ふと入ったカレー屋で音道は、男が店主に「こいつは俺の女房を殺した」と怒鳴る場面に遭遇する―男同士の絆が無惨に引き裂かれてゆく様子を描いた表題作。

カメラマンとして活躍するアバタンジェロは、陰では麻薬密輸組織のリーダーでもあった。

妙な音が一晩中聞こえてなかなか寝つけなかった。目覚めると、佐知子の家は深い森に包まれていた。

こいつ、なかなかいいやつなんだ、幽霊であることを除いては…ハンバーガーショップで働く「僕」は、ある雨の晩、ひき逃げを目撃したばかりに、死んだ若者の幽霊にまとわりつかれる羽目に。

地味で目立たぬOL本田小百合は、ۢ

間違ってもいいから、この恋を選ぶ。そう思ったこと、ありませんか?「東京湾景」の著者が送る、最新長編ラブストーリー。

造園設計家・恵門は、記憶の中にぽっかりと空白があるのに気付いた。

元ヤンキーの美穂と女遊びに余念がない知弘。二人の夫婦仲は冷え切り、息子も登校を嫌がっている。

天鏡峠につらなる山襞に建つ合掌造りの一軒家。かつては大家族がいたこの家に、いまは母と息子だけが暮している。

植物人間を覚醒させる能力を持つ人がいるという噂と、各地で起きる奇妙な誘拐事件。

おまえの詩は盗作だ、と指弾される詩人。死ぬときの姿勢にこだわる入院患者…。

パチンコ、麻雀、競馬、競輪…。「庶民の娯楽」という美名の陰で、急速に増えつづける依存者の群れ。

ミサイルが国連本部ビルに撃ちこまれた―双頭の弾頭にはサリンと炭疽菌が積まれていた。

国防総省のコンピューター・システムがサイバー・テロによって崩壊した。

小さな広告代理店に勤める僕は、学生時代に事故で失った恋人の習慣だった「五分遅れの目覚まし時計」を今も使っている。

「砂漠で毛布を売らないか」IT企業の社長・野毛さんに誘われるまま会社を移った僕は、バイトと二人きりの職場で新しく働き始める。

空飛ぶ一家と家族の交換。額に書かれた自分の名前。

突然、男の腕に抱きしめられ、唇が塞がれた。

37歳女性、入社15年目、独身バツなし。ついでに恋人・人望ともにナシ…。

都から伊勢神宮へ遣わされた皇女の通い路であった滋賀県土山で、その「斎王群行」を題材にした映画のロケ中に地元の青年が殺される。

情熱など失ったはずだった。あの日、恋人を亡くした海岸通りで。

日本の銀行マンと結婚したフィリピン女性が、転勤で九州から新潟へ移った途端に経験した、雪国という未知の空間。

1943年9月。ムッソリーニが失脚したイタリアではドイツ軍が暴虐の限りを尽くしていた。

土地の不正取引で、環境保全団体の活動家が惨殺された。容疑者として逮捕されたのは、ワイオミングの捜査官アントンの兄。

死刑執行を控えた男に、最後通牒が宣告された。「期限内に、過去の自分と対面し、犯行を思いとどまるよう説得せよ。

先輩の大学院生の不審な死にもめげず、古書『ヒュプネロトマキア・ポリフィリ』の秘密を解く糸口を掴んだポールは研究に没頭する。

「天下布武」―武力を背景に世を変革してゆく信長は、天正九年、安土を中心に磐石の体制を築いていた。

「王権守護」―甲斐武田家を滅ぼし、さらに勢力を増した信長は、いつしか朝廷の禁忌に触れつつあった。

新宿で最も有名な探偵“眠り猫”。俺はその息子だ。

新宿で最も有名な探偵“眠り猫”。俺はその息子だ。

1497年、ローマ郊外の教会に二人の使者が送られた。

「いやはや、とんでもない女と組んだものだ」ハッタリと出任せには俺も自信があるが、相方は一枚も二枚も上手。

1865年。南北戦争の傷痕も生々しいボストンとケンブリッジで、猟奇殺人が続発する。

突然、男の腕に抱きしめられ、唇が塞がれた。

悪名高き英国人テロリスト、通称ハープナーがカスピ海のイラン石油掘削施設を爆破した。

海峡で消息を絶ったのは、弟に船長を任せた船だった。乗組員は全て死亡したと聞く。

中西部の都市スティールトンでは、球場建設の是非を焦点に、現職市長と郡検事プライトとの熾烈な市長選が繰り広げられていた。

変死した弁護士ノヴァクは、麻薬の不正取引に関わっていた。

夜を徹して八十キロを歩き通すという、高校生活最後の一大イベント「歩行祭」。

犬神や白沢、屏風のぞきに鳴家など、摩訶不思議な妖怪に守られながら、今日も元気に(?)寝込んでいる日本橋大店の若旦那・一太郎に持ち込まれるは、お江戸を騒がす難事件の数々―愛嬌たっぷり、愉快で不思議な人情妖怪推理帖。

この俺が、超赤字テーマパークを立て直す?!たとえ何にもしなくても、毎朝デスクにたどり着きさえすれば満点なのが、正しいお役所ライフのはずなのに…。

愛する者を失った「私」は、他人が知れば驚愕するような、ある物を持ち歩いている。

それは百年ほど前の、岡山でのこと。

17歳の鴇谷春生は、自らの名に「鴇」の文字があることからトキへのシンパシーを感じている。

1918年、「オデッサの星」は革命直後のロシアから出航した。極秘の荷物と乗客を載せて―。

ラゾフの狙いは、世界の海底に眠るメタン・ハイドレートと判明した。

英国の秘密情報部MRUに属するジャックに、奇妙な任務が下された。

地球を離れ四百時間、惑星「ズヴゥフル5」の大学で出会った少女「耀奈」。その胸には真紅のネックレスが輝いていた…。

それは百年ほど前の、岡山でのこ

都が氷に閉ざされた。いつまでも春が来ない。

事件はなぜ起こったか。殺されたのは「誰」で、いったい「誰」が殺人者であったのか―。

まさか、あんなことが起こるなんて思わなかった。あふれだす血、動かない体。

愛したことが間違いなんじゃない。ただ少し、愛し方を間違えただけ──。

「あのころにくらべれば、いまのおれは心身ともに小さくかがんで生きているとは言えぬか」 姿なき暗殺者は何に怯えてみなごろしの凶刃を振うのか! 登場時26歳だった又八郎も40も半ば、16年後の物語。

ぼくの名はエイジ。東京郊外・桜ヶ丘ニュータウンにある中学の二年生。

ささやかだが平穏な暮らしが、その日、失われた。怪しい男たちが訪れた時刻から。

浚介は游子の病室を訪れた。二つの心は、次第に寄り添ってゆく。

私はまだ死んでいない、死んでいないはずだ。ゴルフをしていて倒れた、ただそれだけだ。

ベッドの枕に置かれた封筒。中には祝福の手紙(「きみはついてるな!」)と25セント硬貨。

あっという間にアカの他人。でも実はまだ切れていない、「彼」と私の仲。

三村の家では毎晩が酒盛りだった。若い男どもが、風呂上りのからだに下穿き一つで出入りする大家族。

人気作家は、祖国を追われた。流浪の果てに着いた北欧の町。

州に昇格して間もないワイオミングの刑務所から、3人の凶悪犯が逃亡した。

青い左眼をした沙奈とのセックスのあと、気がつけば快速に乗り新宿に着いていた。慾望はすでに発散しつくしているのに―。

酒蔵へ出稼ぎに来た青年は、昔ここで働いていた祖父が女性を案内中、発酵タンクに落ち、共に事故死したことを知る。

孤立無援で事件を追う馬見原は、四国に向かった。捜査のために休暇を取ったのだ。

新刊小説の書評に悩む書評家のもとに届けられた、奇妙な機械「ショヒョックス」。

北海道に単身赴任した検事・霞夕子。凶悪事件の少ない落ち着いた日々だったが、事件発生の急報が入った。

微熱をはらむその声に聴き入るうちに、からだごと異空間へ運ばれてしまう17話。色とりどりの、“謎”のものがたり。

クラスの人気者アンドリアが無惨な死を遂げて以来、7歳だったエリーは、姉との秘密を誰にも明かさなかったことを悔やみ続けてきた。

ロシア国内にそびえる幾多の壁。入り乱れる各国捜査陣の思惑。

ミサイル防衛を凍結する条約に調印すべくロシアを訪問した合衆国大統領夫妻が、ロシア大統領夫妻とともに銃撃を受ける。

病院の崩壊事故にともなう死傷事件の公判直前。手抜き工事の黒幕バラギュラは、証人を片端から消すよう部下に命じていた。

ピエロ。浚介は、生徒たちからそう呼ばれていたのだという。

江戸有数の薬種問屋の一粒種・一太郎は、めっぽう体が弱く外出もままならない。ところが目を盗んで出かけた夜に人殺しを目撃。

飯田橋の狭いアパートの一室で見つかった中年男の絞殺死体。

このほど晴れて巡査部長に昇進、それに伴って警視庁第三機動捜査隊から隅田川東署に異動した、ご存知・女刑事・音道貴子。

アパレルメーカーに勤める仲江翠は入社一年目。そつなく仕事をこなしていたが、彼女には秘密があった。

赤い国からの亡命志望者“ラビット”は本物か?彼は何を知り、何を望んでいるのか?CIAと英情報部SISはあらん限りの手段を尽くして真実を追及する。

いよいよ“ラビット”一家が動き出した。ライアンは、彼らの生命を守るための、神をも欺く作戦の仕上げに取り掛かる。

あの日の光景をふり払おうと酒に溺れていた浚介は、さらなる痛みを味わう。游子は少女をめぐり、その父親と衝突する。

失踪した作家が残した原稿。

「お父さん、浮気してるわよ」中学三年の水絵の言葉に知子はギョッとした。

四年前に亡くなった知子の母ゆいは、孫の水絵に遺言めいたノートを託していた。そこに綴られていたのは、哀しくも強かな女の性。

コウコは、寝たきりに近いおばあちゃんの深夜のトイレ当番を引き受けることで熱帯魚を飼うのを許された。

時代は米ソ冷戦真っ只中、強力なKGBとCIAは、鉄のカーテンを挟んで活発な情報戦を繰り広げていた。

KGB本部地下で、通信将校ザイツェフはどうにも容認できない作戦が進行していることに気付いた。

愛人と別れ、パリを離れた彫刻家マルトーは、テキサスの別荘に落ち着いた。その彼のもとを、謎の美女が訪れる。

夫と娘を救い出すため、事故のトラウマを押さえ込んで洞窟を進むホイットニー。風雨は強まり、水没の危険が迫る。

2007年、合衆国政府とNASAは新たな宇宙戦略に着手。

「NIGHT PROWLER(夜、うろつく者)」と記された小さな紙片を、口の中に押し込まれ、次々と殺害される若い女。

いつもあなたを見つける度に、ああ、あなたに会えて良かったと思うの。

高校教師・巣藤浚介は、恋人と家庭をつくることに強い抵抗を感じていた。

北陸本線を走る特急サンダーバードが、乗っ取られた。四百人以上の乗員乗客を人質にした犯人たちは、十一億円を要求する。

私立探偵、なのだという。だが村上冴子の眼の前にいるのは、かなり変わった二人組だ。

2113年の世界。

人目を避けるように、ひっそりと森の奥深くで息をひそめている“黒い家”。

LA市警の敏腕刑事ジャックは、辞職してウィスコンシン州の田舎町に移り住もうとしていた。

いつか刑事になる日を夢見ながら、留置管理係として過ごした近藤。

イケメン高校生の翔矢と雪乃、従姉妹の可奈子が謎のプロバイダに登録してから、次々と奇怪な事件が発生する。