春めく浅草は、今日も多くの人でにぎわう。そんな陽気につられてか、甘味処栗丸堂はどこか落ち着かない。

第19回『このミステリーがすごい! 』大賞・隠し玉作品は、読売新聞記者が描く記者vs.カラス! 日本新聞社会部・環境班の権執印(ごんしゅういん)は、カラスが人を襲う件数が増加していることに気づいた。

クラウスがかつて打倒した冷酷無残のスパイ殺し“屍”が口を割ったことで、帝国が放つ正体不明の組織『蛇』の尻尾を掴んだスパイチーム『灯』は、その正体を暴くため敵が巣を張るムザイア合衆国の大都市ミータリオに降り立つ。

また一人、奇妙な傷を負った死体が発見された。

男はリビングでくつろいでいる。キッチンでは妻が夕食の支度をしている。

ずっと一緒にいられなくて、ごめん──。 犬と人間を巡る、情感あふれる7つの物語。

江戸川乱歩編『世界推理短編傑作集』収録作品よりあと、1950年代以降の短編ミステリの進化と豊饒を味わえる第4巻には、迫真の警察小説、珠玉のアイデアストーリー、隣接ジャンル〈幻想と怪奇〉の逸品、そして本アンソロジー初となる本邦初訳作品を含むアメリカ探偵作家ク

いつものように、探偵事務所で昼のＢＬＴサンドウィッチを食べていたおれ＝ジョー・ヴェニスのもとに、驚くべきニュースがもたらされた。

かつて母が在籍した「探偵部」に入部するために東京へ越してきた美玖。しかし探偵部はすでに廃部になっていた。

大分県杵築市では幻想的な光に包まれる「観月祭」の開催を前に、街は活気に満ちていた。

兵庫県芦屋市。元俳優の海里の職場は、夜だけ営業の定食屋「ばんめし屋」。

忍び寄るストーカーの影、マンションの隣人が失踪、そしてついに殺人事件が発生!? 　28歳のアナウンサー韮崎千尋は、深夜ラジオ番組の人気パーソナリティ。

その絵を見た片山はギョッとした。裸婦の胸にナイフが突き刺さり、乳房の谷間から流れる血が床へと広がる。

プーチンも戦慄する重大な軍事機密とは!? 次期警察庁長官候補の大江から非公式のオファーを受けた警察庁公安〈サクラ〉田臥は、ロシアのスパイ親子を青森から警察庁に陸路で連れていくことに。

両親と喧嘩をして実家を出た久美。 身を寄せたのは13年間疎遠だった兄の家だった。

愛による呪縛と、愛に囚われない生き方とを探る。野心的長篇小説! 長らく疎遠だった父が、死んだ。

「娘をさらった。要求を聞かねば、殺す」旭警察署警部補・阿部俊夫の愛児由美に誘拐の魔手が―。

頭の中で様々な状況を組み立てては、登場人物の心理に思いを馳せるのが作家シドニーの癖だった。

人類に絶望した天体物理学者・葉文潔(イエ・ウェンジエ)が宇宙に向けて発信したメッセージは、三つの太陽を持つ異星文明・三体世界に届いた。

陸前から江戸に出て剣の修行に励む若き日の千葉周作。天下の中西道場で、どうしても勝てない剣士がいた。

信平の鷹司松平家、御家断絶の噂走る。部下は慌てふためき、離れて暮らす妻の松姫は信平とともに暮らせることを期待する。

仏陀の死せる夜、デイアナの死する時、ネプチューンの北に一片の鱗あり…。偶然手にした不思議な暗号文を解読した園村。

紅葉の美しい京都・光明寺を訪れた女子大生の夕美は、歌舞伎役者の片岡秀三郎と出会う。

人々が住む場所を失い、食物を求めて街をさまよう国、盗みや殺人がもはや犯罪ですらなくなった国、死以外にそこから逃れるすべのない国。

図書館員のサイモンの元へ、未知の書籍商から送られてきた一冊の本。それは18世紀のサーカス団長が書いた日誌だった。

将軍綱吉との狩りの場で刺客に襲われ、傷を負ってしまった左近。

片桐真治は亡母の遺品から、行方不明だった母の弟・赤石の住所を知った。

日本版ハッブル宇宙望遠鏡を目指す「飛鳥」プロジェクトの若きリーダー、天文学者の刈谷天空は、専門外の領域で「天武天皇は唐の天文学者に操られていた」と発言、物議を醸していた。

ある夜、サンフランシスコの活気あふれるジャパンタウン近くで、一家全員が射殺される事件が起きた。

上場企業『ザイゼン』の社長財前彰太は、妻の由布子、娘の美華と三人で幸福に暮らしていた。

おちかに代わり三島屋次男坊・富次郎が新たな聞き手に。心揺さぶる極上の江戸怪談、新章突入─。

神秘主義詩人ウィリアム・ブレイクの預言詩に導かれ、障害を持って生まれた長男イーヨーとの共生の中で、真の幸福、家族の絆について深く思いを巡らす。

昭和三十年代前半、「水虫」とあだ名された貧相な面構えとひがみっぽい性格ながら、草創期の広告・放送業界をたくみに遊泳して芸能プロダクションの社長、出版社の経営者にのしあがっていく寺川友三。

エロ・グロ・ナンセンス華やかなりし昭和初期、たび重なる発禁にも屈せず、『ロシア大革命史』や『デカメロン』、『密戯指南』を秘密刊行し続けた、「好色出版の帝王」貝原北辰。

死に顔がもっている威厳と迫力に魅せられ、万国博に対抗して葬儀博の実現にかける「ガンめん」。

官吏任用試験に失敗した趙行徳は、開封の町で、全裸の西夏の女が売りに出されているのを救ってやった。

「ぼくはゴールデン街が好きで、嫌いだ」 「日本冒険小説協会公認酒場」と銘打ったバー〈マーロウ〉のアルバイト坂本は、本好きが集まるこの店でカウンターに立つ日々を送っていた。

胸アツ法廷エンタメ、心燃やす堂々の完結編 老弁護士トムにかつて煮え湯を飲まされたあの殺人鬼が脱獄し、最凶の殺し屋とともに血みどろの復讐劇の幕を開けた。

警視庁公安部OBの鷹田は絶句した。カルマ真仙教元信者の死刑囚から、秘かに五億円もの金を預かっている男がいたのだ。

伊豆の名門ホテルに政界の実力者三人が集まった。

ニューヨークはまるで妖怪のような都市だ。ここでは何が起きても不思議ではない。

地方競馬の騎手、一色純也。中堅だが成績は三流だ。

労働者相手の娯楽の街として栄えた多摩川市は、貧困、暴力、行くつく先は家庭崩壊と、児童相談所は休む暇もない。

江戸八百八町のその名も高い、神田白壁町の長屋にひとり住まいの捕物名人、それは泉屋文七こと、人呼んで“千両文七”!従う子分は合点勘八!さて、事件は…!?文七の長屋を訪れてきた武士は、肥前小城七万三千二百石、鍋島紀伊守の江戸屋敷の用人直江景樹と名乗った!突然の

安い原料から、莫大な利益を生み出す砂糖。その魅惑的な甘い汁に、蟻のように吸いよせられる人間の群れ。

ある朝、ヴィスティングの自宅の郵便箱に差出人不明の封書が届く。

「爆発事故発生」。一年生記者・佐藤亜紀良は深夜、ツイッターで奇妙なつぶやきを見つける。

江戸時代から続く福岡の探偵事務所の15代目・渡良瀬良平が、学校で起こるさまざまな事件を鮮やかに解決! 通夜のため実家に帰った八尋竜一は親戚の少女・久遠に「おじさんの思い出を教えて」と請われた。

「この世で一番の兵を探している」捷足の達人・道鬼斎は、天下に静謐をもたらす男を探し諸国をめぐる。

チョーサー、スコット、ロード・バイロン、イエーツ、エイケン、ベネ…これらの名高い詩人たちにはなにか共通するものがあるのだろうか?そう、彼らはみな、犯罪もの、あるいは探偵もの、あるいはサスペンスの短編を書いているのだ。

北海道は羊蹄山の東、支笏湖に連なる山間で競走馬を生産する風死狩牧場。起業に失敗した祐介はそこで働き始める。

実業家・堂林の所有馬が次々と故障。競馬記者の小林が疑惑を追う中、堂林の馬ジェメロがデビューを迎える。

廃墟に蠢く怪しい影 かつての豪華ホテルに封印されし痛ましい過去が 都市探険者たちに襲い掛かる！ 忍びこむ者——廃墟のもつ魅力に取り憑かれた彼らと共に、新聞記者バレンジャーはかつての豪華ホテルに潜入した。

驚異の頭脳に身体能力。そして、背に生えた美しき一対の翼―違法な人体実験の犠牲となった6人の天才児たち。

洋食店を営む檜垣は、ある日突然、小学3年生の孫娘・茜を殺されてしまう。

離婚した北沢藍が実家に戻ると、母と祖母がうら寂しく暮らしていた。

ドラマ化もされた大人気シリーズ第8弾! 京都にある、しもた屋。

戦国時代には数々の合戦の舞台裏で、徳川の治世にはその政の背後で、彼らは密かに戦い続けていた―。

東京都中野区で、二人の若いシングルマザーが相次いで射殺された。彼女達は、ともに売春を生業としていた。

妹を守るため、僕は探偵になった。

女子高生レーサーの千明は17歳。

あくどく裏金を貯め込む権力者たちから汚れた金を奪い取る秘密組織「オペレーション・ヴァルチュアー」。

劇画原作者・大日方徹は、人気劇画家の城友也と沖縄の神島を訪れた。

九州は玄界灘に浮かぶ壱岐、そのすぐそばのちっちゃな島に、赤沢観光がレジャーランド“イッキー王国”を建設した。

幼馴染みのおまつとの約束をたがえ奉公先の婿となり主人に収まった吉兵衛は、義母の苛烈な皮肉を浴びる日々だったが、おまつが聖坂下で女郎に身を落としていると知り…(「夜明けの雨」)。

神保亜子こと、通称味子。アジの干物が好物でついた仇名だが、所属プロ社長の勘違いから、なんとグルメ番組のレポーターに起用。

『ゆ、指か…!』西浅草署の刑事・高杉順平に送られてきた身元不明の人指し指。数日後、人指し指の無い死体が発見される。

二つの隆起と三つの穴を持つ奇妙な出土物をめぐって議論を戦わせる学者たち。

ついに、物語は『彼女』の故郷に至る。

学園祭を直前に控えた青瑛学園の掲示板に、不可解な書き込みがされた。

推理トリック研究家の久我京介のところへ、女子高生から手紙がとどいた。「父が青酸カリで毒死、警察は自殺と断定しました。

「もしわたしたちが、いつかおとなになることだけのためにうまれてきたのなら」海岸道路を走る車の中で映子は19歳のぼくにささやいた。

女性資産家を会長とする奇談クラブを舞台に、ゲストの語り手がミステリ、ファンタジーなどの奇談を語るスタイルの連作小説。

バベルの塔は崩落する。それが、合図だ!担ぎ込まれた病院の診察台。

社会の落伍者が集まるアパート「飛田ホテル」。刑期を終えたヤクザ者の有池が戻ると待っているはずの妻がいない。

橋岡恒彦は「名簿屋」の高城に雇われていた。名簿屋とは電話詐欺の標的リストを作る裏稼業だ。

うらぶれた漁師町浦粕に住みついた“私"の眼を通して、独特の狡猾さ、愉快さ、質朴さをもつ住人たちの生活ぶりを巧みな筆で捉える。

「明日から私の家庭教師をしてください」幼い頃遭遇した事故のトラウマで、医者の夢が断たれた僕。

幻のミステリ作品群に再び光を当てるべく発刊され、ミステリーファンの皆様にご好評を頂いている「ミステリ珍本シリーズ」。

次郎吉の目前で娘が腕を斬られた。娘は峰といい、奉公先の主人と通じ、その妻の恨みをかって襲われたのだった。

高価な調度品が割れ、蔵の壁が従業員の上に崩れ落ち―老舗旅館を襲う怪事。

屋上に神社を祀る、少し変わったビルで受付嬢として働く苑子。

『新青年』初代編集長として江戸川乱歩や横溝正史を見い出し、作家や翻訳者としても活躍した日本探偵小説界の偉人・森下雨村の創作探偵小説選第2弾。

生活安全部の現職警部補が轢き殺された。轢いたのは上司の車だが、事件の二日前に盗難に遭っていたという。

テオは17歳、アリスは5歳、そして二人は出会った。しかし、スペースマンと地上人の時の流れは平等ではない。