栄光なき凱旋



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初公開日(参考)2006年04月
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長編小説

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栄光なき凱旋 上

2006年04月17日 栄光なき凱旋 上

一人の女性を愛したジローとヘンリー。白人の恋人との結婚を決めたマット。彼らの明日を日本軍の真珠湾攻撃が引き裂いた。ジローは日本語を自在に操る語学兵としてアメリカ陸軍情報部へ転身。日系人の強制収容に抗議するヘンリーは法廷の場へ。マットは友と銃を手にする決意を抱く。奪われた未来を取り戻すため、彼らはそれぞれの戦いへと挑む。第二次世界大戦という激動の時代に生きる若者を描く青春群像大作。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

栄光なき凱旋の総合評価:8.87/10点レビュー 30件。Aランク


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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(8pt)

祖国とは血なのか、地なのか

2年半にわたる週刊誌連載を加筆改稿した、単行本上下で1200ページを越える超大作。太平洋戦争の開始をハワイとロスで迎えた日系人青年たちの苦悩と生き方をダイナミックな構成で描いた社会派の大河ドラマである。
ロスのリトルトーキョーに住む日系二世で、同じ女性を愛してしまった二人の青年。片や比較的恵まれた環境にあり優等生の好青年として知られたヘンリー、それとは対照的に環境に恵まれず社会をすねた生き方を貫いていたジロー。その微妙な関係は、日本による真珠湾攻撃をきっかけに後戻りできない亀裂を抱えることになった。ある事情で殺人を犯したジローは、日本語能力の高さを買われて米国陸軍情報部に語学兵としてリクルートされてロスを離れ、太平洋戦線に送られる。アメリカ政府による日系人強制収容に遭遇したヘンリーは、日系人の権利・立場を主張するため兵役に志願し、陸軍に入隊する。
一方、奇襲を受けたハワイでは、大学生活を満喫していた日系二世のマットが父親とともにスパイ容疑で拘束され、マットはすぐに釈放されたものの父親は拘束され続けた。自分はアメリカ人であることを証明したいという思いに駆られたマットは、父の釈放の助けになれればとの願いもあり、同級生たちと日系人部隊に加わることにした。
この三人を中心に、祖先の国・日本と戦火を交えるアメリカ軍に加わった日系人たちの苦悩と戦場での活躍が描かれて行く。自分が背負うべき祖国とは父母の国・日本なのか、生まれ育ち国籍があるアメリカなのか、永遠に正解が見つからない難問が若い日系人を苛み、疲弊させて行く。そして終戦。圧倒的な勝利を収めたアメリカで勝ったといえるのは国家なのか、国民なのか。国民の中に日系人は含まれるのか。
非常に重いテーマを真摯に、しかも高度にエンターテイメントとして仕上げている作者の力量に感嘆した。週刊誌の連載故にやや冗漫な説明が重なるところがあるのだが、そんな些細なことは忘れさせる力強い作品である。
国家と国民の関係に少しでも関心があれば、ぜひ読むことをオススメする。

iisan
927253Y1
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.29:
(5pt)

真保裕一トップクラスの作品

戦争作品を読むたびに何故日本はこんな無謀へと走ってしまったのかとつくづく感じさせられる。戦後の主人公三人には厳しい現実が待ち受けていた。
マット・フジワラは朝鮮戦争での戦死、ヘンリー・カワバタは強盗に襲われ死亡、そしてジロー・モリタはエドワード・タカクラ殺しで一級殺人罪で刑務所へ。ここにも日系人の厳しい現実があった。
アメリカから見た太平洋戦争の決定版と言っても過言ではない秀作だった。
真保裕一作品の中でもトップクラスの作品だ。
一般文学通算2404作品目の感想。2020/06/11 16:55
栄光なき凱旋 下Amazon書評・レビュー:栄光なき凱旋 下より
4093797277
No.28:
(5pt)

米兵としての芽生え

ジロー・モリタ、ヘンリー・カワバタ、マット・フジワラの三人はそれぞれニューギニア、イタリア、フィリピンの戦地へ派兵された。
語学兵を経て日本人捕虜から日本の戦略を入手したりフィリピンでは日本機が不時着した際に重要機密文書を巡る作戦へ赴くなど次第にアメリカ兵としての役割を果たし始めた。
戦争もいよいよ後半へ突入する。彼らを待つものがなんであるか期待したい。
一般文学通算2404作品目の感想。2020/06/07 16:30
栄光なき凱旋〈中〉 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:栄光なき凱旋〈中〉 (文春文庫)より
4167131129
No.27:
(4pt)

二つの祖国の再来か

ハワイ及びロスに住む日系一世、二世の太平洋戦争を描いた作品。
おもな主人公はジロー・モリタ、ヘンリー・カワバタ、マット・フジワラの三人。
上巻は真珠湾攻撃から太平洋戦争の序盤。この作品が山崎豊子著「二つの祖国」に似ている点にも注目したい。
決して悪い意味ではなく、日系人と太平洋戦争を描けば故郷日本を思う一世と、アメリカ国籍を持ちながらアメリカ人と認められない二世の葛藤が浮き彫り出される。
大作に興味を持ちながら読破を覚悟せねばならない。
一般文学通算2404作品目の感想。2020/06/03 16:30
栄光なき凱旋 上Amazon書評・レビュー:栄光なき凱旋 上より
4093797269
No.26:
(4pt)

早く先が読みたい!

第二次大戦中の日系米国人が題材。主人公は数人いて、物語はそれぞれの数奇な運命を丁寧に描いて行く。

 同じ題材を扱った小説に山崎豊子の「二つの祖国」がある。NHKの大河ドラマにもなったので、ご存知の方も多かろう。こちらも大傑作であった。そういう意味では、本書にはオリジナリティが少々欠けている、とは言える。

 但し、本書は主人公を複数据えることで、日系人の間にも様々な考え方があり、深刻な軋轢や葛藤があったことをよりvividに描くことに成功している。

 ミステリー作家らしく途中で殺人まで織り交ぜ、物語は中巻へ。あー、早く読みたい!
栄光なき凱旋 上Amazon書評・レビュー:栄光なき凱旋 上より
4093797269
No.25:
(4pt)

堪能しました!

上巻が戦「争」の話だったのに対して、下巻は戦「地」の話。当時の日系人は兵隊に行く前にも苦労し、兵隊に行った後もそれ以上に苦労したんだなあということがよくわかる。正にEdutainmentだ。堪能させて貰った。

 最後の章が「裁判」の描写なのも、話が一本調子になるのを防いでいて、構成としてはとても良いと思った。それにしても、せっかく戦争を乗り越えて帰還した日系人兵士たちのその後は、余りに悲しい。
栄光なき凱旋 下Amazon書評・レビュー:栄光なき凱旋 下より
4093797277



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