一九八〇年、吹奏楽部に入った僕は、管楽器の群れの中でコントラバスを弾きはじめた。ともに曲をつくり上げる喜びを味わった。

誰が呼んだか“銀座のヤス”。親しみ込めて“ヤッさん”。

時は天保の世、浪人の手習い師匠・吉井数馬は幕府天文方と朝廷の暦合戦に巻き込まれる―数馬の運命は、そして妹・奈緒の秘めた思いとは?注目の小説推理新人賞受賞作を収録!情感溢れる江戸ミステリー連作短編集。

一五五六年。戦国の大名がいまだ未成熟の時代。

ここで逃げたら、 死ぬまで人生から逃げ続けることになる―― ハンデを背負った三人の若者と、 未来を手放した伝説の登山家。

父母を殺されたうえにいわれなき中傷を受けた真野亮介は、故郷・汐灘を捨て、深夜営業の喫茶店を営んでいた。

父が殺人を犯し、検事になることを諦めた川上譲は、東京で弁護士として、仕事に邁進していた。

警視庁刑事部に新設された広域捜査専任特別調査室―別名「SRO」。

画家でもある著者が、ゴッホの代表的な作品とされる、或る「スケッチ」について絵画法の観点や弟テオとの間で取り交わされた書簡等の解読により、贋作であることを証明しつつ、ゴッホの最期のメッセージを読み解き、自殺の真相を鮮やかに描き出す。

高校も大学も中退したぼくは、カメラを手に都会の生き物を撮り歩いている。

暴風とゲリラ豪雨に襲われる能登半島。河川が氾濫し、橋を流され孤立状態に陥る人びと。

美由紀の「千里眼」まで読みとる機械。

若い女性を陵辱のうえ惨殺する異常な事件が東京の各所で発生した。

1915年、辛亥革命から4年。革命政権は崩壊、軍閥は政敵を次次に暗殺し、政権を強奪した。

1915年、辛亥革命から4年。革命政権は崩壊、軍閥は政敵を次次に暗殺し、政権を強奪した。

一心の口から語られる驚くべき八雲の過去に、晴香は涙する―中学教師の高岸明美は、他人を寄せ付けず、寂しげな目で教室にたたずむ1人の少年のことが気になっていた。

九十七歳の生年祝い「風車祭」を翌年に控えたオバァ・フジの楽しみは長生きと、迷惑をかえりみない他人いじり。

ある日、ニライカナイの神がこう告げた。「島を大津波が襲うだろう」。

江戸は白金村に戻り、手習所を再開した興津重兵衛。

つぎに「くる」といわれ続けて10年の万年初版作家・青田耕平は小学生の息子と二人暮らし。

第13回 大藪春彦賞受賞! 第28回 日本冒険小説協会大賞 ダブル受賞作品!! ひょんなことから、プロの殺し屋が集う会員制ダイナーでウェイトレスをする羽目になったオオバカナコ。

営々と築き上げてきた「大坂和平の道」はついに崩れ去ろうとしていた…。執念深い秀忠、愚かな淀君、抗いがたい時代の奔流。

男の名は世良田二郎三郎元信。

豊臣秀頼が滅ぶ時、天下は徳川秀忠の世となり、家康=二郎三郎の存在理由は消えうせる…。大坂和平こそ、生き延びる道なり―。

組織を頼らぬ超絶の忍び“甲斐の六郎”と独立集団風魔一族の頭領、小太郎を懐刀にした二郎三郎は豊臣・徳川両家を拮抗させ、自由と平和の第三極を築こうとしていたのだが…。

愛人と無理心中を遂げた双子の姉。残された姪を預けるために弘前にやってきた幸代は、死者の声を聞く「イタコ」の千歳と出会う。

狼、再誕……。

奈良のマンション内、独身OLが出雲刀で惨殺された。密室殺人の手がかりは、壁に残された奇妙な紋様のみ。

高座で「罠」を打ち返し、怪談噺で謎を解き、ついには「あの人」を引っ張り出して…動き出す木彫りのねずみ、落語競演会で仕掛けられた「陰謀」学校での「妙ちきりんな事件」と義兄の結婚問題、そして師匠と十五センチの謎と駐車場で見たもの、これがあんなでそんなことに…。

おれ―並木涼平、26歳。現在恋人なし、趣味麻雀。

元暴走族の過去を持つ消防隊員、生田は、周囲も認めるベテランの運転手。

最初の会社を勢いで辞め、二番目の会社が突然倒産し、派遣先をたて続けにしくじったときでも、住む場所さえなくすことになるなんて、思ってもみなかった。

グレーのスーツ、地味なネクタイ、きちっと刈った髪。よく独り言を呟く神経質な男。

二度結婚に失敗したが多額の慰謝料を得た戸山いずみは、再婚を前提に二人の男と交際する。

人材派遣会社を営む紀ノ川由希子は42歳、独身。恋人には妻子がいる。

戦国の余燼さめやらぬ天正期。豊臣秀吉は天下人としての威勢を示さんと北野天満宮にて空前の大茶湯を企図する。

著者の傑作ショートショート14話+巻末に読みごたえ◎の短編1話を収録。

神奈川で現金輸送車の強盗事件が発生し、犯人の一人に鎌田光也の名が挙がった。

あの男には力がある。人を惹き付け、呼び寄せ、使いこなす、それができる男だ。

あの男には力がある。人を惹き付け、呼び寄せ、使いこなす、それができる男だ。

「殺人ビジネス、始めます」「新規開業につき、最初の三人までは特別価格30万円」―胸にアイスピックを突き立てられた男の口には、赤いリボンで結ばれたチラシが突っ込まれていた。

都内で若手経営者とホステスの刺殺体が見つかった。二人の顔には六枚の一文銭が置かれるという共通点が。

〜一刑事、執念の捜査行。/不朽の名作、読みやすい文字で復活!〜 大ホテルの社長が、自社ホテルで刺殺された。

一日の乗降者数が三百六十万人を超える世界一の駅、新宿。その新宿で、ふたりの男女の運命が交錯した。

眠らない街・新宿。通りがかりに硫酸を浴びせかける連続事件が発生する。

湿地に足を取られて死んだ者は、土に還ることも出来ず、永遠に水の中を彷徨っている。

ポチこと須川くんが、高校入学後に一目惚れしたクラスメイト。

お前は、運命を信じるか?東京を仕事場にする天才スリ師。彼のターゲットはわかりやすい裕福者たち。

高速料金所の職員、井川正治郎は高級車の運転席に元愛人の和子の姿を見た。

ロックの鳴り響く真昼の映画館で高級クラブ「ムアン」のママ和子が殺された。

祝儀の席の席順をめぐる百姓同士の諍いがついに決闘にまで発展して大騒動になったところへやってきたのは…。

「雪江!」―男は、倉本千明にそう呼びかけて来た。人違いなどではない。

「次の地下鉄工事、何としても取って来い」でも談合って犯罪ですよね?謎の日本的システムの中で奔走する、若きゼネコンマン平太の行末は―。

ミステリ映画『四国・坊っちゃん列車殺人号』の関係者は、奇しくもかつて松山の中学時代、演劇部として「坊っちゃん」を演じた者ばかりだった。

青森県F高校の男女七人の同窓生は、上野発の寝台特急「ゆうづる7号」で、卒業後七年ぶりに郷里に向かおうとしていた。

多摩川土手に放置された車両から、血塗れの左手首が発見された!近くの工務店のガレージが血の海になっており、手首は工務店の主人のものと判明。

妖怪雑事相談所「深山木薬店 改」に届いた、『枕石公園の怪異を調べて下さい』という差出人不明の手紙。

東京・西新宿のホテルで、中川真由美という女性が刺殺体で発見された。

怪盗・無貌…それは世界が畏怖する生ける怪異。

若き日の右京を髣髴とさせる「杉下右京最初の事件」、取調室での密室劇が見事な「せんみつ」、あのフィリップ・マーロウをもじったパロディ「名探偵登場」など、放送開始6年目にして明らかな“「相棒」らしさ”を確立したシーズン5の前半10話。

言えたはずの言葉が胸の中に積もっている。聞けたはずの言葉をいつも虚空に探している。

初恋に秘められた謎(ミステリ)を追え!吹奏楽の“甲子園”―普門館を目指す弱小吹奏楽部で繰り広げられるチカとハルタの名推理。

運命の事件発生から3時間。謎がさらなる疑惑を呼び、予想もしなかった男女をLINKする。

『4TEEN』続編ついに刊行!ぎこちない恋。初めての裏切り。

愛娘・里美の懐妊に胸躍らせる藤兵衛は、高垣藩から寄せられた剣術指南役に、将来を考えて師範代・重森を推挙する。

第135回直木賞受賞作『まほろ駅前多田便利軒』での愉快な奴らが帰ってきた。

若だんな、生まれて初めて旅に出る!ひ弱な若だんなを、両親は箱根へ湯治へやることに。

若だんな、生まれて初めて旅に出る!ひ弱な若だんなを、両親は箱根へ湯治へやることに。

本当に客を掴んでいるのは誰か―。

本郷に住むフリーライターの野本泰史は、通い慣れたなじみの店「琥珀亭」で水内弓恵と出会う。

イマドキの女子高生・小梅16歳。冴えないサラリーマンのパパ47歳。

携帯に人形の画像がとどいたら、神かくしにあう―。

八年前に別れた黒崎を忘れられない十和子は、淋しさから十五歳上の男・陣治と暮らし始める。

「俺、帰りたくなくって」29歳の主婦・典子は、ネットのオフ会で知り合った15歳の遼介から別れ際、告げられる。

葛西の家の裏にある“死にながらの森”には、死者を復活させる洞窟“キタイ”がある。

日常に倦み、無気力に生きるグラフィックデザイナーの入栄暁子は、祖母の遺品から出てきた夭折の詩人の日記を、その孫・古楽器職人の寒川耿介に返すため、尋ねていく。

犯人はなぜ木々を移動させるのか? 三十メートルの巨樹までもが移動し、さらには墜落死体が発見されたとき、植物写真家の猫田夏海は旧知の〈観察者〉探偵に助けを求めた!

小学五年生の夏休みは、秘密の夏だった。

神山佐平は、やむなき事情から家中の者を斬り、無断で江戸へ帰ってきた。わずか二年前に仕官したばかりだった。

彼の名は黒川鈴木。姓名どちらも姓に見えるという点で、まあ珍名の部類に入る。

ドッペルゲンガーを見たという少女に頼まれ、その正体を探ろうとした矢先、会員制サイトの掲示板の書き込み通りに彼女が殺された。

16歳の少女・綾は、父親を不慮の事故で亡くし、スイスの寄宿学校に留学することになった。

房総の豊かな海に浮かぶ小島・美瀬島で生まれた紗枝子は幼い頃、深夜に叔父たちが「人の形をしたもの」を運んでいるのを目にした。

房総の海に浮かぶ小島・美瀬島。浅見光彦の父・秀一は21年前、当地で海難事故に遭った。

警視庁捜査一課第二係は継続捜査係である。

前世紀初頭、ヨーロッパの小国ソヴュール。

実業家の中山憲之は、謎めいた脅迫電話に悩まされていた。

日系ブラジル人医師の津村は、北京の国際医学会で知り合った北朝鮮の医師に技術を伝えて欲しいと請われ、招聘医師として平壌産院に赴く。

妻が妊娠をかくしたまま自殺した。ショックで隠遁生活を送る秋山に、元上司から奇妙な依頼が来た。

「黒いコートの男が殺しに来る」。そう、子供たちは口をそろえて言う。

“シティ・エクスパンダー4”の生みの親、開発部部長の津久井智男はライバル企業と通じていた!?疑惑を残したまま姿を消した津久井。

窓際族という生活に折り合いをつけてきた哀川真也は、謎の美女・巨勢玲子との出会いで運命が一変する。