千年の黙 異本源氏物語



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千年の黙 異本源氏物語 (創元推理文庫)

2009年06月25日 千年の黙 異本源氏物語 (創元推理文庫)

帝ご寵愛の猫はどこへ消えた?出産のため宮中を退出する中宮定子に同行した猫は、清少納言が牛車に繋いでおいたにもかかわらず、いつの間にか消え失せていた。帝を虜り左大臣藤原道長は大捜索の指令を出すが―。気鋭が紫式部を探偵役に据え、平安の世に生きる女性たち、そして彼女たちを取り巻く謎とその解決を鮮やかに描き上げた絢爛たる王朝推理絵巻。鮎川哲也賞受賞作。 (「BOOK」データベースより)




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千年の黙 異本源氏物語の総合評価:8.22/10点レビュー 27件。Aランク


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(10pt)

千年の黙 異本源氏物語の感想

面白い、上手い、兎に角凄い作品である。

構成は3部となっている。

物語のベースは 副題の通り、源氏物語にまつわる話である。

時代背景が平安時代の藤原道長台頭期で、主な登場人物は既に主要な貴族は粛清され藤原家内での共食い状態で、その上はうようよと次の政権を狙っている皇族がいるのみ。

そんな分かりにくい時代の説明から、下級貴族の式部がどうやって一番の主流派の彰子へ参内できたのかを、単なる源氏物語の説明ではなく 全体の雰囲気が味わえるようになっている。

第一部では市井で起こる事件(彰子の猫捜し)について、式部の慧眼で解き明かす過程で、彼女の推理、判断、観察力を表現し どのような人物が源氏物語を作ったのかを象徴させている。

そういった意味では、第一部は よくある歴史人情モノの様な雰囲気が漂っているが、2部に入ると立ち位置が市井から宮中に変わることで、雰囲気もガラッと変化する。

参内後、続々と源氏物語が発表されていくが、あるとき発表したはずの1帖が出回ってないことに気づく。それが単なるミスなのか、それとも意図されたことなのか。。。

「かかやく日の宮」という表題に源氏物語に知見が深い人であれば気づくかも知れない、ミッシングリングについての謎解きとなっている。

また、この藤原時代に敵対する源氏を主人公にしているわけは、道長との関係はと、ある様々な謎を、もって回った理屈でなく 素直な解釈から自然に解明している。

最後の第三部では、これまた良く知れた「雲隠れ」。

この帖、ある意味では 現代の全ての芸術においても最高傑作かも知れない。

というのも、当帖は光源氏が身罷る全54帖中の第41帖に当たる作品なのだが、題名だけしか存在しないのである。

物語に「文章がない」ということは、例えば音楽で言えば「無音」、絵画なら「白紙」、彫刻で言えば「石の塊」「丸太」、という超荒技である。

理由は、紛失したとも 読者の想像に任せる とも言われているが、まずもって前者であることはありえないであろう。

彼女は、その大技をこの処女作であり人生をかけた大作のクライマックスにもってきたのである。それだけでも、源氏物語が古今東西の文学と比較しても突出している証明になるのではないだろうか。

兎に角、複雑で難解な源氏物語をそれほどの知識がなくとも平易に理解できる様になっており、といってところどころに玄人好みするネタを仕込み無理なく解明していく、非常に素晴らしい作品である。  了

とも
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.26:
(4pt)

源氏物語を知らなくても読めるけれど、知っていて読むとより面白いかなと

大学時代の専門が源氏あたりだったので懐かしく思い出しながら読みました。原本さえ様々なバージョンが有り、さらに解釈も様々な存在そのものもミステリな世界で最古の、でも内容は現代ドラマより過激な長編小説。紫式部日記や更科日記やら、当時の女性たちの生活も思い出しつつ、そこに推理小説的な味付けがしてあって、私はとても楽しめた。源氏物語そのものが冗長な(ダラダラな)ところもあるので、あさきゆめみしとかを読んで、俯瞰した内容を知っていたほうが楽しめる作品だと思います。ある意味ドラゴンボール的な延長戦なダラダラな理由もこの本にも表れていて、これを読んでから源氏物語(現代訳でも漫画でも)を読むともっと楽しいのかもしれません。
千年の黙―異本源氏物語Amazon書評・レビュー:千年の黙―異本源氏物語より
4488023789
No.25:
(5pt)

面白い!

最近の時代物は舞台こそ時代がかっていても
中身が薄いものが多いが、本作は謎解きとしても
人の心の深い動きを描いても、一流。
ゼヒ他の作品も読みたいと思った。
千年の黙―異本源氏物語Amazon書評・レビュー:千年の黙―異本源氏物語より
4488023789
No.24:
(4pt)

読後感

源氏物語をちょっと違った側面から楽しむことができました。想像力を付ける書物として良い本だと思いました。
千年の黙―異本源氏物語Amazon書評・レビュー:千年の黙―異本源氏物語より
4488023789
No.23:
(5pt)

おもしろい

この本も、長いことお気に入りに登録しっぱなしの本でした。気楽に読めそうな本だと思い購入しました。正解でした。ネコ好きな可愛い女の子が、助けてくれた男の子を好きになる。どこが源氏物語なの?聡明な女主人が、使用人あてき といっしょに事件を解決するお話です。1冊の本の中に、童女のあてき・結婚したあてき・夫に死別し出家したあてき がでてきます。私にとっては、感慨深いです。
千年の黙―異本源氏物語Amazon書評・レビュー:千年の黙―異本源氏物語より
4488023789
No.22:
(4pt)

平安京で起こる珍事件&怪事件にからめて語られる『源氏物語』成立の経緯

鮎川哲也賞受賞の平安京ミステリ。
紫式部を主人公に据えて、平安京で起こる珍事件&怪事件にからめて語られる『源氏物語』成立の経緯。
第一部は猫の消失、第二部の前半は人間消失。平安京で「日常の謎」をやろうという試みは、読者に馴染みの薄い時代背景を描くには必要だったのかもしれませんが、長いわ、冗漫だわ、ボリュームを支えるにはどうしても事件が迫力不足。ところがどっこい、俄然面白くなってくるのは第二部の後半に入り、『源氏物語』の中の第二巻「かかやく日の宮」の消失が明らかになってから。紫式部とワトソン役の女房による「消えた一帖」の追及が凄い迫力で描かれており、歴史ミステリとしても一級品であります。
中宮彰子、藤原実資、承香殿女御(元子)といった脇役のチョイスも素晴らしい。時代考証はおおむね正確なのですが、ただ紫式部の夫の藤原宣孝だけはイメージを優先させたのか、実説よりもだいぶ若くなっているのが御愛嬌。
前半星三つ、後半星五つで、平均して星四つといったところ。
千年の黙―異本源氏物語Amazon書評・レビュー:千年の黙―異本源氏物語より
4488023789



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