるのが、なんと高校生の男の子。しかも、被害者の親族でもなければ、もちろん刑事や探偵でもない。それでも、探偵役になる必然性が設定されているから面白い。
さらに、主人公の少年自体にも解決すべき過去の重荷があり、これまた、物語の重要な部分を占めるという複雑さ。この二重、三重になって展開していく物語を破たんなく、面白く読ませる構成力はすばらしいの一言だ。
主人公の少年ができすぎた大人みたいに見えて、ちょっと苦笑したくなるところもあるが、まあご愛敬だろう。

iisan
927253Y1

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