オリエント急行の殺人

評判

オリエント急行の殺人の評価:

4.23/5点 レビュー 218件。 S ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.23pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全338件 21〜40 2/17ページ
No.318
(4pt)

古典推理小説~不朽の名作

クリスティ作品に名作は多数ありますが,これはその最たるものといえるでしょう.本作品のプロットにはただただ度肝を抜かれるばかりです.本作に限らず,クリスティ作品は古典推理にしては比較的平易な文で読みやすいので,推理物の初心者にもお薦めです.
オリエント急行の殺人 (創元推理文庫 105-16) Amazon書評・レビュー: オリエント急行の殺人 (創元推理文庫 105-16)より
4488105165
No.317
(3pt)

定番、でもクラシック。

推理小説で気にもしたことはなかったけど、訳が少し古風。

奥付けを見ると、1959年初版で改版しているもの。

確かに犯人を「下手人」と訳してみたり。

長沼訳はあの時代としては見事なものだし、素晴らしい。
けど、坪内訳の沙翁劇のようなもので、装丁は新しくなっても中身はクラシック。

それゆえ、同時代の空気を吸った人間ならではの味わいがあるのは事実だけど。
他の翻訳も読み比べることを勧める。
オリエント急行の殺人 (創元推理文庫 105-16) Amazon書評・レビュー: オリエント急行の殺人 (創元推理文庫 105-16)より
4488105165
No.316
(5pt)

翻訳者が違うと、また味が出ますね

別の出版社のものを購入して読みました。

それはそれでいい味出しているとおもいます。
オリエント急行殺人事件 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: オリエント急行殺人事件 (角川文庫)より
4041064511
No.315
(5pt)

夏休み読書感想文

夏休み読書感想文、とのことで購入しました。地上波放送で気に入ったみたい。
オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151310088
No.314
(5pt)

完全犯罪は暴かれた

アガサクリスティ、2冊目です。 
偶然、オリエント急行にポワロが乗り合わせたことは、”運命”でした・・・。 
完全犯罪が、あばかれるということが、運命だったとのお話と思います。 
犯行が暴かれる際の、ドキドキ感を犯人が感じていたことがよく分かります。
オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151310088
No.313
(5pt)

映画やドラマを含め、おそらく世界で最も有名なミステリ

知らない人はいないのではと思うほど、おそらく世界で最も有名なミステリ小説。若いころに既読だが、新訳にもなっていることからあらためて読むことにした。
ドラマや映画を含めストーリーやトリックは知り尽くしているので、犯人像などに驚きを感じることはないが、登場人物の素性が一人ずつ明かされていくクライマックス・シーンはぞくぞくするほどのクオリティ。さすがにクリスティ、鮮やかである。
また、ひとつの結末を選ぶ最後のシーンは、映画やドラマのように余韻を残すものではなく、本作ではとてもあっさり。記憶以上にパズル小説に徹していることに驚いたが、これもまた良し。映画やドラマを観て読んだ気にはならず、一読することをお勧めする。
オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151310088
No.312
(4pt)

しおりは良い

オリエント急行のゲームをプレイしたら読み直したくなり、買いました。
ゲームの雰囲気が現代に寄せていたのですが、この翻訳はそれに合っている感じです。
もっと古き良きアガサ・クリスティの雰囲気を味わいたいと思うと微妙かもしれません。
オリエント急行殺人事件 (古典新訳文庫) Amazon書評・レビュー: オリエント急行殺人事件 (古典新訳文庫)より
4334753523
No.311
(4pt)

リンドバーグの愛児誘拐殺人への言霊鎮魂

<旧版本で再読>

 あまりにも有名な古典。たとえ読んでいなくても、犯人は知ってるという人が少なくないだろう。
 娘は知ってるだろうか。
 もし知らないようであれば、いずれ何らかの形で知らされてしまう前に、一読を進めておこう。

 事件発生、関係者から聞き取り、謎解きと、極限まで余分を削ぎ落した硬派な推理小説だが、意外に冒頭ポワロが見送りと挨拶するプラットホームに停車していたのは、シリアのアレッポ駅からイスタンブルに向けて発進しようとしているタウルス急行だったw【注1】

 シリアがシリヤと表記されていたり、イスタンブル(イスタンブール)がスタンブールと表記されていたり、名称表記にやや戸惑った。察するところ、ラ・サン・ソフィ寺院というのは、アヤ・ソフィアのことなのだろう。

 オリエント急行の行程は、現在の国割りでは、おそらくトルコ⇒ブルガリア⇒セルビア⇒クロアチア⇒スロベニア⇒イタリア⇒フランスのルートであったと思われる。列車が立ち往生したヴィンコヴチとブロッドの間というのはクロアチア領内だ。本作が発表された当時はユーゴスラビア王国であった。
 複数の国を跨ぐ列車内には、各国を通過中にはその国の警官が同乗するのが普通だったようで、しかし本作の事件発生当時、ユーゴスラビアの警官は乗っていなかったことを登場人物がぼやく場面があった。同地の治安は当時も悪かったようで、現に本作が上梓された1934年には、ユーゴスラビア国王アレクサンダル一世がマルセイユで暗殺されている……。倉山満に言わせると、こういった民族紛争の原因を作った戦犯の筆頭はウッドロー・ウィルソンである。

 もちろん再読だが、本作の重要な背景であるアームストロング家の事件が、『翼よあれがパリの灯だ』で有名なパイロット、チャールズ・リンドバーグの長男誘拐殺人事件を元にしていたとは、まったく覚えていなかった。
 実際の事件のほうは、――本当に有罪だったのかどうかは疑問があるらしいが――数年後に"犯人"が逮捕された。しかし本作執筆の時点では逮捕前だったというから、結末を含めて、言霊鎮魂にもなっているのが興味深い。
 それにしても、この事件に対して、著者の怒りが漏れ出ているのが興味深い。
 身の危険を感じていたラチェットは、列車の中で見かけたポワロに警護を依頼して、ポワロはにべもなく断るのだが、その際のポワロの言い分はこうだ。

「あなたの顔が気にいらないのですよ」(P.44)
ポワロは新聞の粗い写真で見ただけの筈だが、この時点でラチェットの正体に気がついていたw

 せっかく上に倉山満の名を挙げたので、これも一応書いておく。
 オリエント急行が走破するトルコ以西の欧州はコーカソイドの国だから不自然ではないのだが、オリエント急行の食堂車でブーク氏は、「あらゆる階層、あらゆる国籍、あらゆる年齢の人々が集っている」(P.36)と云った。その"あらゆる"の中に有色人種ははまずいなかったであろうことは指摘しておこう。
 ほかにもミセズ・ハバードは、「わたしたち、西洋の理想をとりいれて、東洋の人にそれを認めさせなくちゃなりませんわ」(P.39)なんて宣うが、特に彼らが差別主義なわけではなく、この時代の白人は、自分たち以外の人種のことをナチュラルに啓蒙、教育してやらねばならない劣った存在と見ていたということに他ならない。【注2】

 本作はたしか近年新たに映画化されたと記憶しているが、まず間違いなく、キャストの中には黒人がいるだろう。ドラマの『SHERLOCK(シャーロック)』のように、舞台を現代に移しているなら構わないのだが、時代そのままで有色人種を配置しているのでは?
 それは歴史改変だからやめてほしい。

 【注1】本作の描写の限りでは、ポワロはシリアでの事件のためにイギリスから招聘されたように読めるが、『メソポタミアの殺人』後にポワロがイスタンブルに滞在中なのを知って、渡りに船と依頼されたと読み取っておくべきだろう。

 【注2】白人による差別というと、つい過激な黒人との闘争を思い浮かべてしまうが、先日YouTubeでみたような、日本のアニメをアメリカでローカライズする際の改変問題についても、底には間違いなく他人種(他の思想信条)へのナチュラルな蔑視感覚があるのだと強く感じた。先の日米戦争でも、日本が暴発するに至った表面的な理由は、アメリカその他による禁油だが、より根源的な理由は、世界の大国入りして発言権の大きくなった黄色い猿への嫌がらせであった。
オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151310088
No.310
(5pt)

かか

よかった
オリエント急行殺人事件 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: オリエント急行殺人事件 (角川文庫)より
4041064511
No.309
(2pt)

本は悪くないと思うのだが翻訳が合わなかった

本自体は悪くないと思うのだが
翻訳により話の流れが不自然に感じイマイチとなってしまった
残念
オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151310088
No.308
(4pt)

展開がすごく気になる作品

前から気になっていたから購入。とてもサクサク読めました!一度は読んでほしい作品です!
オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151310088
No.307
(4pt)

現代推理小説ではない斬新な結末

映画でも有名な本著。今では当たり前のDNA鑑定すらできない雪の中の列車の中という奇妙な展開。そして最後の大どんでん返し。読んでて飽きなかった。一度は読んでおくべき普及の名作。エルキュールポアロの灰色の脳細胞をフルに活用したミステリー。
オリエント急行殺人事件 (古典新訳文庫) Amazon書評・レビュー: オリエント急行殺人事件 (古典新訳文庫)より
4334753523
No.306
(5pt)

改めて、このミステリの素晴らしさにしびれました。クリスティーに、乾杯

作品のからくりは分かっていたのですが(シドニー・ルメット監督の映画は、強く印象に残っています)、今回、山本やよい訳で読んでみて、改めて見事なミステリだなと、ため息ついてました。ラスト近くの展開など、涙が止まらなかったです。殊に、ある人物の正体が明かされた時(文庫本の404頁)、「おおっ!」と、心のなかで声をあげてました。

驚きのからくりを知っていてなお、堪能できる作品です。それはこのミステリが、トリックそれのみにもたれかかっているのではなく、大胆不敵なそのトリックを十全に生かすだけの仕掛けが、話の序盤から効果的に配置されていたからだと感じたんですね。
話の全体を見渡し、その時々に効果的な場面を持ってくるアガサ・クリスティーの大局観の素晴らしさ、お話作りのうまさったら、ほんと、ただならぬものがあるなあと唸らされました。

からくりを知っていても涙してしまった、この素晴らしいミステリに乾杯!
オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151310088
No.305
(2pt)

やっぱり日本のミステリーが好き

期待して読みましたが、それほど面白くはなかったです。やっぱり日本のミステリーの方がいいですね。
オリエント急行殺人事件 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: オリエント急行殺人事件 (角川文庫)より
4041064511
No.304
(5pt)

人間が書いたとは思えないほど精緻なプロット

今更ながら、アガサ・クリスティを読んでいます。
今まで、日本人のミステリー作品の中でも何度も名前が出てきたアガサ・クリスティでしたが、古いのと翻訳ものなのとで敬遠しておりました。
読んでみたら、時間の経過を忘れるほど没入しました。
しかも、私の場合、著者の作品によくある話ですが、この作品の犯人を読む前から知っていたのです。しかし、それでもページをめくる手が止まりませんでした。
ネタバレ無しで読めた人は、最高の気分を味わえたのではないでしょうか。
オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151300082
No.303
(2pt)

欧米社会のいちばん嫌らしくて恥な部分  [ネタバレあります]

オリエント急行の殺人
(1では5ツ星だが2で星がひとつ減り3でさらにふたつ落とした。)

1 雪に閉じ込められた国際列車内での極めて特異なアイディアの殺人事件をポワロ物独特の雰囲気の中で読ませるエンターテイメント作品。

2 ただ、本格推理小説としては甘い。

(以下、ネタバレがありますので未読の方は読まないでください。)

 解決のために必要な情報がポワロだけが知っていて読者には知らされないまま解決部に至る。解決説明になってからポワロにベラベラ喋られても困るのである。

 腑に落ちない点もいくつかある。
 これだけの人間が車掌の勤務日に合わせて乗ってくるのは難しい。(車掌の方が勤務日を犯行日に合わせたのだろうが。)
 予約が一斉に取られればあやしまれる。かといってバラけて取れば、他の関係ない乗客に予約され全員同じ車両に乗れないし犯行の重大な障害になる。
 そもそもその日にラチェットにも予約を取らせるのが難しい。いくら秘書として共犯者を送り込んでいても、ラチェットなら買いもの等の理由で簡単に予定を変更することがある。
 この面子は2度も3度も集まれるようなものではないのだ。
 犯人側からすれば同じようにやるならラチェットが滞在中の町のどこか目立たぬ場所でやる方が楽な気がする。何も遠い外国の国際列車内でやることもあるまい。
 ラチェットに脅迫の手紙すら送って警戒させている。Daisy Armstrongとまで書いてハッキリと敵が何処の連中なのか知らせている。ラチェットは狡猾なのだから、列車がいやに混んでいる事を不審に思うはずである。乗客の顔をよく見てチェックしないわけがない。
 推理小説として素晴らしい犯行舞台・道具建てが優先したのだろう。

 ラチェットの隣室であるハッバード夫人が騒ぎ立てる必要はないのでは?
 睡眠薬を盛られているとはいえ隣で騒いだり捜索があればラチェットは目を覚まし、機嫌を悪くしてそのまま起きているかもしれない。ポワロの部屋もふたつ隣である。計画は流れてしまう。そんなことをするだろうか。
 そして決定的にありえないのはリンダ・アーデンがハッバード夫人だという筋。顔を変える変装でもしていたのだろうか? いくらなんでも、有名女優ともなれば21世紀の現在ほどではないにせよその顔を知っている人物にいつ何時出食わさないとも言えないではないか。
 というか、ラチェットもリンダ・アーデンの顔を知っている。そしてハッバード夫人は列車内できわめて目立つ言動を繰り返している。部屋もラチェットの隣である。ありえない。

 被疑者がポワロに問い詰められてあっさりと認めてしまうところも何となく気が抜ける点である。逃げることができない推理の論理によって攻撃者であった犯行者が逆に追い詰められるところが推理小説の味というもの。

3 最後に、非常に後味が悪いのは、やはり上流階級の人間たちが家族の愛だの正義だのを理由にして私刑を集団的組織的に行っているという構図である。これは欧米社会のいちばん嫌らしくて恥な部分である。
 ポワロとしても大事な顧客層を警察に突き出すのは評判上好ましくなく、一応真相を発見した事は見せておいてからこれを放免するのは二重に彼の評判を上げる事になる。
 映画版で見るとここらへんの嫌らしさは犯人たちが抱き合ったりキスしあったり乾杯したりしているラストシーンでさらに腐臭を加えていた。
オリエント急行の殺人 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: オリエント急行の殺人 (創元推理文庫)より
4488105394
No.302
(2pt)

欧米社会のいちばん嫌らしくて恥な部分  [ネタバレあります]

オリエント急行の殺人
(1では5ツ星だが2で星がひとつ減り3でさらにふたつ落とした。)

1 雪に閉じ込められた国際列車内での極めて特異なアイディアの殺人事件をポワロ物独特の雰囲気の中で読ませるエンターテイメント作品。

2 ただ、本格推理小説としては甘い。

(以下、ネタバレがありますので未読の方は読まないでください。)

 解決のために必要な情報がポワロだけが知っていて読者には知らされないまま解決部に至る。解決説明になってからポワロにベラベラ喋られても困るのである。

 腑に落ちない点もいくつかある。
 これだけの人間が車掌の勤務日に合わせて乗ってくるのは難しい。(車掌の方が勤務日を犯行日に合わせたのだろうが。)
 予約が一斉に取られればあやしまれる。かといってバラけて取れば、他の関係ない乗客に予約され全員同じ車両に乗れないし犯行の重大な障害になる。
 そもそもその日にラチェットにも予約を取らせるのが難しい。いくら秘書として共犯者を送り込んでいても、ラチェットなら買いもの等の理由で簡単に予定を変更することがある。
 この面子は2度も3度も集まれるようなものではないのだ。
 犯人側からすれば同じようにやるならラチェットが滞在中の町のどこか目立たぬ場所でやる方が楽な気がする。何も遠い外国の国際列車内でやることもあるまい。
 ラチェットに脅迫の手紙すら送って警戒させている。Daisy Armstrongとまで書いてハッキリと敵が何処の連中なのか知らせている。ラチェットは狡猾なのだから、列車がいやに混んでいる事を不審に思うはずである。乗客の顔をよく見てチェックしないわけがない。
 推理小説として素晴らしい犯行舞台・道具建てが優先したのだろう。

 ラチェットの隣室であるハッバード夫人が騒ぎ立てる必要はないのでは?
 睡眠薬を盛られているとはいえ隣で騒いだり捜索があればラチェットは目を覚まし、機嫌を悪くしてそのまま起きているかもしれない。ポワロの部屋もふたつ隣である。計画は流れてしまう。そんなことをするだろうか。
 そして決定的にありえないのはリンダ・アーデンがハッバード夫人だという筋。顔を変える変装でもしていたのだろうか? いくらなんでも、有名女優ともなれば21世紀の現在ほどではないにせよその顔を知っている人物にいつ何時出食わさないとも言えないではないか。
 というか、ラチェットもリンダ・アーデンの顔を知っている。そしてハッバード夫人は列車内できわめて目立つ言動を繰り返している。部屋もラチェットの隣である。ありえない。

 被疑者がポワロに問い詰められてあっさりと認めてしまうところも何となく気が抜ける点である。逃げることができない推理の論理によって攻撃者であった犯行者が逆に追い詰められるところが推理小説の味というもの。

3 最後に、非常に後味が悪いのは、やはり上流階級の人間たちが家族の愛だの正義だのを理由にして私刑を集団的組織的に行っているという構図である。これは欧米社会のいちばん嫌らしくて恥な部分である。
 ポワロとしても大事な顧客層を警察に突き出すのは評判上好ましくなく、一応真相を発見した事は見せておいてからこれを放免するのは二重に彼の評判を上げる事になる。
 映画版で見るとここらへんの嫌らしさは犯人たちが抱き合ったりキスしあったり乾杯したりしているラストシーンでさらに腐臭を加えていた。
オリエント急行の殺人 (1959年) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: オリエント急行の殺人 (1959年) (創元推理文庫)より
B000JARN5Q
No.301
(2pt)

欧米社会のいちばん嫌らしくて恥な部分  [ネタバレあります]

オリエント急行の殺人
(1では5ツ星だが2で星がひとつ減り3でさらにふたつ落とした。)

1 雪に閉じ込められた国際列車内での極めて特異なアイディアの殺人事件をポワロ物独特の雰囲気の中で読ませるエンターテイメント作品。

2 ただ、本格推理小説としては甘い。

(以下、ネタバレがありますので未読の方は読まないでください。)

 解決のために必要な情報がポワロだけが知っていて読者には知らされないまま解決部に至る。解決説明になってからポワロにベラベラ喋られても困るのである。

 腑に落ちない点もいくつかある。
 これだけの人間が車掌の勤務日に合わせて乗ってくるのは難しい。(車掌の方が勤務日を犯行日に合わせたのだろうが。)
 予約が一斉に取られればあやしまれる。かといってバラけて取れば、他の関係ない乗客に予約され全員同じ車両に乗れないし犯行の重大な障害になる。
 そもそもその日にラチェットにも予約を取らせるのが難しい。いくら秘書として共犯者を送り込んでいても、ラチェットなら買いもの等の理由で簡単に予定を変更することがある。
 この面子は2度も3度も集まれるようなものではないのだ。
 犯人側からすれば同じようにやるならラチェットが滞在中の町のどこか目立たぬ場所でやる方が楽な気がする。何も遠い外国の国際列車内でやることもあるまい。
 ラチェットに脅迫の手紙すら送って警戒させている。Daisy Armstrongとまで書いてハッキリと敵が何処の連中なのか知らせている。ラチェットは狡猾なのだから、列車がいやに混んでいる事を不審に思うはずである。乗客の顔をよく見てチェックしないわけがない。
 推理小説として素晴らしい犯行舞台・道具建てが優先したのだろう。

 ラチェットの隣室であるハッバード夫人が騒ぎ立てる必要はないのでは?
 睡眠薬を盛られているとはいえ隣で騒いだり捜索があればラチェットは目を覚まし、機嫌を悪くしてそのまま起きているかもしれない。ポワロの部屋もふたつ隣である。計画は流れてしまう。そんなことをするだろうか。
 そして決定的にありえないのはリンダ・アーデンがハッバード夫人だという筋。顔を変える変装でもしていたのだろうか? いくらなんでも、有名女優ともなれば21世紀の現在ほどではないにせよその顔を知っている人物にいつ何時出食わさないとも言えないではないか。
 というか、ラチェットもリンダ・アーデンの顔を知っている。そしてハッバード夫人は列車内できわめて目立つ言動を繰り返している。部屋もラチェットの隣である。ありえない。

 被疑者がポワロに問い詰められてあっさりと認めてしまうところも何となく気が抜ける点である。逃げることができない推理の論理によって攻撃者であった犯行者が逆に追い詰められるところが推理小説の味というもの。

3 最後に、非常に後味が悪いのは、やはり上流階級の人間たちが家族の愛だの正義だのを理由にして私刑を集団的組織的に行っているという構図である。これは欧米社会のいちばん嫌らしくて恥な部分である。
 ポワロとしても大事な顧客層を警察に突き出すのは評判上好ましくなく、一応真相を発見した事は見せておいてからこれを放免するのは二重に彼の評判を上げる事になる。
 映画版で見るとここらへんの嫌らしさは犯人たちが抱き合ったりキスしあったり乾杯したりしているラストシーンでさらに腐臭を加えていた。
オリエント急行の殺人 (創元推理文庫 105-16) Amazon書評・レビュー: オリエント急行の殺人 (創元推理文庫 105-16)より
4488105165
No.300
(1pt)

人を殺すミステリーは嫌だな…!

殺人以外のミステリーは無いの?
あまりにeasy…
オリエント急行殺人事件 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: オリエント急行殺人事件 (角川文庫)より
4041064511
No.299
(5pt)

映画をみて犯人を知っていても楽しめるミステリー小説

クリスティー作品ベスト3といえば本作と「そして誰もいなくなった」「アクロイド殺し」だと言って、ほぼ間違いないと思いますが、映画化、テレビドラマ化による一般の知名度で言えば、本作がダントツではないでしょうか。

私もご多分にもれず、原作を読む前に映画 (1974年版、2017年版) を2つとも観ていました。
ただし犯人を知っても、それなりに年月が過ぎればその名前をすっかり忘れてしまう、ということも間々あります。が、「オリエント急行・・・・」だけは、私のように忘れっぽい人間でも犯人を忘れることは、どだい不可能です。

でも、幸いなことに、「オリエント急行・・・・」にかんしては、犯人が分かっていても充分楽しめます。
理由はいくつかありますが、国籍も身分や職業もさまざまな男女の乗客のキャラクターが光っているというのが大きいと思います。もちろん、事件の舞台がオリエント急行という有名な豪華国際列車ということもあるでしょうし、犯人が分かっている読者でさえ驚かざるをえない意外な結末ということもあると思います。

要するにそれらの理由が相まって、本作をクリスティー屈指の傑作たらしめているのだと思います。
オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) Amazon書評・レビュー: オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
4151310088