話があるんです―父の葬儀の翌日、一人の若者が訪ねてきた。

有名作家・梶井舜が、共同制作者として十数年、関係をもってきた愛人の津島七緒を包丁で刺殺し、翌朝、夫を探しに行った梶井の妻に発見された。

朝鮮出兵最前線の肥前名護屋の陣で、落魄の身となった宿命の2人の男が出会った。彼らの使命は血脈を伝えること。

私の部屋に置き忘れられた一冊のノート。はじめは手に取るつもりもなかったのに。

蜻蛉のような“恋愛小説家”のパパと暮らす荒野。

都内で発見された男性の絞殺死体。傍らに残された「タクサンノヒトガシヌ」という遺書は、大量殺人計画の存在を告げていた。

「私を誘拐してください」小宮山佐緒理は潤んだ瞳で俺の手を握りしめた―。

昔の美貌を残しながらも無表情、徹底して人とのかかわりを好まなかった藍子叔母。

桜島行きのフェリーの上で、鹿児島選出の代議士秘書が刺殺された。

おなかがすいたら料理をつくり、あとかたづけに、へやのそうじ、退屈すれば話し相手に。

昭和二十年夏、敗色濃厚の戦時下の日本。

30代。OL。

新堂レイは、誰もが知っているブランド、Ｈの広報に就職したばかりの新卒。

和菓子司の隠居、宇谷九一郎の住む宮脇町でも「老人相互処刑制度」が始まった。

「みなとみらい」の高層ビルを彼方に望む、横浜の下町“余毛”。

隣家の主婦に荒々しい欲望を抱く男。見つめられる視線のなかで徐々に熟れてゆく女。

倉橋長五郎政重は、徳川家御先手組にあって、無敵の大業“鬼落とし”で知られた槍の名手。

慶長の役における蔚山城の戦いや露梁津の海戦での武功により、政重の名は全国に鳴り響いていた。

ホテルの一室で著名な陶芸評論家・景山秀太郎が殺された。

亡き恋人との思い出の南房総を傷心旅行中、男は安房鴨川駅前の喫茶店で若い女と知りあう。

21歳の大学生・佐倉聖は腹違いの弟を養うため、元大物国会議員・大堂剛の事務所に事務員として勤めている。

幹部行員の裏金工作を追及した恋窪商太郎は、謂れなき罪を着せられメガバンクを辞職。

男の真の姿を見抜くという特異な能力を用いて裏社会でコンサルタントをする一匹狼の女、水原。

「ふふふふふ。蜘蛛を信じる仲間ですわ」。

「僕等は…知らず知らずのうちに誰かの張った―網に掛かっているようだ」。理事長の織作是亮までが殺害された聖ベルナール学院。

第25回野間文芸新人賞受賞作品 わずかずつ、かすかな輪郭を帯びてゆく日々。

宮本武蔵が撃つ!柳生宗矩が斬る! 死を賭して得た剣名、生を捨てて得た剣技、何人にも負けるわけにはいかない――。

宮本武蔵が撃つ!柳生宗矩が斬る! 死を賭して得た剣名、生を捨てて得た剣技、何人にも負けるわけにはいかない――。

テレビ制作会社で働く小野は、ある日耳にしたヴィオラ奏者の演奏に魂を揺さぶられ、番組制作を決意する。

和歌山での滞在を延ばした桑原崇たち一行。

元と瑠香をはじめ、銀杏が丘第一小学校五年一組の面々は、初めての移動教室に向けて大盛り上がり。

「今」を見事に描き切る、新しい才能の誕生。 気が付けば他人のファッションチェックまでしている完璧主義者の姉。

タフでもなければクールでもない。しかし、そうなろうとあがいている少年の物語。

盲目の霊能力者と、彼女をささえる仲間たち。過去の事件の真相と不思議な事象の真実を次から次へと暴き出す!快作ミステリー。

古物、骨董品を専門に扱う旗師・冬狐堂こと宇佐美陶子は、銀座の画廊で見たタペストリーに魅せられ、現金で全作品を買う約束をする。

十津川の大学時代の友人・早田が殺された。十津川は犯人を逮捕したが、容疑者と弁護士は余裕の笑みを浮かべる。

十津川警部宛に届いた一通の手紙。差出人は井岡さつきという女性。

十津川警部宛に届いた一通の手紙。差出人は井岡さつきという女性。

「レエ オグロアラダ ロゴ…」 ホラー作家の道尾が白峠村の河原で耳にした無気味な声。

大正歌壇の寵児・苑田岳葉。二度の心中未遂事件で、二人の女を死に迫いやり、その情死行を歌に遺して自害した天才歌人。

冬の渡月橋を臨む旅館で赤かぶ検事夫人と行天燎子警部補は、白い幽霊を見た。

純聖和学園の前生徒会長であり、おかしいくらい美しい存在。

その日、彼らの時は歪んだ。目覚めるとそこは戦乱の前夜だった―。

源義経と木曾義仲、乱世に突如登場した二人の武将は、いかにして英雄になりえたのか──。

たたき上げの副支店長、社内恋愛中のOL、お調子者の課長代理…出世のため、家族のために奮闘する行員たち。

一時間で一億円の大博打。池袋のカジノ売上金強奪。

北朝鮮からの亡命者を乗せたワシントン行き002便は、大雪のため遅れて離陸した。

天才ともてはやされた気鋭の面打ち師・京野英之は、同じく異端の面打ち師として名をはせる高井峰山の面に出会い、打ちのめされた。

最初にお断りをしておくが、この作品は小説である。

文芸誌の新人賞を獲った香山は舞い上がった。が、第二作で早くも挫折した彼は、苦し紛れに路上で小説を売る男から作品を買う。

あの日、雨宿りをしたばかりに十三歳の滋少年は、世にもおそろしい事件にまきこまれてしまいます。

岡山県の山間の集落・撓田。東京から転校してきた中学生が惨殺され、連続猟奇殺人事件の幕が上がる。

深夜営業の量販店を狙った連続爆弾テロが発生。標的は曰く付きの社長か。

8人の高校生は、死んだ仲間・葛西を甦らせようと死者復活の儀式・キタイを行う。

携帯型の核爆弾を持ったロシア人テロリストが東京都庁を占拠!未曾有の危機に都民全員への避難勧告が発令される。

「これはひどい」凄惨な光景に、

第31回江戸川乱歩賞受賞作。

名コンビ活躍の連作短篇集。

「こいつ、俺に気があるんじゃないか」―女性が隣に座っただけで、男はなぜこんな誤解をしてしまうのか?男女の恋愛問題から、ダイエットブームへの提言、野球人気を復活させるための画期的な改革案、さらには図書館利用者へのお願いまで。

特捜本部は栗橋・高井を犯人と認める記者会見を開き、前畑滋子は事件のルポを雑誌に連載しはじめた。

真犯人Xは生きている―。

ハードボイルド界の気鋭が放つ、傑作エンタテインメント! ボクサーとしての夢が破れて地元の松江に戻った池田は、教師として退屈な日々を送る。

置き去りにされた子供を捜して戦場を北上する。生きているはずがない赤子のために命を賭けたのは、なぜか。

切れるはずのないザイルは、なぜ切れたのか？　恋愛と男の友情を、緊密な構成でドラマティックに展開させた井上靖の傑作長篇。

割烹旅館で働く31歳の成沢民子は、脳軟化症で回復の見込みのない夫・寛次に縛られた暮しを若さの空費と考えていた。

執拗なまでに民子を追い続ける久恒は、高速路面公団理事の自殺、総裁人事の黒幕が鬼頭であることを確信する。

文豪・島崎藤村ゆかりの信州小諸の温泉に出かけた志垣警部は、ふたごを妊娠して一週間後に退職する小諸署の杉山優花巡査部長が、奇妙な殺人事件を捜査しているのを知る。

42歳の課長さん、17歳年下のキャリアガールに恋をする。おたくの職場、どうよ?ユーモアとリアリティ。

―それは何の変哲もない、ただの箱に見えた。幾分、湿った感触の、大きめの段ボール箱。

刀を捨て、妻子を顧みることもなく絵師の道を選んだ男が最後に見せた武士の矜持…。

秘伝の奥義で刺客を討て!白熱の第2弾 覚悟の主殺しを果たした本宮藤之助(ほんぐうとうのすけ)は将軍家定との謁見をすませ、旗本家当主座光寺為清(ざこうじためすが)に成り代わった。

開業間もない韓国新幹線を舞台にした、政府要人の暗殺計画を示唆する文書が、警視庁捜査一課に届いた。

南関東を襲った大地震によって荒廃し、動植物の異常な繁殖によって人外魔境となった旧幕張地区。

「大学の一年間なんてあっという間だ」入学、一人暮らし、新しい友人、麻雀、合コン…。

夏の終わり、山間に位置する聖マルグリット学園を少し早い秋の訪れを感じさせる、涼しい風が吹き抜ける。

私はかつて「僕」だった。犯すべきでない罪を犯した。

花園学園の名物トリオ、由利子、旭子、香子、+由利子の妹真由子。

以前、霧島三郎と妻・恭子の苦境を救った、恭子の親友・尾形悦子。

巨大商社・友倉産業が倒産した。

伊豆・鳥島の東北東で一夜にして小島が海中に没した。

とにかくその日が来る前に。政府は日本人全員を海外へ移住させるべく、極秘裏に世界各国との交渉に入った。

慶長七年(一六〇二)陰暦十月、常陸国北限、小生瀬の地に派遣された大藤嘉衛門は、野戦場の臭気が辺りに漂う中、百軒余りの家々から三百名以上の住民が消えるという奇怪な光景を目の当たりにする。

奥州衣川で非業の死を遂げた源義経。モンゴル帝国を築いたジンギスカン。

犯人が仕組んだ情死偽装トリック。容疑者には鉄壁のアリバイが…。

「週刊朝日」連載で百万読者を魅了した連作推理小説。(第一集)遭難、坂道の家。

「つかがわあゆみ様。

馴染みの退職刑事種谷からの突然の連絡。呼び出しの応じた“俺”を待っていたのは「殺人容疑者と親友になれ」という頼みだった。

「わたしは、情報員である前に人間でありたい」。

「俺の生甲斐は、酒だけじゃねえ。人を斬ることだ」その言葉に、男嫌いで通る博奕打・お蓮の胸はときめいた。

サラリーマンから探偵に転身した仁木順平と助手の美少女・安梨沙が営む小さな探偵事務所には今日も奇妙な事件が持ちこまれる。

古都の因習に名探偵、惑う!妖艶な和服美人の依頼をきっかけに伊集院は「幻の友禅」を巡る事件に巻き込まれた。

警視庁捜査一課の刑事・清水の恋人・みや子は、あどけない表情と暗い影を合わせ持っていた。

警視庁捜査一課の刑事・清水の恋人・みや子は、あどけない表情と暗い影を合わせ持っていた。

東京で起きた四件の連続殺人事件。犯行時の現場からは、いずれも津軽三味線の調べが聞こえていた。

日下刑事は、叔父である元刑事・黒田伸行のマンションを訪れた。彼の娘から、父と連絡が取れないと相談を受けたからだ。

スーパーカブを駆って日本一周をつづける、十九歳、浪人生のひと夏の物語。

ボクさんは四十代独身のアパート大家。少しとろいけれど、ご近所や店子の皆に愛されて幸福に暮らしている。

背中に鬣を持った福井・西暁の中学生、獅見朋成雄から立ち上がる神話的世界を舞城王太郎が疾走感あふれる文体で描き切る!ゼロ年代デビュー、「ゼロの波の新人」の第一走者が放つ傑作。